戦え!ウルトラマン
まぼろしのしゅだいか
『帰ってきたウルトラマン』のオープニング主題歌に採用される予定であったが未使用となった楽曲。
実際にレコーディングも行われ主題歌として最終選考まで残っていたが、「帰ってきたウルトラマン」に負けて未使用となった。
同じ没主題歌である通称「ウルトラセブンのうたパート2」とは異なり、作中でBGMとして使用する機会もなかった(※)。
※ 過去2作品と異なり主題歌とBGMの作曲者が異なるためという説が有力視されている。余談の項も参照。
作曲のすぎやまこういちは凝った構成のこの曲が好みであったが、子供番組ゆえ「分かりやすいメロディーの方がよい」と考え「帰ってきたウルトラマン」が主題歌に採用されたと語っている。
放送直前に児童向け雑誌に『帰ってきたウルトラマン』の主題歌として「戦え!ウルトラマン」の歌詞が記載されていたものがあり、放送当時「歌詞が放送前の雑誌に載っていたものと違う」と問い合わせたという視聴者の証言がある。
とはいえ、シリアス寄りの歌詞に緊張感のあるリズムも相まって多くの特撮ファンやウルトラマンファン達に根強い人気を誇る楽曲である。
後にDAICONFILM作の自主制作特撮映画作品である『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』にてなんと主題歌として使われたことでようやく日の目を見た。
最近では『新ウルトラマン列伝』でBGMとして採用されたり、ファミリー劇場の『ウルトラ情報局』では放送分のオープニング映像に使用し、実現しなかった幻のオープニングとして放送された。
また2015年には『日本アニメ(ーター)見本市』で、故・内山まもる氏の漫画『ザ・ウルトラマン』を原作としたショートアニメ『ザ・ウルトラマン ジャッカル対ウルトラマン』のエンディングとしても使われた。
歌詞は1番が怪獣が出現し街を蹂躙、2番がウルトラマンと怪獣との激しい死闘、3番が怪獣との戦いに勝利した後にウルトラマンが望郷の念をイメージしているというもの。
歌手自体は同じ団次郎氏で、歌詞も「帰ってきたウルトラマン」と一部共通だがフルバージョンではコーラスが無く団氏がソロで歌い、TVサイズ版では児童合唱団のコーラスが入ると少し異なっている(ステレオ音源のマスターはTVサイズのみ、カラオケとレコードサイズ版はモノラルのみとなっている)。
- 「街が危ない 死が迫る」と記事冒頭に記したが、歌詞カードには「街が危ない 火が迫る」と記載されていることがある。しかし、音源ではどう聴いても「死が迫る」と聞こえる。団氏が江戸っ子的な歌唱(※)をしたのか、「死」はマズイと判断され、表向き歌詞カードだけは変更されたのかは定かではない。
- ちなみに見た目がややこしい次男の挿入歌・戦闘BGMは「進め!ウルトラマン」である。
BGMを作曲した冬木透も同じ歌詞で主題歌候補曲を作曲したが、歌入りの録音には至らずインストのBGMとして使用されている。ウルトラマンが優勢なときに流れる「M-13」などがそれ。
歌入りのバージョンは1992年に「帰ってきたぞウルトラマン!」のタイトルで水木一郎の歌唱でリリースされている。