概要
ドイツの首都。ベルリンで運行されている地下鉄。通称「Uバーン」。
現在は、10路線、173駅、総延長は146kmとなっている。
全駅がベルリン市内にある(U5の ヘーノウ駅(ドイツ語版)はブランデンブルク州の地名を駅名としているが、駅舎や線路など鉄道関連施設はすべてベルリン市内にある)。ベルリン市交通局(ドイツ語版)(BVG:Berliner Verkehrsbetriebe)が運営している。路線名は番号によって表され、たとえば「U1」はU-Bahnlinie 1、すなわち地下鉄1号線を表す。
終夜運転を行っている地下鉄として有名で、夜間まで地下鉄運行を行なわれている一方、下記にある運賃の高さや信用乗車方式から来る冤罪罰金の影響で利用者は先進国・主要国では1日平均130万人(しかも平日)と最も利用者が少ない。(利用者最多の中国の上海・北京・香港の地下鉄の利用者を合算すると10分の1以下しか利用していない。)
因みに2016年の合計利用者数は4億3070万人で1日平均(閏年なので366で割る)に換算すると約117万人と少なく、テヘラン・メトロや名古屋市営地下鉄より少ない。
尚、ベルリン地下鉄で最も利用者を多く出した年は皮肉にもナチス・ドイツの時代であり、戦後のベルリン地下鉄ではナチス時代より上回った年は存在しない。
現在の車両はプライバシーガラスになっており、地上区間でも景色を楽しむことはできないようになっているので注意。
運賃
ベルリン地下鉄ではベルリン=ブランデンブルク交通連合(ドイツ語版)(VBB:Verkehrsverbund Berlin-Brandenburg)の共通料金システムを採用している。そのため地下鉄、Sバーン、近郊電車、トラム、バス(ドイツ語版)、 フェリー(ドイツ語版)は、追加の初乗運賃なしで乗り換えが可能である(ただし短距離券の扱いは異なる)。
VBBの料金例(2017年1月改定)
券種 | ゾーン | 料金 | 有効期間 |
---|---|---|---|
短距離券 |
| 1.7ユーロ | |
一回券 | Berlin AB | 2.8ユーロ | 2時間 |
Berlin BC | 3.1ユーロ | 2時間 | |
Berlin ABC | 3.4ユーロ | 2時間 | |
一日券 | Berlin AB | 7.0ユーロ | 翌日午前3時まで |
Berlin BC | 7.4ユーロ | 翌日午前3時まで | |
Berlin ABC | 7.7ユーロ | 翌日午前3時まで |
注意点
1ユーロ=130円で説明します。
ベルリン地下鉄では悪名高いゾーン制運賃を適用されており、更に打刻式の為、乗車券を見せないと罰金を取られやすい構図が出来ている。
短距離区間券なら3駅を過ぎると罰金、1回乗車券なら2時間過ぎると罰金、1日券も翌日の午前3時を過ぎると罰金とかなり不便な制度なっている。
運賃自体も決して安いわけでなく、短距離券が1.7ユーロ(日本円なら約220円)で、3駅までなのでこれは東京メトロ(初乗り5キロ170円)やOsakaMetro(初乗り3キロ180円)等より高い。
1回券もAB区間なら2.8ユーロ(約364円)以上と高く、しかも2時間以内での移動となるので時間面で問題が起きやすい。
1日券では7ユーロ(約920円)と高く、夜買ってしまうと翌日の午前3時までの利用となる為、更に高くなってしまう。
加えてこの地下鉄で問題になっているのは罰金の高さと冤罪罰金の多さである。
仮に打刻したとしてもきちんと見せなければ罰金の対象になる事が多く、その罰金も一律60ユーロ(約7800円)と高い。
又、1日乗車券を短距離券や1回券と誤認する検札員も多く、意図的に罰金を取る検札員も多い。このような事態に付け込む者がいないはずもなく、検札員を装って罰金を取ろうとする詐欺も横行しているため、どうしても利用が慎重にならざるを得ない。
更に終夜運転を実施しているので、駅構内の治安面での不安さや運賃値上げのリスクも潜んでいる。
又、検札員の高齢化と人手不足、劣悪な労働環境(事実、ベルリン地下鉄の検札員は給料の割には過酷な労働を強いられている。ドイツ版官製ブラック企業)から、誤認検札や検札詐欺も増加している。
その影響でベルリンでは自転車分担率が高くなっており、利用者も平日で1日約130万人と少ない(休日を含めると約117万人と更に低い)。
信用乗車方式の欠点がさまざまな方面から災いし、乗客から信用を失った例と言える。