「知ってる? 死神の武器は、鎌じゃなく針なんだ。」
プロフィール
身長 | 182センチメートル |
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体重 | 80キログラム |
年齢 | 29歳 |
誕生日 | 4月13日 |
親友 | ジャン・リュック |
大好物 | サーモンの贓物パイ |
異名 | 『パリの死神』 |
概要
裏格闘技団体煉獄の闘士にして、A級闘士の一人。
拳願会・煉獄対抗戦にて参加メンバーとして招集を受ける。
甘いルックスと軽いノリが特徴の若々しい青年。社交性も高く、誰とでも気軽に接する一方、心の底では煉獄での戦いを遊びと称しており、殺し合いを求めている節があるなど、不審な点も多い男。
同じ煉獄側の闘士であっても本来は敵同士という考えから仲間意識はほとんどなく、チームもあくまで対抗戦限定というスタンスで、一緒に遊んだこともあるナイダン・ムンフバトのことも、嫌いではなかったが死んだ以上はもう関係ないと発言するなど、人間関係に対して非常にドライ。
ハマった時は「キング」ロロン・ドネアも認める強さを見せ、煉獄上位陣クラスの瞬発力を誇るが、A級での勝率は4勝9敗、B級への降格も経験しており、仲間内でも「数字だけならもっと上のA級闘士がいる」「ムラが激しい」と代表選手として相応しいかを疑問視されている。
本編での活躍
以下ネタバレ注意
初登場は4巻。豊田出光の招待にて煉獄に赴いた山下商事の面々と偶然遭遇。弓ヶ浜ヒカル、呂天と行動を共にしており、弓ヶ浜によって引き起こされた一触即発の状況の中、殺気を放つ臥王龍鬼に触発された結果、モノローグにて殺し合いを好む本性が晒され、言外に煉獄の仕合を遊びと称した。
対抗戦開始後は他の闘士と共に観客席にてリアクションを主に担当。しかし第五仕合決着後、ナイダンの劉東成に対する「ニコラに気を許すな」という助言により、不審な影が垣間見えるようになる。
第九仕合にて阿古谷清秋と対戦。戦いの開始を待たず、握手代わりに平手打ちを食らわせ、左腕に一撃。詳細は不明ながら阿古谷の左腕の感覚を一時的に消失させるという奇怪な技術の片鱗を見せる。
一方、フランスでは兄ギロームの口より語られた経歴にて、元軍の特殊部隊所属であったことが判明。しかし、とある紛争地帯に派遣された際、民間人・特殊部隊問わず大量虐殺を行ったことで国から命を狙われることとなり、裏社会を隠れ蓑としている模様。
仕合では自己流の創作武術「殺破手」、人類最高峰の反射神経を得物に阿古谷を苦しめるが、反射速度は僅かながら阿古谷に劣り、打ち合いは分が悪い──と思いきや、仕合前に見せた感覚を消す技術を阿古谷に使用。片眼が見えなくなった隙を突き、鋭い一撃を見舞う。
実力
使用武術は殺破手(さはでぃ)というニコラによる創作武術。ベースとなるのはフェンシングであり、そこにフランス格闘技サファーデの動き、空手の要素をミックスしたニコラ流フランス空手。
ニコラのリーチが身長より10センチほど長いことから、ベースとなるフェンシングとの相性は良い模様。さらに、最高反射速度は人間の限界を超越し、阿古谷にも迫る0.078秒で、本気で先手を取りに行けば防げる者はほぼ皆無と言っていい。
最大の武器は神経を突くことによりその部位を麻痺させることにあり、麻痺させるタイミングはコントロール出来ないものの、時間差で相手を行動不能にさせることが出来る。狙いが神経であるため防御は不可能であり、当たり所によっては身動きすら一時的に困難となるため、想像以上に厄介な技術である。
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以下ネタバレ注意
実は、煉獄に出場している彼はニコラ本人ではない。
彼の正体はニコラの特殊部隊の同僚であったジャン・リュックであった。
成り済ましには前例があったため当初は『蟲』との関連を疑われたが、彼は髪型を似せているもののニコラ本人とは髪色・顔立ち・アクセサリー等が全く異なるため見分けが容易であり、何より本人と顔見知りであることからすぐに疑いは晴れた。
この事実はニコラの友人であるテディ・ネルネールの屋敷を訪れた串田凛がニコラに関する写真を確認したことにより発覚した。
ジャンが所属していた特殊部隊は配属した時点で個人データを抹消され、たとえ戦死しても何も残らないシステムのため、身寄りの無い孤児の集まりであった。…ただ一人、母国の英雄を兄に持つニコラを除いては。
ジャンは自分たちと違い己の身分を捨て自ら地獄の道へと志願したニコラを友として、また真の勇者と称え崇拝の対象として尊敬していた。
…だが、ニコラが部隊に転属した本当の理由は政府から疎まれる存在であるうえ、個人情報の無い部隊の者であれば死んでもお咎めが無いため、思う存分殺戮を尽くせる為であり、本性を現した際ついでに偶々出くわした民間人を邪魔だという理由で殺害したのである。
ひとり生き残り、自分が殺される番が来たジャンはニコラに対し怒りと抵抗混じりに1対1の殴り合いで果敢に挑む……が、ニコラはジャンに呆気なく敗れ命を落としてしまった(満足行くまで殺戮を尽くした故か、或いは本心からジャンを親友と認め彼に殺されるなら本望と思っていたのか、その死に顔は狂気に塗れた笑顔だった)。
ジャンは尊敬していた友を思いがけず殺害してしまった現実を受け入れることが出来ないことから、目の前で死んでいるのはジャンということにして、生き残った自分が真の勇者ニコラ・レ・バンナであると思い込む様になってしまったのである。それと同時に本来のジャンの人格とニコラ(だと思い込んでいる)の人格を抱え込む様になった。(そのため、一人称が「僕」または「俺」であったりと安定せず後述の危険性を抱えている。)
こうした修羅場を潜り抜けた過去を背負っているからか、殺しには躊躇が無いどころかそれでしか本領を発揮できず、本来不殺をルールとする煉獄とは相性が合わず先述の様に成績が振るわなかったのである。(同じく元軍人で『死神』と呼ばれているムテバ・ギゼンガも場合によっては対戦相手を殺すため、対抗戦出場を辞退している。)
更には一度スイッチが入ると相手を殺すことを優先する暴走状態になり、止めに入った味方に対しても攻撃を仕掛けるなどの凶暴性も抱えている。(前述のナイダンの忠告がこの事を指していたのかは不明。)
序盤からレフェリーの指示を無視してダウン中の相手に攻撃を仕掛けるなど反則行為を繰り返し、阿古谷もお返しとばかりに噛みつきや連続頭突きなど危険な攻撃で反撃を仕掛け、双方共に暴走状態に入り殺し合いに発展する。
レフェリーの椎名ありさがこれ以上の試合は制御不能としてスタッフを呼び掛けたところ、ロロンが「俺がやる」とステージに乱入し二人を引き剥がす。
双方引く様に忠告するロロンに対し阿古谷とニコラは水を差すなと彼に攻撃を仕掛けるが、ロロンは二人を一蹴。
ニコラはロロンの一撃で倒され、阿古谷は病室から駆け付けたカーロス・メデルと理人に取り押さえられた。
試合の結果は無効試合(引き分け)に終わり、ニコラと阿古谷は試合終了までの間身柄を拘束されることとなった。
対抗戦終了後、フランス政府から依頼された暗殺者である赫が自分を始末しに現れるが、当のジャン本人は意識が混濁していたためかジャンあるいはニコラの二人の人格を振る舞う言動を取っていたため違和感を感じた赫は彼の正体に気付く。赫は「あくまでターゲットはニコラ本人である」と言い残しジャンに手を掛けず去り際に彼の正体を指摘。これを受けたジャンは自分が何者であるか混乱のまま再び眠りについた。
- 本物のニコラ・レ・バンナについて
身長 | 181センチメートル |
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体重 | 81キログラム |
年齢 | 23歳(享年) |
誕生日 | 4月13日 |
秘密 | パリを震撼させた殺人鬼の正体 |
目的 | 世界の「調整」 |
単行本のおまけによると、自身を「調整者」と認識しており、世界の調和を保つ為と称して殺人を繰り返していた。「自身の理念に従って殺人を繰り返す」という意味では、本作に登場する阿古谷清秋に通じるものがある。
秘密部隊を殲滅したい勢力に唆されて潜入し、大量虐殺を実行するが、上記の通りジャン・リュックに返り討ちに合ってしまった。元来の実力であれば本物のニコラの方が上だったとの事。