「この世界に永遠などない。あるのは、あがなう者の魂の輝きだけだ」
CV:櫻井孝宏
概要
180cm 65kg O型
数々の事件の裏で暗躍する青年。
年齢や過去、経歴等のデータは全てにおいて謎に包まれている。
狡噛慎也曰く、「シビュラシステムの誕生以降、最悪の犯罪者」
容姿・能力・性格・人間関係
外見
襟足が長い銀髪に金色の眼。キャラクター原案担当の天野明氏曰く「白い天使」。
小説版では「芸術のような美貌」「過剰なほど整った顔立ち」(PSYCHO-PASS 上)、「月と雪が交わって生まれたような美しい男」(PSYCHO-PASS ASYLUM 1 無窮花)等、浮世離れしたかなりの美男子であることが語られている。
主人公やヒロインよりも衣装のバリエーションの多いキャラであり、登場するたびに服装が変わるのも特徴の一つ。
放送分だけで8パターン、内20話から22話までの衣装は脚本家の虚淵玄氏のツイートによると天野明氏のデザインの様子。基本的に白基調の衣装を身につけている。
公式サイトにて公開されている原案ラフにもそれ以外の夏服なども見受けられるが、本編で着用されることはなかった。
性格
外面は穏やかで、笑みを浮かべていることが多い。
その実、顔色一つ変えずに殺人に手を染める冷酷な性格。他人が殺人を犯す現場に居合わせた際も、まるで当然のことのように受け入れている。
滅多なことでは感情を露わにせず、本からの引用も交えて会話することが多く、本心が読めない。知識が豊富で理解力も高いため、どんな会話にも的確に対応している。反面、非常に飽きやすく気に入らない玩具(犯罪者)はすぐに捨てる・壊す、新しい玩具に目移りする、時折無邪気な笑顔を見せる等、どこか子供のような一面も持っている。
能力
その静謐な雰囲気とは裏腹に、非常に身体能力が高く凶暴な面を持つ。
特に格闘面で優れており、狡噛と同じく格闘技であるシラット使い。凶器を持って襲いかかってきた強盗三人を一人で倒す(第14話)、狡噛との肉弾戦に圧倒的勝利(第16話)、サイボーグの義体を素手で破壊、墜落する輸送機から単身脱出(第17話)、目の前に投げ込まれたグレネードをサマーソルトキックで上部に蹴り飛ばす(第22話)等、力技で解決する場面も多い。また、オフィシャルプロファイリングには陸上競技全般と水泳も得意という情報も載っている。
生身でも十分すぎるほどに強いが、常に愛用の剃刀を持ち歩いており、殺しをする際や狡噛との戦いで使用した。虚淵玄氏によると、彼は最後には剃刀で命を摘むことに拘りを持っているとのこと。
特殊なカリスマ性も持っており、狡噛は「他人の精神を支配し影響を与え、まるで音楽を指揮するように犯罪を重ねていく男」と分析している。
しかし、槙島本人は自身について「ごく普通で本質的にありきたりな人間」と語っている。
人間関係
同士として深く関わっている人物としては資金提供者(所謂パトロン)の帝都ネットワーク建設会長泉宮寺豊久、片腕的存在であるハッカーのチェ・グソンが挙げられる。
上記の二人以外にもパトロンや協力者としての技術人は存在するらしく、人脈の広さも謎の一つである。
桜霜学園の事件以来狡噛慎也にも興味を抱いており、その能力の高さを買っている。狡噛とは刑事と犯罪者という真逆の立場でありながらも類似性を持ち、互いの思考を読み合う場面が見られる。
思想、そしてシビュラシステム最大の壁
シビュラシステムに対し、一貫して否定的な反逆者のポジションであり、人間は自らの意志で選択・行動するからこそ、価値があり、魂を輝かせることが出来ると考えている。殺意を持て余している潜在犯に目をつけ、犯罪のための技術等を提供し協力するが、一度相手に失望すると即座に切り捨てている。
『免罪体質』
約200万人に1人の割合で存在すると予測されている「免罪体質者」であり、本来なら犯罪係数が上昇する状態にあっても、規定値を超える犯罪係数が計測がされない。そのためドミネーターによる執行が不可能。
彼の犯罪係数は11話や16話では最終的に(または最初から)「0」だった。
サイコパスも常に良好状態で、本人曰く「いつだって真っ白だった。一度も曇ったことがない」。色相はクリアホワイトである。
免罪体質者の中でも更に特異な人間とされている。
プレイヤーとして動き出す
14話より妨害ヘルメットと真偽織り交ぜた情報を使って市街を混乱に陥れる中チェ・グソンに撮影させた繁華街でのリンチ殺害映像を見て警戒の続行を決める。
15話でノナタワーを妨害ヘルメットを被った武装集団とともに襲撃する。
16話でタワー内部に侵入、上層階へ向かい自身を囮に狡噛と交戦して止めを刺そうとするが、常守朱に不意を突かれて妨害ヘルメットで殴り倒され、身柄を確保された。
17話で公安局を離れ、厚生大臣直下の特別班の管轄で行われるという名目で身柄を移動されることになり、その飛行輸送中、禾生壌宗の義体を使用していた藤間幸三郎に己の腹心であるチェ・グソンの残した端末映像を見せられ、シビュラの正体についての説明を受ける。
その後脳を摘出しシビュラの一部として社会支配の構成員になるよう勧誘されるが、「生憎審判やレフェリーは趣味じゃないんだ」、「どこまでもプレイヤーとして参加し続けたい」と主張し、禾生の義体ごと藤間の脳を破壊して逃亡する。
しかし結果的にそのことが槙島の特異性を更に強調することになり、シビュラは更に彼に執着するようになる。
(朱は槙島の身柄と引き換えに狡噛の助命をシビュラに取り付けている)
結末
※この先はネタバレが含まれます。
19話にて狡噛が雑賀教授に対し「槙島の人生には転換点があった。自分が特異体質だと知ったときだ。そのことを特権だと思う人間もいるが、槙島は疎外感を覚えた」と初めて槙島の内面に踏み込んだ分析をする。このとき狡噛が想像したのは、寂しそうな槙島の横顔であった。ただしこれは狡噛の推測であり、真実は不明のままである。
20話より更に食料事情を崩壊させるための単独のバイオテロを企み、日本国内の食料自給率100%であるハイパーオーツ麦を崩壊させる為ウカノミタマウイルスの権威である管巻元教授を首を剃刀で斬り殺害。
第二関節から下の指と眼球を奪いウカノミタマウイルスの調整センターに侵入し、自分を捕らえにきた一係の内の宜野座伸元を罠に嵌め征陸智己と交戦、征陸を爆弾で死に至らしめ、宜野座に重傷を負わす。
その後狡噛とノナタワー以来の二度目の交戦をする。狡噛から自身の孤独を指摘され、「この社会に孤独でない人間などいない」と言葉を返すが、自分が孤独であることは最後まで否定しなかった。その後狡噛にナイフで深い傷を負わされ、トラックで逃亡を図るも常守朱によって阻止され、朱を踏み付けリボルバーを引くものの弾丸は空の状態であった。
その後何かに気づいたように朱を攻撃することを止め、「そうか…君は…」と意味深な言葉を残し、リボルバーを捨て麦畑を去って行った(後日フィナーレイベントで、この台詞には「君はここで死ぬべき人間ではないんだな」という意味が含まれていたと監督から明かされる)。
大量の血を流しながら麦畑を走る槙島は初めて自身の心情をモノローグで語る。
丘の上で、一人追いかけてきた狡噛に「なあ、どうなんだ?狡噛。君はこの後、僕の代わりを見つけられるのか?」と静かに問いかけ、「いいや、二度とごめんだ」という返事に穏やかな微笑みを浮かべ、リボルバーで撃たれ倒れる。
その後
第一期ラストで射殺された槙島だが、その後も悪霊のように狡噛の脳内に存在し続けた。劇場版では槙島と同じく『自分とよく似た存在』の傭兵を追う中で幻影として登場。傭兵を指し示し「遠からず破滅する運命の男なのに、なぜ彼を追う?」と冷笑混じりに問う。
劇場版SS・CASE3では狡噛は槙島に復讐をしたことに後悔の念を抱いていたようで、劇場版前作とは打って変わりフランクな2人(?)のやり取りが見られる。
本へのこだわり
読書家で、電子書籍ではなく紙の本を好んでいる。読む本のジャンルは純文学、ミステリー、戯曲、SF、怪奇小説、哲学書、政治書、ノンフィクション、聖典等多岐に渡る。
所有する本は初版、原書であることが事が多く、現在(平成)でも手に入りにくい。
15話ではチェ・グソンとの会話で紙の本への拘りについて語る一節がある。
槙島「紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない」
チェ「そういうもんですかねぇ?」
槙島「本はね、ただ文字を読むんじゃない。自分の感覚を調整するためのツールでもある」
チェ「調整?」
槙島「調子の悪い時に、本の内容が頭に入ってこないことがある。そういう時は、何が読書の邪魔をしているのか考える。調子が悪い時でも、スラスラと内容が入ってくる本もある。何故そうなのか考える。精神的な調律。チューニングみたいなものかな。調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ」
槙島の読書は作中において象徴的なものとなっており、こんなコーナーが作られたり、こんなフェアも開催され、通常の10倍の売れ行きになる等、現実にも影響を及ぼしている。
また、手塚治虫や藤子不二雄の漫画も読むという裏設定を持つ。特に藤子不二雄は全集も所有しているとのこと。
ネタ
実質的なラスボスの立ち位置であるが、初登場時(第4話)で何故かトマトを殺人現場に持ち込みミキサーにかけさせる(好物らしい)、「私服がユ○クロっぽい」等、ファンにはネタにされていることも少なくない。また、「まきしま」という苗字にかけて「マキシマム」と呼ぶ人も多い。