概要
「ケンガンアシュラ」、「ケンガンオメガ」に登場する、飛鳥時代から1300年と非常に古い歴史を持つ、「禁忌の末裔」の名で知られる暗殺集団の一族。
長い歴史の中で高名な武芸者の才女と契りを交わし、優秀な外部の種を取り入れ続けた結果、生まれながらにして強靭な身体と戦闘力を持つ。また、外部から優れた戦闘技術を常に取り入れ続けたことで、戦闘から鍼治療に至るまで、様々な秘伝の技術を持つ。
物騒な家系だが、肉親の絆を何よりも大切にしている家族愛の強い一族である。
呉一族の一門からは優秀な暗殺者や闘技者を多数輩出しており、拳願仕合では拳願絶命トーナメントを含めて、歴史上4回しか敗北していない。
本家の所在は京都の地方都市「呉の里」。
本業が絡まなければ基本的には気の良い一族なので、周辺住民との関係は良好。食事も一族が集まって取ることが多く、(会話内容は物騒だが)和気あいあいと団欒している。彼らのうち暗殺業を本職としているのは一部で、ほとんどは他の仕事と兼業しているようである。
同業者の雷心流とは1200年にわたるライバル関係にある。
「ケンガンオメガ」でルーツが語られるが、そのルーツは神が存在していたといわれる5000年も前に及び、作中の口伝によれば、『突然地の底から湧き上がるように現れ、人、獣、神、鬼を殺しつくし夥しい返り血で眼を黒く染めた「それ」』が始まりと言われている。
それから本編開始より1300年前に一族は三つに、中国に留まった「呉(ウー)氏」、西洋へと進出した「征西派」、日本に流れた「呉一族」に分かれた。
このうち、「征西派」は暗黒組織「蟲」と繋がっており、「呉一族」と「呉氏」とは現在敵対関係にある。
名前の由来はブラジルの柔術一族「グレイシー一族」。
身体的特徴
白目と黒目が反転した目が特徴であり、一族の人物は例外なくこの風貌をしている。
上述したように幾世代に渡って遺伝子改良を繰り返してきたため、あらゆる身体機能が現生人類の範疇を大きく上回っている。痛み・ダメージの耐性も肉体自体の耐久力と20種に及ぶ脳内麻薬の異状分泌によって、とんでもない深手にも耐えてしまう。
秘伝「外し」
脳のリミッターを意図的に外すことで、潜在能力を解放し、パワーとスピードを向上させる呉一族固有の能力。同じルーツを持つ呉氏の一族では鬼魂(グイフン)と呼ばれている。
その正体はいわゆる「火事場の馬鹿力」である。普通の人間であれば身体の崩壊を防ぐためにリミッターが設けられているが、呉一族は1300年をかけた品種改良によってそれに耐えうる肉体を手にしており、リミッターを解除することで人知を超えた力を発揮する。
引き出せる潜在能力の解放率は個々の資質に依存し、50%解放できれば優秀な部類に入る。
デメリットは非常に体力を消耗するため、長時間維持し続けると発動できなくなってしまうところである。発動自体は基礎とコツさえマスターできれば呉一族でない者でも理論上可能だが、常人が使えば脳への負担に体が耐えきれず死亡してしまう。あくまでも、呉一族の肉体的資質ありきの技である。
秘伝という性質上、当主の許可がなければ使用は禁じられている。
二虎流の「憑神/前借り」は、この技に対抗するために作られたと言われている。しかし「憑神」は動きの精密性の低下が発生するデメリットがある点が異なる。
「呉の技」
呉一族が代々伝えてきた戦闘技術を体系化したもの。
「ケンガンオメガ」で、暗殺に向いている技を体系化した「呉一族伝」と、格闘戦を想定した技術を体系化した「呉家伝」に分けられていることが明かされている。
「呉家伝」は元々宗家のみが継承されていたようだが、恵利央が当主を継いだ頃には、そのしきたりは形骸化していた模様。