トンネル出でゝながむれば
周回八里の大沼に
裳裾をかけて聳え立つ
渡島の富士も面白や
(『鉄道唱歌』第六集『北海道篇』・『南の卷』八番)
概要
北海道亀田郡七飯町に所在する、JR北海道函館本線の駅。駅番号はH68。
定期列車では特急「北斗」は全て通過し、普通のみが停車する。かつて優等列車は下りが大沼公園駅、上りが当駅に停車する形態を取っており、急行「ニセコ」・特急「北海」の上り列車が一部停車していたが、1986年(昭和61年)11月1日に急行「ニセコ」の定期運行が終了して以降は優等列車の停車がなくなった。また、2000年(平成12年)3月11日には快速「アイリス」の下り列車が廃止されたことで快速列車の停車もなくなり、普通列車のみ停車する駅となった。
乗り入れ路線
当駅は函館本線の単独駅だが、函館本線の七飯駅〜当駅〜森駅間は8の字区間になっている。当駅で七飯駅からの下り列車専用の別線(通称:藤城支線)が本線と合流し、当駅〜森駅間を海岸沿いに迂回する支線(通称:砂原支線)が本線から分岐する。
歴史
1903年(明治36年)6月28日、北海道鉄道の本郷駅(現:新函館北斗駅)〜森駅間が延伸した際に初代「大沼駅」(一般駅)として開業。
1907年(明治40年)7月1日に北海道鉄道が国有化されたことで官設鉄道の駅となり、1909年(明治42年)10月12日の線路名称制定によって函館本線の駅となる。
1920年(大正9年)6月15日には当駅が「軍川駅(いくさがわえき)」、初代「大沼公園駅」が2代目「大沼駅」に改称されたが、1964年(昭和39年)5月1日に2代目「大沼駅」が2代目「大沼公園駅」、同年6月1日に当駅が3代目「大沼駅」にそれぞれ再改称され、元の駅名に戻っている。
1945年(昭和20年)6月1日、函館本線の支線(通称:砂原支線)として当駅〜渡島砂原駅間が開通。
1956年(昭和36年)12月15日、仁山信号場(現:仁山駅)〜当駅間が旧線(峠下トンネル経由)から新線(新峠下トンネル経由)に切り替えられた。1962年(昭和37年)7月25日に仁山信号場〜当駅間に熊の湯信号場が新設されたが、熊の湯信号場〜当駅間は、一度廃止された峠下トンネルを改修して復活させ、暫定的に複線化された。
1966年(昭和41年)9月30日、函館本線の七飯駅〜当駅間に下り列車専用の別線(通称:藤城支線)が開通し、熊の湯信号場が廃止される。旧・熊の湯信号場〜当駅間は旧・下り線(新峠下トンネル経由)が藤城支線(下り列車専用)に転用され、旧・上り線(峠下トンネル経由)が再び上下列車兼用の単線に戻されたことで、七飯駅〜当駅間は変則的ながら複線化が達成された。
1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)に継承される。
駅構造
単式ホーム1面1線(1番のりば)と島式ホーム1面2線(2・3番のりば)の計2面3線を有する構造の地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡する。木造駅舎を有する。
1・2番のりばの間に中線があり、貨物列車(砂原支線から函館方面)の待避線として使われていたが、現在は使用停止となっている。3番のりばの横にも待避線があり、こちらは現在も森方面への貨物列車の待避に使用されている。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 函館本線(本線) | 上り | 函館方面 | 砂原支線(渡島砂原方面)からの列車 |
2 | 函館本線(本線) | 上り | 函館方面 | 本線(大沼公園方面)からの列車 |
〃 | 函館本線(本線) | 下り | 森・長万部方面 | |
〃 | 函館本線(砂原支線) | 下り | 森・長万部方面 | |
3 | 函館本線(本線) | 上り | 函館方面 | 当駅始発 |
〃 | 函館本線(本線) | 下り | 森・長万部方面 | |
〃 | 函館本線(砂原支線) | 下り | 森・長万部方面 |
隣の駅
路線名 | 種別 | 函館駅方面 | 当駅 | 札幌駅・旭川駅方面 |
---|---|---|---|---|
函館本線(本線) | 普通 | 仁山駅(H69) | 大沼駅(H68) | 大沼公園駅(H67) |
函館本線(藤城支線) | 普通 | 七飯駅(H71) | 大沼駅(H68) | |
函館本線(砂原支線) | 普通 | 大沼駅(H68) | 鹿部駅(N68) |
(※)函館本線(本線)の仁山駅〜当駅間にはかつて熊の湯信号場・小沼信号場があった。
(※)函館本線(砂原支線)の当駅〜鹿部駅間にはかつて池田園駅(N71)・流山温泉駅(N70)・銚子口駅(N69)・新本別信号場があった。銚子口駅は銚子口信号場として存続。