概要
広義には、新幹線に並行する在来線のことであるが、一般的には「整備新幹線に並行する在来線」のことをいう。
整備新幹線の並行在来線一覧
整備新幹線は未着工区間を除く。
東北新幹線(JR東日本)
東北新幹線(JR東日本)は2002年(平成14年)12月1日に盛岡駅〜八戸駅間、2010年(平成22年)12月4日に八戸駅〜新青森駅間が開通。なお、東京駅〜盛岡駅間は整備新幹線には含まない。
新幹線開通前 | 区間 | 営業キロ | 移管(廃止)年月日 | 新幹線開通後 |
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東北本線(JR東日本) | 盛岡駅〜目時駅間 | 82.0km | 2002年(平成14年)12月1日 | いわて銀河鉄道線(IGRいわて銀河鉄道)に移管 |
〃 | 目時駅〜八戸駅間 | 25.9km | 〃 | 青い森鉄道線に移管。青い森鉄道が第二種鉄道事業者、青森県が第三種鉄道事業者の上下分離方式。 |
〃 | 八戸駅〜青森駅間 | 96.0km | 2010年(平成22年)12月4日 | 〃 |
北海道新幹線(JR北海道)
北海道新幹線(JR北海道)は2016年(平成28年)3月26日に新青森駅〜新函館北斗駅(※1)間が開通済み。2030年(令和12年)度末に新函館北斗駅(※1)〜札幌駅間が開通する予定。
新幹線開通前 | 区間 | 営業キロ | 移管(廃止)年月日 | 新幹線開通後 |
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津軽線(JR東日本) | 青森駅〜中小国駅〜新中小国信号場〜三厩駅間 | 55.8km | - | JR東日本のまま存続(新幹線と在来線で経営する会社が異なるため)。 |
海峡線(JR北海道) | 中小国駅〜新中小国信号場〜木古内駅間 | 87.8km | - | JR北海道のまま存続。定期旅客列車は廃止され、貨物列車と団体専用列車(クルーズトレイン)のみ運行。 |
江差線(JR北海道) | 木古内駅〜五稜郭駅間 | 37.8km | 2016年(平成28年)3月26日 | 道南いさりび鉄道線(道南いさりび鉄道)に移管。電化設備は存置するが、定期旅客列車は気動車にて運行 |
函館本線(JR北海道) | 函館駅〜新函館北斗駅(※1)間 | 17.9km | - | JR北海道のまま存続、建築限界拡大により新幹線車両の乗り入れ構想あり。 |
〃 | 新函館北斗駅(※1)〜大沼公園駅〜長万部駅間 | 94.4km | 2030年(令和12年)度末(予定) | JR北海道より経営分離(予定)。ただし、経営分離後の扱いについては2024年時点で未確定。 |
〃 | 大沼駅〜鹿部駅〜森駅間 | 35.3km | 〃 | 〃 |
〃 | 長万部駅〜小樽駅間 | 140.2km | 〃 | 鉄道路線廃止後、路線バスに転換予定。当該区間のうち輸送密度が比較的多い余市〜小樽間については、第三セクター転換の構想あり。 |
〃 | 小樽駅〜札幌駅間 | 33.8km | 〃 | JR北海道のまま存続(予定)。 |
北陸新幹線(JR東日本/JR西日本)
北陸新幹線のうち、JR東日本の管轄区間は1997年(平成9年)10月1日に高崎駅〜長野駅間、2015年(平成27年)3月14日に長野駅〜上越妙高駅(※2)間が開通。
JR西日本の管轄区間は2015年(平成27年)3月14日に上越妙高駅(※2)〜金沢駅間、2024年(令和6年)3月16日に金沢駅〜敦賀駅間が開通。
新幹線開通前 | 区間 | 営業キロ | 移管(廃止)年月日 | 新幹線開通後 |
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信越本線(JR東日本) | 高崎駅〜横川駅間 | 29.7km | - | JR東日本のまま存続。 |
〃 | 横川駅〜軽井沢駅間 | 11.2km | 1997年(平成9年)10月1日 | 鉄道路線廃止後、路線バス(ジェイアールバス関東碓氷線)へ転換。 |
〃 | 軽井沢駅〜篠ノ井駅間 | 65.1km | 〃 | しなの鉄道線(しなの鉄道)に移管。 |
〃 | 篠ノ井駅〜長野駅間 | 9.3km | - | JR東日本のまま存続。 |
〃 | 長野駅〜妙高高原駅間 | 37.3km | 2015年(平成27年)3月14日 | 北しなの線(しなの鉄道)に移管。 |
〃 | 妙高高原駅〜直江津駅間 | 37.7km | 〃 | 妙高はねうまライン(えちごトキめき鉄道)に移管。 |
北陸本線(JR西日本) | 市振駅〜直江津駅間 | 59.3km | 2015年(平成27年)3月14日 | 日本海ひすいライン(えちごトキめき鉄道)に移管。電化設備は存置するが、定期旅客列車は気動車にて運行。 |
〃 | 倶利伽羅駅〜市振駅間 | 100.1km | 〃 | あいの風とやま鉄道線(あいの風とやま鉄道に移管。 |
〃 | 金沢駅〜倶利伽羅駅間 | 17.8km | 〃 | IRいしかわ鉄道線(IRいしかわ鉄道)に移管。 |
〃 | 大聖寺駅〜金沢駅間 | 46.4km | 2024年(令和6年)3月16日 | 〃 |
〃 | 敦賀駅〜大聖寺駅間 | 84.3km | 〃 | ハピラインふくい線(ハピラインふくいに移管。 |
九州新幹線(JR九州)
九州新幹線(JR九州)(※3)は2004年(平成16年)3月13日に新八代駅〜鹿児島中央駅(※4)間、2011年(平成23年)3月12日に博多駅〜新八代駅間が開通。
新幹線開通前 | 区間 | 営業キロ | 移管(廃止)年月日 | 新幹線開通後 |
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鹿児島本線(JR九州) | 博多駅〜八代駅間 | 154.1km | - | JR九州のまま存続。 |
〃 | 八代駅〜川内駅間 | 116.9km | 2004年(平成16年)3月13日 | 肥薩おれんじ鉄道線(肥薩おれんじ鉄道)に移管。電化設備は存置するが、定期旅客列車は気動車にて運行。 |
〃 | 川内駅〜西鹿児島駅(※4)間 | 46.1km | - | JR九州のまま存続。 |
西九州新幹線(JR九州)
西九州新幹線(JR九州)(※3)は2022年(令和4年)9月23日に武雄温泉駅〜長崎駅間が開通。
新幹線開通前 | 区間 | 営業キロ | 移管(廃止)年月日 | 新幹線開通後 |
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長崎本線(JR九州) | 肥前山口駅(※5)〜諫早駅間 | 60.8km | 2022年(令和4年)9月23日 | JR九州が第二種鉄道事業者、佐賀・長崎鉄道管理センターが第三種鉄道事業者の上下分離方式に移行。新幹線開通後23年間はこの方式を維持。肥前浜駅〜諫早駅間は電化設備を廃止。 |
〃 | 諫早駅〜市布駅〜長崎駅間 | 24.9km | - | JR九州のまま存続。電化設備を廃止。 |
〃 | 喜々津駅〜長与駅〜浦上駅間 | 23.5km | - | JR九州のまま存続。 |
注釈
(※1)2016年(平成28年)3月26日に渡島大野駅から新函館北斗駅へ改称。
(※2)2015年(平成27年)3月14日に脇野田駅から上越妙高駅へ改称。
(※3)法令上の名称はいずれも「九州新幹線」であり、九州新幹線(博多駅〜鹿児島中央駅間)を「九州新幹線(鹿児島ルート)」、西九州新幹線(博多駅〜新鳥栖駅〜長崎駅間)を「九州新幹線(長崎ルートまたは西九州ルート)」と呼称して区別する。
(※4)2004年(平成16年)3月13日に西鹿児島駅から鹿児島中央駅へ改称。
(※5)2022年(令和4年)9月23日に肥前山口駅から江北駅へ改称。
余談
通常は整備新幹線以外の新幹線(例:東海道新幹線など)に並行する在来線のことを並行在来線とは呼ばない。ただし、新幹線の運賃は並行する在来線の距離に基づいて計算されるため、運賃計算という場面においては、整備新幹線以外の新幹線に並行する在来線についても、「新幹線の運賃は、並行在来線の距離に基づいて計算される」のような文脈では使用されることがある。
もっとも、最近は乗り換え案内アプリなどが運賃を自動的に計算してくれるため、このような言い方をするのは鉄道ファンくらいだろう。
→乗車券