ロロン・ドネア
ろろんどねあ
この俺が大将を務める以上、敗北はあり得ない
『ケンガンオメガ』に登場する、裏格闘技団体『煉獄』所属の格闘家。
「最強闘士決定戦」の覇者で、『キング』または『マニラの怪物』の異名を持つ「双王」の一角。拳願会基準でも最強クラスと見られ、その身のこなしは別次元。
『オメガ』本編の13年前、24歳の時に当時40歳前後の黒木玄斎と戦い、互いに仕留めきれなかった経緯がある。十鬼蛇王馬から「人の形をした怪物」と評されるほど別格の強さを持つ。
冷静で威厳ある佇まいを崩さないため、仲間であれば頼れるリーダー、大黒柱として心強い。また、様々な格闘技の造詣も深く、試合の解説も的確で、表面的な残酷さに囚われずに技の分析する観察力と洞察力を併せ持つ。
そんな彼の数少ない人間臭い特徴として、弓ヶ浜ヒカルが(極悪人や快楽殺人者などの危険人物が現れてもそれ以上に)嫌いなこと。とにかく彼に関わる発言は全てが辛辣で、赫からも指摘されている。
また、単なる堅物というわけでもなく劉東成がナイダン・ムンフバトの死の動揺から席を外していたが戻ってきた彼に「リムザーバーとしてキム・チャンギが控えている」と声を掛けた際、キムという名前の煉獄闘士が複数存在してる上に本人の影の薄さからその場の全員(元から知らない赫は除く)が誰もキム・チャンギの顔を思い出せない中、言い出しっぺの自分もキム・チャンギが誰か思い出せないというコントのような事態を生んだ。
流儀はシラット。肩甲骨を使ったモーションが少なく最短距離で放つ高速の打撃を基本に、あらゆる技や局面に対応してくる臨機応変さが最大の持ち味。更に関節の脱力なども習得しており、タフさも兼ねている。得意な間合いは超至近距離戦であり、自分より体格の大きい対戦相手の懐に躊躇なく飛び込んで痛打を叩き込む。また、加納アギト、黒木玄斎、カーロス・メデル同様、相手の気の起こりから相手の挙動を見切れる『先の先の領域』に至っている。
作中の他の強者の様な特異体質やそれに似た特技を持たない代わりに、全ての能力が高水準という『究極の万能型』。
スタイルは派手さはない、を通り越して地味過ぎるくらい地味。かと言ってどれほど追い詰めようが油断も隙もなく、逆に追い詰められようが焦りや狂気に呑まれる事もなくクレバーにボコってくるほど堅実で、ロロンのペースを崩すのは困難を極める。
必殺技は不可視の肘。要するに相手の意識の外から繰り出される肘打ちだが、ロロンのそれは刃物の如く肉を裂く威力である為、文字通りの必殺技になりうる。
東南アジアの武術界では知らぬ者はいない程で、若干10代の頃からフィリピン軍の武術教官を務めていた。
20歳の時に精鋭を育てる育成力に目をつけられて『蟲』に勧誘されるが、ロロンはそれを拒否し、フィリピン軍に巣食っていた『蟲』勢力を一掃したのちに軍を去った。
その後裏社会のボディガードに転身したが、24歳で(当時40歳前後の)黒木と交戦。戦う理由がなくなるまで互いに決着がつかなかった(=黒木が倒せなかった)。
オメガ本編の15年前に豊田出光が設立した『煉獄』には設立当初から参戦。最古参闘士にして通算422戦無敗の最強の男として、君臨することとなった。
対抗戦では最終試合に出場し、王馬と戦う。
『先の先の領域』で攻撃をかわす王馬に打撃を届かせた後は高次元の打撃戦となり、技量の差で互角以上の立ち回りを見せ、一方的な痛撃を与える場面も何度かあった。一方、王馬も新たに習得した『呉の技』や、『前借り』の応用で攻撃の予測をずらすことで対抗され、何度か強烈な有効打を貰ってしまう。
壮絶な一進一退の攻防の中で満身創痍に追い込まれても、全くパフォーマンスを落とすことなく攻め続けるが、最後は一瞬の読みの差で直撃を受けてしまい、立ち上がれずに敗北となる。