若槻武士
わかつきたけし
『俺はもっと強かった………それだけです』
通称 | "猛虎" |
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所属企業 | 古海製薬(企業序列第5位) |
身長 | 193cm |
体重 | 193kg |
年齢 | 40歳 |
拳願仕合戦績 | 306勝2敗 |
企業獲得資産 | 3兆2773億9500万円 |
CV | 加瀬康之 |
ケンガンアシュラの登場人物で、「滅堂の牙」加納アギトと唯一渡り合えると噂される闘技者。
普段は物静かで謙虚な男だが、現在の拳願仕合においての現役最古参闘技者にして歴代最多勝利闘技者という肩書は伊達ではなく、過去には数々の強者を一方的に倒してきた、限りなく頂点に近い位置にいる実力者である。敗北したのは「滅堂の牙」加納アギト、「浮雲」初見泉の二人のみ。
「超人体質」の通称で呼ばれる常人の52倍にもなる筋繊維密度を先天的に持っている(ミオスタチン関連筋肉肥大病)。その異常なまでの筋密度のため見た目以上に体重が重く、出生時の体重も12150gと普通の新生児の4倍強の超重量を持って生まれた。そのため身長と体重が同じ数値という化物じみたスペックを持っている。
加齢による筋力の衰えとも無縁で、登場時点でパンチの破壊力は素手でコンクリートを砕くほどであり、筋力だけを見れば呉一族をも凌駕する。
出場枠強奪のために襲われた際は相手をパンチ一発でKOしたが、相手が叩きつけられていた壁には等身大の2倍はあろうかというほどのクレーターが出来ていた。
しかし他の圧倒的パワーをウリにするタイプの闘技者たち(ユリウス、室淵、河野など)と決定的に違うのは、体系化された武術を修めている点である。
頭も良く洞察力や駆け引きに長じており、こうしたパワー以外の面の強さが、あらゆるタイプを相手に308戦306勝という圧倒的な戦績を築き上げる原動力となっているのは間違いない。
普段は酒を呑みながら野球観戦に興じたり、焼肉で胃もたれをしたり、表紙になれた・なれなかったで一喜一憂したりと意外と年相応のおっさんな面を見せる。
他の闘技者たちとも多くの付き合いがあり、劇中では関林ジュン、今井コスモとよく一緒にいる描写が見られる。
ケンガンアシュラでは発言と先の展開が全く違う事になることが多く読者からは「嘘槻」とネタにされていた。
その出生は現在の職業である裏稼業とは裏腹に裕福な資産家の家。
戦い方のベースとなっているのは空手。幼少期から日本最大のフルコンタクト空手団体「六真会館」に籍を置いていたが、裏社会とは関わりを持たない掟により闘技者になる際に形式的にだが破門されている(会館とは現在も良好な関係である)。
因みに元三強の成島丈二とは同期に当たる。
フルコン空手特有の前へ前へと出て行く「力の連打」による、異名の由来にもなった超近接での猛攻が持ち味。戦法自体はシンプルだが、「世界最強の打撃力」とも評される怪力のために、一発で致命的なダメージを与え得るのが恐ろしいところ。
若い頃は身体能力ゴリ押しの戦い方をしていたが、アギトに敗れたことがきっかけでテクニックも磨くようになり、後述する二つの技を身に着けることに成功している。
また相手の土俵に乗らず、冷静かつ巧みに自分の得意とするフィールドに持ち込む駆け引きのうまさやブラフ、洞察力にも長けており、戦い方の幅は非常に広い。
こうして圧倒的な力に技をも併せた若槻は様々な無敗・無敵を称する武術の達人を打ち破ってきたが、柔に特化した相手や、無形の闘い方を得意とする相手とは相性が悪い。初見泉と加納アギトに負けているのもそれが理由である。
主な技
- 爆芯
若槻が「『牙』を超えるための牙」として編み出した隠し玉の一つ。全身の筋肉を「芯」に向かって収縮させ、空手で言うところのノーモーションの逆突きに近い形で一気に解き放つ拳打。急所に当たれば骨格で自身を上回るユリウスも倒せるほどの衝撃を発揮するが、加納との戦闘で負った右足首の古傷が原因で有効射程距離が通常の突きよりも拳2つ分ほど短く、発動時は古傷にかなりの負担がかかる諸刃の剣でもある。相手の拘束を強引に振り解くといった応用も可能。表記を公式でも間違えていたが、「爆"心"」ではないので注意。
- 組み技
青館長の助言に従って身に着けたもう一つの隠し玉。ただ、組み技の技術そのものは一流半といったところで、ムテバは怪力を加味してもぎりぎり超一流、最高峰クラスには届かないと評している。
拳願絶命トーナメントの前、十鬼蛇王馬のデビュー戦を古海平八、第3戦を今井コスモとともに観戦している。
雁流島へと向かう豪華客船の中で、速水勝正が送り込んだ代表闘技者の座を狙う刺客を、コンクリート壁にクレーターが出来るほどの強烈な一撃で倒した。
トーナメント1回戦では室淵剛三と対戦。速攻をしかけた室淵に対し先手を取り、ほぼ無傷のまま、実質右手1本しか使わずに勝利する。
2回戦では自分と互角の筋力と自分以上の「骨格」を持つ、自身よりさらに上のパワーを誇るユリウス・ラインホルトと対戦。手数と技を駆使した真っ向勝負となるが、ユリウスに怪力で何度も顔を打ち付けられたり、顔を壁にめり込ませられて突っ走られるなどしたため右顔面の皮膚と右目の失明、古傷の悪化、さらには秘密兵器『爆芯』の存在を露呈するという深刻な代償を払うことになるも、最後は戦術の差で顎に大きな一撃を入れて脳震盪を起こさせてダウンを取り、大逆転勝利を収めた。
3回戦ではムテバと対戦。切り札の一つである組み技はかわされ、打撃による猛攻を仕掛ける中で、盲目であるはずの相手の目が見えていることに気づく。そこで鼻を狙っていると錯覚させることで急所への奇襲を誘い、頸動脈狙いの貫手を高密度の筋肉を締めることで防ぎ、相手の油断をついて爆芯を放ち右腕を破壊。本業への影響を懸念したムテバが棄権したことで勝利を得た。
準決勝では十鬼蛇王馬と対戦。互いの所属企業の目的が同じだったことから八百長の指示が出され、自身が決勝に進める形で方向が決まりかけていたが、山下商事側がそれに抵抗したことで正々堂々勝負することになった。
コスモや呉雷庵を倒した王馬を警戒し、若槻は油断することなく自身の持ち味を生かした猛攻で王馬を圧倒。二虎流の防御技『不壊』ですら全く歯が立たないほどの威力で、王馬を滅多打ちにして追い詰める。最後は王馬の奥義である『鬼鏖』を封じ込めるべく、左腕でフェイントからの右ストレートで決めるという冷静かつ完璧なコンビネーションで決めたかに見えた。
が、『鬼鏖』が己が苦手とする無形のカウンターであることまでは見抜けず、結局鬼鏖を発動され自分の全力の右ストレートの威力をそのまま王馬に蹴りとして顎に返されるという、自分がユリウスにしたのと同じ倒され方でノックアウトされる。それでも闘志だけで立ち上がって継戦の意思を示したが、もはや闘う力は残っておらず敗退した。
続編のケンガンオメガにも登場。煉獄との対抗戦では、派閥の問題も無いことからガオランと共に真っ先に拳願会側の代表選手として選出される。
対抗戦本番では最終戦直前、山下の言葉によって遂に登壇。飛と戦う。
※注意 これよりケンガンオメガ最新話までのネタバレが含まれます。
単行本勢は要注意。
飛との仕合では超人体質による攻撃力と防御力を糧に序盤は有利に立つが、太極拳から本来の流派である二虎流に切り替えた飛に苦戦。しかし、以前王馬に敗北したことを切っ掛けに二虎流への対策を練っており、飛の操流の型・柳を封じることに成功。水天の型による威力の分散効果が半減する至近距離にて膝蹴りを連発。
堪らず飛に距離を取らせた後、二虎流への対策を練っている以上、戦力の差を埋めるためには前借りこと憑神を使うしかないと飛を挑発。前借りの欠点である二虎流の技が封じられる特性を利用しようとするが、飛は前借りではなく第参奥義である神魔を発動。これにより胸の筋肉が陥没する程の一撃を受け、一度は場外に吹き飛ばされそうになる。
神魔の憑神と降魔の併用という特性も相まって攻撃も当たらず、頼みの綱である爆芯も飛の血の弾丸によって発動のタイミングをずらされ不発。確実に追い込まれていくが、飛が身体の不調を感じ始め、神魔を解除しようとしたタイミングで攻撃を仕掛け、神魔を解除する機会を奪うことに成功。掠り傷程度ではあるが爆芯も命中。飛を吐血させるものの、目にも止まらない連撃を前に再び防戦一方になる中、執念を武器に飛を力技で拘束するが、神魔を全開放されたことにより拘束を振り解かれる。
最後は拳による一撃を狙うが、躱されてしまい、飛のカウンターを受けたことで遂に気絶。一方の飛も神魔の使用過多により戦闘不能。これにより仕合は引き分けという結果に終わり、惜しくも二虎流へのリベンジは叶わなかった。
その後、飛は神魔酷使の代償として全身の血管が損傷し心臓にも致命的なダメージを負ったことで死亡してしまった。このことに関してアギトは「断じて。断じてお前のせいではない」「あれが、神の領域を犯した報いだ」と若槻の責任ではない事を強く主張していた。飛の反則じみた力の前に若槻は試合中まともに反撃することも出来なかったが、それほどの猛攻を受けても尚若槻の肉体は屈せず生き残ったのである。