概要
シールドマシン先端のカッターフェースによる掘削と同時に側面のエレクターで周囲をセグメントで固める方式で造られるトンネルの事。
その工程から地崩れや漏水が起きにくいというメリットがあるため、主にビルの真下や川底など地盤の弱い場所を掘る時に採用される。
ほとんどの場合シールドトンネルは、周囲からの衝撃をセグメントが緩和しやすくなる丸型の断面を採用しているが、近年は掘削面積最小化のために四角型も開発されている。
シールドマシンの起源は1818年のイギリスに住んでいたフランスの技術者マーク・ブルネルがフナクイムシの生態から考案。
1825年にテムズ河真下に横断トンネルを通す計画で採用。この頃の断面は四角形で掘削もカッターヘッドではなく作業員が手作業で行っていた。浸水による7年間の中断というハプニングはあったものの15年後の1840年にテムズ河の真下に地下鉄を通すことに成功し、現在も使用されている。
また、現在メジャーとなっている円形断面のシールドマシンもイギリス生まれであり、グレートヘッドという技術者が先駆けだったりする。
日本で採用されたのは1900年代に入ってからで、大正6年の羽越線・折渡トンネルが最初だが部分的に使用されるのみにとどまっている。
類似する工法に発進立坑(工事の出発地点)に設置したジャッキの推力により、推進機や推進管を直接前進させていく「推進工法」がある。