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概要

海産二枚貝のうち、フナクイムシ科のの総称。

漢字で書くと「船食虫」となるが、これは木製に穴を開けてしまうことから付けられた名である。

木造船にとっては厄介この上ないが、実は人類の生活を支える技術の元となった偉い貝でもある(後述)。


特徴

貝と言いながらも水管が発達しており、その姿は長いミミズのように見えるが、先端に二枚の貝殻が付いている。

海中の木に穴をほって生活するためにこのような姿に進化した。

木に穴を掘って「巣穴」とし、また掘った木を食べて生活している。つまり(木造船からすれば)実際木=船を食べている貝なわけで。

掘った木は体内に共生するバクテリアの分泌する酵素により消化してエネルギーとすることができる。

上記の貝殻は木を掘るためにドリルビットのような構造に進化している。

でも木は水を吸うと膨れるので、何も考えずに掘り進んだら「新鮮な」木材だと掘っている間に木が水を吸って膨れて「プチッ」と行ってしまう。さてどうする?

何の事はない、掘り進んだ先から周囲にカルシウム化合物を分泌して塗り固めてしまえばいいだけである。


実は偉い貝なんです

木造船に穴を開けて食い荒らすフナクイムシは、当然船関係者からすれば厄介者。

そのため昔からあの手この手でフナクイムシを寄せ付けない方法が試されてきた。


ところが、紳士の国マーク・ブルネルという男がいた。

彼はフナクイムシがどうやって水を吸うと膨れる木から自分を守っているのか気になって仕方なかった。

そんなマークがフナクイムシを観察してみたところ、「掘った端から周りをカルシウムで塗り固めて強固なトンネルを作っている」ということがわかった。

「そういうことだったのか…じゃあ我々人類はカルシウムでなく鉄板でトンネルを固めてみようじゃないか!これで軟弱地盤のテムズ川の下にもトンネルを掘れるかも知れない!」

この目論見が見事に大当たり、幅が広くて地盤の弱いテムズ川の下にも長大なトンネルを掘ることに成功した。


そう、今では地下鉄などのトンネルに欠かせないシールドトンネルの技術である。

フナクイムシはシールドトンネルの技術のヒントになった偉い貝でもあるのだ。


人間との関係

名前通り船を食っていたのは、船が無塗装の木材のみで構成されていた時代であり、現在ではおもに流木などに生息しているため特に害は無い。

実際フィリピンあたりではマングローブ林辺りの流木で採れるフナクイムシを「タミロック」と呼び珍味として食すこともあるようだ。

実際に食した生物ライター平坂寛氏のレポートによると、現地では腹の中身(木屑、糞)を指でしごきだしてから生のまま食べるとされ、濃厚な旨味がするらしい。平坂氏は「味が強すぎて一、二匹で充分」と称していた。

詳細はこちらで。


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