「「夢」はいつか醒める。だが、「愛」は不滅だ。」
プロフィール
所属企業 | ゴールドプレジャーグループ(企業序列25位) |
---|---|
身長 | 179センチメートル |
体重 | 77キログラム |
拳願試合数 | 1勝0敗 |
企業獲得資産 | 12億1140万円 |
年齢 | 26歳 |
誕生日 | 9月7日 |
特技 | 我慢 |
理乃の好きな所 | 全部 |
異名 | 『雷神』 |
CV | 小野大輔 |
概要
「ケンガンアシュラ」で開催された拳願絶命トーナメントにおける、ゴールドプレジャーグループ代表闘技者。 暗殺拳「雷心流」の当主である。
ほとんど表情を変えないクールな性格。彼女と出会う前は、人間を「血と糞の詰まった肉袋」と考えて殺しをためらいなく行っており、機械的な印象を感じさせていた。
しかし倉吉理乃の暗殺依頼を受けた際に彼女に一目惚れして依頼を放棄。彼女と並び立つために暗殺拳としての雷心流を終わらせ、不殺の境地に至った新たな雷心流を作る道を選んだ。
こうして"愛"を知った零は、彼女の前では笑顔を見せたり、他の男に絡んでるとむくれたりと人間味を感じさせる一面も見せるようになったということである。めでたしめでたし。これには師匠であるお爺ちゃんも苦笑い。
そして恋人の理乃を拳願界の頂点に立たせるため、トーナメントの参戦を決意する。
戦闘スタイル
使用武術は1200年の歴史を持つ一子相伝の暗殺拳「雷心流」。日本神話の雷神・建御雷神が創始したとされる。刀狩令で武士以外の帯刀が禁じられてからは素手での暗殺が主力となっている。
「政争ニ関スル案件、是ニ関ワラズ。」という信条を持ち、過去に歴史の表舞台に現れたのは文永の役と第四次川中島合戦のわずか2回のみ(だが零がこの信条を放り投げているのは上述の通り)。
その極意は「雷に成る」ことにあり、「雷神が宿る」という自己暗示による脳のリミッター解放と、物心ついた時からの厳しい荒行の中で身につけた走りに特化した骨格となった足を使うことで、0からトップスピードまで一瞬で加速することが可能、短距離走ならば呉一族をも凌駕する速度を発揮する。
弱点は速さを重視するあまりに突進系の技法は全て最短経路を辿るため、軌道が直線的になること。直線的とはいえ一流武術家の動体視力ですら追えない速度なので、読み切って対応するというのは机上の空論でしかないが、それを実現してしまう猛者があの世界には存在するようだ。
また雷心流の技術は「暗殺」、それも得物を使った「最小の手数を最速で当てる」ことを主眼に置かれていたため、一撃で勝負を決められないほど頑丈な相手には不向きな側面もある(呉恵利央曰く「殺す」ことはできても「倒す」ことが難しい)。
そして、その凄まじい技術体系と特化したが故に思考がスピードと必殺技頼りで、基本に立ち返った突きや蹴りなど他の方法での勝利の発想に欠いており、黒木と加納の試合を観戦した零はそのことを痛感する。
主な技
- 雷閃
雷心流最速とされる伝統的な型。急加速を利用して、相手とのすれ違いざまに突きを加える技。雷心流独自の鍛錬の末に完成する。ただし体にかかる負担が甚大で短時間しか最高速度は維持できない。
理乃の能力で暗示を強化することで限界を超えた脅威的なスピードを発揮できるが、その代償として短時間の交戦でも重度の脱水を始めとした肉体的消耗を強いられるという欠点がある。
- 夢幻歩法
第65代当主・御雷静(みかづち せい)が考案した雷閃を放つための型。緩急を付けた不規則な歩法。
- 陽炎
時代と共に形を変える「常時最新の型」。顔面の経穴である晴明・四白・神庭・迎香・下関・承漿へと部位に応じて打つ型を変え、より深くダメージを浸透させるという突き技。
- 慘雷(サンライ)
外装を透過して内部に直接衝撃を与える技の一種で、体を固定して威力を逃がさないようにしたうえで、拳打や頭突きで相手の顎に全衝撃を返す。この技だけで仕留めることができなかった場合には、陽炎などを併用して小刻みに頭部へ打撃を与え続けて継続的に脳を揺らし、徐々にダメージを蓄積させて相手を倒す。
- 練氣(れんき)
雷心流の型の一つで、元は中国から伝わった氣のバランスを整えて伝達をスムーズにする技術とされる。現当主である御雷は氣のなんたるかを完全には理解していないが、不安や焦燥感を打ち消すために戦闘前のルーティンとして欠かさず取り組んでいる。
活躍
初登場は3巻おまけで、それまで理乃が有していた闘技者を倒して正闘技者となる。
拳願絶命トーナメントの1ヵ月前にデビュー戦を行い、かつて「滅堂の牙」と対戦したこともある強豪闘技者、中国拳法家の洪小虎と戦うが、圧倒的な各の差を見せつけて完勝。
レフェリーのチーター小林からは若槻や関林、コスモなど他の強豪闘技者と比較しても尚、力の底が見えないとまで評され、初見泉でさえも存在を気取ることができなかった。
トーナメント1回戦では根津マサミと対決。雷閃による顎への一撃で文字通り一瞬で勝利を収め、ハサドの持つ拳願仕合最短決着記録を更新した。直後に呉雷庵とひと悶着起こすも、呉恵利央のとりなしもあってひとまず矛を収めた。
2回戦では鎧塚サーパインと対戦。殺す技の使い手である「暗殺者」としては相性の悪い異常に頑丈な相手に対し、序盤から執拗に頭部へ攻撃を集中させたものの、思うように打撃の効果を与えられず苦戦を強いられる。しかし大技の隙を見逃さずカウンターを放ち、さらに脳へのダメージを狙って攻撃を繰り出し手足の骨に大きなダメージを負いながらも勝利し、相手を殺さず倒せたことに達成感を覚える。
クーデター中は複数の守護者を相手取り理乃を庇いつつ悠々と制圧したが、3回戦直前に桐生刹那による襲撃を受け、真意を掴めぬまま仕合に臨むことになる。
3回戦では黒木玄斎と対戦、理乃の「命令」で暗示を強化することで自身の限界以上の、黒木の予測を超える速度を見せて一度は膝をつかせるも、「先読み」で完璧に対応されてしまい、その速度が仇となって机上の空論であったはずの痛烈なカウンターを受けてしまう。
それでも尚立ち上がり、極限状態の中で全ての縛り(当主の誇り、父への克服心、理乃への愛)を忘れ手数で押す作戦に移行、その連撃に黒木も押され出したが、黒木の狙った僅かな誘いからの下突きを心房の位置に打ち込まれ、意識を失い敗北した。
原作では理乃以外とのプライベートの絡みは皆無だが、マンガワン『ちょい足し』ではなぜかガオランやサーパインと懇意にしており、一緒にバイクに乗ったり温泉に行っていたりしている。
父親が黒木玄斎と戦い死亡していることもあって、雷心流は祖父より伝授された。祖父は思考が柔軟な人物で、雷心流を授けた後は「どう生きるかは本人の好きにすれば良い」と零の意思を尊重していた。・・・そんな孫が色ボケて恋人一筋の人生を選んでしまったことは運命の皮肉であり、4コマ漫画では「ソッチに行っちゃったか・・・」と複雑な心境を覗かせた。
ケンガンオメガ
続編である「ケンガンオメガ」では、トーナメント後も一応闘技者としての籍は残っていたことから煉獄との対抗戦において有力候補と見込まれていたが、雇用主である理乃が「二度と政争の道具に利用したくない」とストップをかけたことで、召集は叶わなかった。
しかし、対抗戦の会場で再登場。その際、絶命トーナメント後は中国の呉氏の下で修業をしており、呉氏や同じく修行目的で呉氏の元を訪れた初見泉と技術交換を行っていた事、会場に現れたのは呉氏の要請で「蟲」との戦いで裏方で手伝いに来たことが明かされた。
対抗戦から2年後には、不法占拠地区に消えた臥王龍鬼を追うためのメンバーの一人として参加。「不殺の誓い」を守る為に途中までの参加となったが、一行を追ってきた「蟲」と交戦し、これを撃退している。