概要
日本の空手(空手道)の源流となった、沖縄発祥の固有拳法・古武術である。
元々は単に「手(て、ティー)」と呼ばれていたが、大陸から中国拳法が伝わると、区別するために中国拳法を「唐から伝来した手」として「唐手(とうで、トゥーディー)」と呼ばれるようになり、沖縄固有の拳法を「沖縄手(おきなわて、ウチナーディー)」と呼ぶようになったという。
後に盛んな三つの地域の地名を冠して、「首里手(しゅりて、スイディー)」「泊手(とまりて、トマイディ)」「那覇手(なはて、ナーファディー)」の三大系統に大きく分類されていく。
また、上述した中国拳法の他に本土日本の拳法・柔術も伝わり、更には当時の沖縄は東南アジア諸国とも貿易があったため、シラットなどの現地の武術も伝わっていたようで、長い年月のうちにそれらの影響を受けて進化していったとされる。
そのためか、本土に伝わった際には「唐手(カラテ)」とも呼ばれるようになり、最終的にこの名称を元に「空手」と名付けられることとなる。
稽古着は史料が乏しいためはっきりしていないが、戦前における写真では現在の空手の道着とは異なり、上半身裸で下半身は白い袴に帯は後ろか横に結び(或いは巻き付けただけかもしれない)、額には手拭いのような布を巻いている。
どこか源流とされるインドの古武術カラリパヤットや、同系統とされるタイ王国の古式ムエタイ(ムエボーラン)の服装と似通っている。