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阿古谷清秋

あこやせいしゅう

阿古谷清秋とは、裏サンデーで連載された「ケンガンアシュラ」、および連載中の「ケンガンオメガ」に登場するキャラクターである。
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これより正義を執行する。


プロフィール編集

所属企業若桜生命(企業序列 11位)
身長191センチメートル
体重114キログラム
券願試合数39勝0敗
年齢31歳
誕生日4月4日
血液型A型
好きな言葉正義
好きな食べ物納豆
異名『処刑人』
CV小山力也

概要編集

ケンガンアシュラ」で開催された拳願絶命トーナメントにおける若桜生命の代表闘技者。表の世界では警視庁の第44機動隊隊長を務めており、階級は警部。初登場時は雇い主の檜山瞬花とベッドルームで真っ裸であった通り、彼女と雇用関係以上のものを築いている。


狂信的なまでに自身の正義を信じている、どころか「俺が正義そのものだ」と考え、「悪の存在しない世界を創る」という理想のために、裏ではクライムファイターとして、暴力団・凶悪犯・過激派といった「悪」に秘密裏に私刑を加え、始末している。

それゆえ暗殺を生業とする裏家業の人間たちからは、警察なのに「同類」の匂いがすることを訝しまれている。


性格は生真面目の塊で、常に同じ仏頂面。笑顔を見せたのは後継作のオメガが初めてであり、その笑顔は親しみどころか歪みまくった人間の暗黒面丸出しの笑い方である。


そんな本性が明らかになりつつある裏の世界ではすっかり嫌われ者になってしまった一方、表の世界では仕事熱心さと「警視庁最強」と称される強さから警察の模範として尊敬を集めている。同期には「あいつほど警察向きの性格のやつは日本にいない」と評されている。同期会には出不精だが誘われているあたり、職場での人間関係は良好なようである。

作中ではその独善と歪んだ正義感ばかりが強調されているが、コミックのオマケページで大会前日にリゾートを満喫するべく泳ぎを楽しんでいた義武が溺れたときには、真っ先に救助のために駆けだしており、暴走さえしなければ真面目な正義漢である。暴走さえしなければ


活躍編集

トーナメント1回戦では河野春男と対戦。得意の防御で攻撃を凌ぎ切り、檜山の解析により反撃を開始。一度はダウンを取るが、河野の攻撃の質が変わったことで檜山の解析が役に立たなくなるというアクシデントが起きる。

阿古谷は檜山を見切り、「貴様のせいで河野春男は死ぬ」と言って河野の最後の一撃にカウンターで殺すことを仄めかした。しかしギリギリで河野の膝に限界が来て攻撃が止んだため、阿古谷は河野の顔に一撃を加えてダウンさせて勝利。彼の命までは取らなかった。


2回戦では今井コスモと対戦。檜山とのコンビネーションで「ゾーン」を封じるも、自分たちの不正が西品治たちに暴かれてしまう。だが……






以下ネタバレ










実は処刑人を続けるうちにいつしか自身も「悪」に魅入られ、殺人衝動を抱えるように、いわゆるダーティハリー症候群に陥ってしまっていた。西品治明は「深淵囚われてしまった」と評した)

仕合中に檜山の指示を受けるのも殺人衝動を抑え込むための措置として阿古谷が提案したものであり、この関係が崩れると普段の堅実な戦い方から一変して攻撃的となり、拷問じみた残酷な行為すら正義の名のもとに執行する、残虐な戦闘マシンに変化する。また、処刑人として始末しているのは凶悪犯だけでなく、本人は善良な市民であっても血縁者に凶悪犯がいるような者も「悪の芽」として殺害対象に含まれている。


トーナメント1回戦でも殺人衝動を開放してしまいそうだったが、先に述べた通り春男の自滅によって解放までには至らなかった。

だが2回戦で檜山からの指示が無くなったことで、遂に殺人衝動が解放される。阿古谷の全身から発せられる殺意に臆したコスモを組み伏せ、肋骨をへし折りだす。コスモは降参の意思表示や気絶すら許されないまま肋骨を折られ続け、審判も迂闊に勝敗を判断できないという絶妙な「拷問」ぶりであった。


しかし意識朦朧の中で走馬灯に流れる回想から覚悟を得たコスモに覚醒され、阿古谷は猛反撃を受ける。コスモの締め技も壁や地面に叩きつけて振りほどき、とどめを刺そうとしたが、ゾーンからフロントチョークをかけられてしまい、折った肋骨を連打して抵抗するも最後まで手を緩めなかったコスモの執念に負け、意識を失い敗北した。


終戦後はコスモから戦いの怖さを教えてくれたことへの感謝の言葉と共に手を差し伸べられるも、それに応えることなく檜山と共に離れていった。また、阿古谷の敗因は暴走した事で倒せるにもかかわらずコスモを痛めつけ、決着を先伸ばしにしたためであり、西品からはその敗因を伝えることで、不必要に痛めつけた阿古谷に皮肉のしっぺ返しを受けることとなった。


2回戦終了後の東電によるクーデターの際は守護者を「悪」と判断し殺害しようとするが、片原滅堂から不殺命令を受けていた加納アギトに止められる。「正義執行を妨げるなら貴様も殺す」と加納に迫るが、「まずは守護者を排除すべき」と説得され同意、加納と共に守護者を殲滅した。

最終日の3回戦以降は他の闘技者たちとは別の場所で仕合を観戦、トーナメント終了後はヘリコプターで帰っていった。


『ケンガンオメガ』編集

続編の『ケンガンオメガ』でも警察官と闘技者を続けている。

新たな拳願会では死亡者を出さないことを第一にした取り組みをしているが、そうした動きとは真逆の位置にいる阿古谷は室淵剛三を仕合で意識不明の重体にまで追い込み、無期限の出場停止を受けていた。


『蟲』の存在も把握しており、拳願会にその一部が紛れ込んでいることを知っている。単独で捜査に当たる中、臥王龍鬼の周囲で起こる殺人に注目。彼の資質を見極める為、出場停止を解かれた後に彼との仕合に挑む。

奇襲を本質とする臥王流に対し、阿古谷は持ち前の反射神経で攻撃を凌ぎ続け、終始優位に立ち回る。最後は組み伏せ、レフェリーの制止も構わず龍鬼を殴り続ける。そこで片原滅堂が用意させていた『護衛者』たちに取り押さえられたことでようやく手を止め、判定により勝利が確定した。


仕合後、反撃に転じなかった龍鬼に真意を問いかけると、その返答に満足した為かその場から去り、檜山の元へ帰還。シリーズ中初めて笑顔を見せ、龍鬼を『同志』と確信し、いずれ自分の元に来ると述べた。この笑顔はエイの裏側とファンから形容されるような不気味なものであった。


上記の仕合や派閥の関係、さらには殺されかけたはずの室淵からの推薦もあって、龍鬼と共に『煉獄』との交流戦にあたり拳願会チームの代表に選ばれている。しかしメンバー集結時には呉雷庵と一触即発状態になったり、若槻武士に室淵のことを咎められ、「お前にもいつか正義を執行する」と息巻くなど、拳願会のメンツに全く馴染もうとはしなかった。


交流戦で観戦してる間はほぼセリフは無かったが、第五仕合後、意気消沈する龍鬼を守るためか、雷庵、大久保と共にステージに参上。光我に支えられ、退場する龍鬼に向け、心の内でお前は正しいことをしたと称賛を向けた。


拳願会闘技者陣営からは「サイコ」「反面教師、いくら強くなってもああなったらお仕舞」「トリを任せるには最悪」と評価は散々。また闘技者を連続で死なせそうだった悪行は一般の拳願会員にもすっかり知られているようで、「あいつだけは応援しづらい」と嫌われている(同じく快楽殺人者の呉雷庵ですらそこまで言われなかったのだが…)。


第9仕合にて遂に参戦。本番においては試合に出すリスクは高いが、イーブンで最終戦を迎えた場合にトリを任せるのは不安である、と考えた若槻の提案に乗った山下に指名された。

相手は『パリの死神』ことニコラ・レ・バンナ。偶然か、はたまた同類であるが故の必然か、殺人に魅入られた者同士の戦いとなった。

自分に近しい反射速度を持つニコラと打ち合いを演じ、防御特化の自分にとって天敵となる、一時的に感覚を消失させる「毒」に苦しめられる。麻痺のせいで回避も防御もできずに何度も殴られるが、相手に組み付いて肩を食い千切り、自身のダメージも度外視して鉄槌や頭突きで相手の頭部を攻撃し続ける。

戦闘が続く中で互いの殺しのスイッチが入ってしまい、レフェリーである椎名ありさのコールでは試合を止められず、このままでは殺し合いになるという判断から強制的に試合終了となる。

リングに上がったロロン・ドネアによって引き剥がされ、医務室から駆けつけた理人カーロス・メデルに取り押さえられ、対抗戦終了まで拘束されることとなった。その際「正義」とまるで鳴き声のように叫んだことが読者からネタにされた。


戦闘スタイル編集

使用武術は逮捕術がベース。機動隊の遣う大盾をイメージした左腕を相手に向けて防御しつつ、警棒をイメージした右手で殴打するのを基本スタイルとしている。また撹乱技として拳骨で皮膚を切り裂き相手を出血させる「リッパー」を駆使しており、時間をかけて丁寧に相手を弱らせ制圧する、機動隊らしい闘い方をする。

大久保直也からは「一で捌いて二で加撃」「堅実だが華がない」と形容されているが、勝負を決めに出る時には逮捕術のベースとなった日本拳法由来と思われる派手な殴打・蹴り技でラッシュ攻撃も披露する。


特に鍛え抜かれた体躯と併せた防御のレベルは極めて高く、体重300kgの河野春男のラッシュを全て的確に芯を外して受けて凌いで見せた。また原作でクローズアップされたことはないが、現地で見た加納アギトのスタイルをすぐにアレンジして用いたり、オメガでは左腕の「盾」を制圧にも用いる技を新たに習得したり、ニコラの技の正体を短い応酬で見破るなど、吸収力・柔軟性・知性などの高さも隠れた長所で、総合的に死角は極めて少ない。


裏で「正義執行」をする際は一撃で首を折るのを身上としていたが、コスモや龍鬼に対してはジワジワ嬲り殺しにする方法を採っており、どうやら悪人殺しと闘技者殺しで殺人の愉しみ方を変えているようである。そしてそれが阿古谷の最大の弱点とも言える。


そんな彼の戦術のベースとなっているのは圧倒的な速さの反射速度で、常人は良くて0.08秒のところ、阿古谷は0.074秒もの速度を叩き出す。

これにより相手の猛攻を、尽く芯を外して防御することが可能である。

そこに加え、気の遠くなるような反復練習で習得した「思考を放棄して放てる反射レベルでの攻撃」、さらにパートナーである檜山瞬花が持つ「驚異的な正確さを持つ体内時計」を掛け算することで、①序盤は得意の防御で耐え、その間檜山が相手の呼吸パターンを解析する②解析結果を体内に埋め込んだ超小型骨伝導インプラントでリアルタイムに阿古谷に伝え、相手の呼吸の隙に合わせた的確な攻撃・反撃を繰り出し、結果的に相手に何もさせないまま勝つという必勝のコンビネーションを完成させている。


似たような技術で金田末吉の「先読み」があるが、先読みが「動きを予測して相手が行動を起こす前に回避する」のに対し、阿古谷は「反射神経を活かし、相手の動き始めに反応して回避あるいは防御する」という違いがある。一見すると先読みが上位互換に見えるが、読み外しのリスクを考えると一概にそうとも言えない。


2年後を舞台とするケンガンオメガでは檜山との連携は解除しており、単身で拳願試合に参加している。檜山曰く、連携していた時代よりも強くなっているとのこと。一方で単身で戦う代償として自身の抑圧には綻びがかかっており、絶命トーナメント以前より『正義』が極端化。闘技者人生への影響も無視できないほどに殺人衝動が膨れ上がっている。


余談編集

・『ウォッチメン』のロールシャッハパニッシャー(MARVEL)など、アメコミクライムファイターを参考にしている。


・阿古谷は作中何度も「正義を執行する」と殺人を仄めかしているが、実際に殺人を行ったシーンは回想の極道や薬売人に対してのみで、闘技者の命を取ったことは作中では一度もない。室淵こそ気の毒であったが、死亡には至っておらず、とりあえず闘技者としては復帰できている。

交流戦では『煉獄』のルールで相手を殺害した場合は反則負けとなるが、これが阿古谷にどのように働くかが注目である。


・名字を「阿古」と間違えられやすいが、「阿古」が正しい。


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関連タグ編集

ケンガンアシュラ ケンガンオメガ

檜山瞬花

サイコパス 独善 警察官 狂人 必要悪

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