概要
英国の首都、ロンドンを走る地下鉄。London Undergroundと呼ばれる。運営しているのはロンドン地下鉄会社でグレーター・ロンドンのロンドン交通庁管理下にある。
世界初の地下鉄とされる。悪化するロンドンの住環境と地上にひしめく建築に対処する構想として、地下に鉄道を走らせるという前代未聞の計画が発表された際には、「馬鹿げたユートピア妄想だ」「地下から悪魔でも掘り起こすのか」と非難が世に溢れたらしい。だが現代的な開削工法と多くの労働事故の犠牲の果てに、1863年1月10日にハマースミス&シティー線パディントン~ファリントン間、メトロポリタン線ファリンドン~ベーカー・ストリート間が開業する。イギリスばかりか世界がその斬新な交通手段に驚嘆した。あまりに斬新すぎて蒸気機関車に地底を走らせて乗客を煙り塗れにするという暴挙をやらかしているのもお約束である。だが、煙の少ないコークスを燃料にしたり、多数の煙排出口を設けるなど、当時の技術で可能な対策は尽くされていた。
その後、シールド工法によるさらに安全なトンネル形成や、電化による煙被害の追放なども進み、現在は11路線の営業408キロに広がっている。
トンネルの内径が極めて狭いので、画像のように車両上面がトンネルにギリギリ衝突しない丸みを帯びた形状なのも特徴。よって電化も第3軌条方式を利用。ただし利用後の電力を走行レールではなく専用の第四の軌条に返す独自の仕組みを採用しているので、第四軌条方式ともいう。
運賃
英国では鉄道運賃全般が高いが、ロンドン地下鉄は特に酷く、ゾーン1~3までは4.80ポンドの均一運賃(1ポンド=141円だと日本円で約678円かかる)で、しかもゾーン制を敷いているので、短距離だと際立って割高になりがち。
オイスターカードという交通系ICカードだと割引してくれるものの、ゾーン1のみで2.3ポンド(約324円)、ゾーン1-9を利用すると6.9ポンド(約973円)と非常に割高な運賃となる。
このカードを導入するために切符での運賃を割高にした(mobell社のサイトより)ため、イギリス国外でもオイスターカードが販売されている。
他には、トラベルカードと呼ばれる乗り放題チケットがある。期間は1日〜1年とさまざま。
関連項目
地下鉄 東京メトロ 都営地下鉄 OsakaMetro 名古屋市営地下鉄 モスクワ・メトロ 上海地下鉄 テヘラン・メトロ ベルリン地下鉄