概要
『帰ってきたウルトラマン』の中で11月に放送されたエピソード
- 第31話「悪魔と天使の間に…」
- 第32話「落日の決闘」
- 第33話「怪獣使いと少年」
- 第34話「許されざるいのち」
を指す通称。
近年では放送が12月にずれ込んでいる(12月3日放送)が、岸田森が脚本を執筆した第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」を含めることもある。
由来は1978年頃のウルトラシリーズのリバイバルブームの中、同人誌で使われたもので、現在ではほぼ公式化している。『帰マン』の中でも特に人気のある、もしくはメッセージ性の高い内容の作品で充実していた月のことを指す。
ただしコアなウルトラシリーズ好き、特に古参帰マンファンの中ではこの呼び方を嫌う人や疑問に思う人も多いので注意されたし。
というのも、元々は「帰マンの中で第1期ウルトラシリーズ(『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』)に匹敵する名作」という意味で、帰ってきたウルトラマン以降のウルトラシリーズ(『~レオ』までは「第2期ウルトラシリーズ」、『ザ☆』と『80』は「第3期ウルトラシリーズ」とされる)は「ウルトラシリーズとしては決して認められない駄作だが、この4話分は認めてやってもいい」という否定的かつ極めて上から目線な見解から使われたからである。
「許されざるいのち」の原案である小林晋一郎もその一人で、雑誌「宇宙船」にてセブン後半以降のウルトラ怪獣のデザインには辛辣な意見を述べていた。
理由として上げられるのは、
などなど。
とはいえデザインの良しあしについては好き好きにすぎないところではあるし、一種の懐古厨とも言える意見が多かった。
たしかに大人の事情に振り回され作品が迷走した部分はある中、「怪獣使いと少年」は本作を語る上では重要な位置で、他の3話分も紛うことなき傑作ではあるが、他の回とて決して駄作ではなく、むしろ『帰ってきたウルトラマン』以降のシリーズもあってのウルトラシリーズなのである。
放送当時の視聴率も他のエピソードと大差なく、この後に続く第38話「ウルトラの星光る時」がピークである。
『帰マン』を企画し、それ以降もシリーズを続けたいと願ったのは他ならぬウルトラマンの生みの親である円谷英二御大であり、彼の生前の宿願を否定することにもなる。もし本作が作られず、シリーズが『セブン』までで途切れていたら、シリーズは次第に風化し、円谷プロダクションもどうなっていたか分からない。それこそ『セブン』も当時から「アクションシーンが少ない」「初代ウルトラマンの方が良かった」といった叩きをうけていたし、それで『Q』『ウルトラマン』の信者・厄介ファンが批難されることもあったのだ。
現在では「11月の傑作群」は『帰ってきたウルトラマン』全51話の中でも突出した神回と言う扱いになり、『帰マン』を始め昭和2期シリーズの再評価が広まっている。
現在はYouTubeでの配信やウルトラシリーズ専門の定額サービス「TSUBURAYA IMAGINATION」も開設され、過去作に触れる機会も増えているため、この機会に視聴してみるのもいいだろう。
一方で、逆に第2期以降の扱いが悪いことや先述のようなタチの悪い批評をする者などに不満が行き過ぎて、第1期シリーズを槍玉に挙げて批判する輩もいたりする。
平成・令和でも続いているあたり、結局のところ、時代の変化に伴う懐古厨の発生、世代間のファンの対立等は長期シリーズの宿命なのかもしれない(もちろん個々人を許していいわけではないが)。
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ウルトラマンオーブダーク:いわゆる懐古的な厄介オタク。ある意味公式が最大手。