禾生壌宗とはノイタミナ枠アニメ『PSYCHO-PASS』のキャラクターである。
CV:榊原良子
概要
公安局局長を務める壮年のキャリアウーマン。
銀髪のショートカットに角縁眼鏡のスマートな印象の女性で、刑事課一係とは宜野座伸元を通じてやり取りをしており、劇中でも彼女と直接面会しているのは宜野座ぐらいの描写しかない。
何事も公平に、そして社会とシビュラシステムの安寧を崩さないように思考を働かせる冷徹なまでに冷静で理知的な人物であり、保安組織のトップとしての顔を崩さない。
槙島聖護について何かしらの情報を握っている節がある。
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特別機密事項
※ネタバレ注意 |
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その正体はシビュラシステムの端末として起動する、未発表の先進技術による義体。(PSYCHO-PASS_GENESISによると、モデルとなった人物がいた模様)
そもそもシビュラシステムとは免罪体質を持つ特殊犯罪者・潜在犯247名の脳から構成される一種のバイオコンピュータであり、200の脳が常時システムの主要機能として働かされている。
そして禾生壌宗とは、それらシステムの外部端末兼息抜き用の人形であり、いわば人型の歩くシビュラシステムと言っても過言ではない。
義体の構成は泉宮寺豊久が脳と神経細胞以外だったのに対し、彼女(彼ら?)の場合は脳以外のすべてを人工パーツで構成しており、その状態でもシステム本体とのリンクが可能なように設計されている。さらに自身がシビュラシステムそのものであるがゆえに、ドミネーターにハッキングを掛けてのロックを無制限に解除したり、ドローンを通じて情報を収集して四六時中の監視が可能と、システムの優位性を利用して超法規的行動を起こすことができる。
なお、この義体は予備も複数存在するらしく、一体が破壊されてもすぐ代わりのボディを用意できる模様。
自身たちのことを「新人類」「全能の存在」と誇示しており、その本性は高慢かつ悪辣。個別の人格を持っていた頃には槙島聖護よりはるかに残虐な罪を犯した者も多数含まれていた。
17話までの主人格は行方不明とされていた藤間幸三郎であり、槙島をシビュラシステムに取り込んでさらなるシステムの進化を遂げんと画策していた。また他のシステム構成人格たちも槙島を取り込むことに貪欲なまでの積極性を示しており、そのためならばいかなる犠牲や不正すらも平然と冒すという権限と能力の乱用を繰り返している。
ある意味、本作における諸悪の根源とも呼べる存在だが、一方でその存在は西暦2110年代の日本における社会秩序の維持に必要不可欠であることもまた事実であり、後述のように禾生とシビュラの真実を知った常守朱は、そのジレンマの狭間で長く苦悩することとなる。
調査報告
第一期
- 16話でチェ・グソンとその後を追跡していた縢秀星にシビュラシステムの正体を見られたことから、彼らを口封じのためにドミネーターのデコンポーザーモードで抹殺。その上で縢に任務放棄と脱走の濡れ衣を着せ、縢の死とシビュラの正体を隠蔽した。
- 17話で槙島聖護とついに対面を果たすも、槙島には自らの信念に反すると誘いを断られ、その時禾生を操っていた藤間は義体をボロボロにされた挙句に脳を潰されて死亡した。
- 18話で墜落した護送用ヘリから破損した義体は回収され、現場に駆け付けた刑事課一係の面々の前に新調したボディと新たな人格を携えて早々に復活し、彼らを牽制。さらに槙島を殺しかねないとして狡噛慎也を謹慎処分にして封殺しにかかり、宜野座が裏をかいて二係へ狡噛を引き渡そうとした際には警備用ドローンから情報を得て引き渡し現場に現れたばかりか、その宜野座のドミネーターのエリミネーターモードを強制解放して狡噛を抹殺しにかかった(しかし間一髪で常守朱がパラライザーモードで狡噛の足を撃って気絶させ、事なきを得ている)。
- 19話で他のシビュラ構成員たちからの思わぬ提案を受け、一時的に厚生省へ撤退。そして常守を自らの手駒に仕立てるべくドミネーターを介して接触を図る。
- 20話では常守をノナタワー中枢へと招待。そこですべての事実を語り、常守の心理を逆手にとって周到な交渉を持ちかける。これにより常守に嫌悪されながらも協力関係を持つことに成功。……ただし、その力関係は徐々に常守へと傾いていく。
- 22話で、槙島の確保に失敗した(狡噛が射殺してしまった)朱に「シビュラシステムを公開する段階を作る体制の指導者となりえる理想の市民」としての価値を見出し、あえて始末せず生かしておく事を決定。朱からは「あなた達が必要となくなるような答えを見つける。あなた達に未来なんてないのよ」と言われるも、大勢のシビュラシステム構成員たちが彼女に嘲笑するかのような悪意を剥き出しにした。
- エンドクレジットで雑賀教授と面会している場面が映し出されている(なお当場面は、雑賀教授が狡噛に加担したことを自首しているシーンであったことが第二期で判明した)。
PSYCHO-PASS2
- 2話から登場し、朱との「睨み合い」は継続中。また前作の最終回から新たに公安局に加わった霜月美佳からは、朱の捜査方針に対する抗議をしつこく迫られているが、冷淡な態度であしらっている。鹿矛囲桐斗に興味を示しつつも、その存在が自分たちにとって毒になり得るという結論から、鹿矛囲の存在を頑なに否定している。
- 4話から彼らの合議の中で義体の宿主の変更が決定され、以降、とある人物が新たな“禾生壌宗”として着任する。またメンタルケア施設立てこもり事件の犯人が流した「ユーストレス欠乏性脳梗塞」の情報をうやむやにすべく、メンタルケア施設にいた人間の鏖殺を指示している。
- 度重なる美佳の抗議に対し、いつものようにあしらい、彼女の退室後に「あれは食われるな」と完全に美佳を見下していた。
- 7話にて監視官の酒々井水絵が裏切ったことが明確となったにもかかわらず、その権限を止めずに放逐している(結果、奪われたドミネーターの使用権限をその後も鹿矛囲達に与え続けることとなってしまう)。朱からは「鹿矛囲の存在を認めたくないから」と、その決定の芯を突かれている。
- 8話にて、美佳からいつものように朱への抗議文付きの調査報告を受け取るも、その内容が自分たちが仕掛けた『罠』に触れたものであることを理解し、彼女を執務室に呼び寄せ己の正体を明かす。現在、禾生のボディを操っているのは、東金財団の縁者で、脳神経医学の権威であった東金美沙子。記録上は数年前に死亡していたが、彼女もまた「免罪体質者」であり、実際はシビュラシステムに吸収されその構成人格の一員となっていた。さらに彼女は東金朔夜の母でもあり、シビュラの秘密を嗅ぎまわる者を朔夜に処分させていたことが発覚。偶然とはいえ、自分たちの正体に近付いた美佳に「退屈な人間」と侮蔑の評価を下しつつも、手駒として利用できるという朔夜の進言を聞いて彼女に自分たちの秘密を明かすこととした。
- 11話にてついに朱および鹿矛囲と直接対峙、鹿矛囲をノナタワー最深部に連れてきた朱から監視官権限を剥奪すると同時に、ドミネーターで二人とも始末しようとする。だがその時、朱の「集団的サイコパスという概念を認めるか?」という問いを、シビュラシステムが肯定。(個人単位では)免罪体質者である東金美沙子の犯罪係数が「集団的サイコパスにおける潜在的犯罪要素の一部」として測定可能となった結果、その数値が300を超えていると判断され、逆に鹿矛囲の握るドミネーターのエリミネーターモードで執行(破壊)されてしまった。
- 事件解決後は、再び何事も無かったかのように別のシビュラ構成人格が新調した禾生の義体を操縦。朱に対し、「脳を提供しシビュラの一員となる」提案を持ちかけるも、案の定拒絶されている。
弱点
上述の通り、禾生壌宗という端末はシビュラシステム構成員のうち1人の脳を義体に直接乗せて運用しているため、頭部を破壊されることがそのまま死に直結する。