概要
「ウルトラシリーズ」における、「ウルトラ戦士」のカテゴリー分けの一つ。
ウルトラ戦士の中でも、特にパワー、怪力に優れ、またそれを生かした戦いを得意とする戦士。単にパワーに優れているというだけでなく、中には水中戦が得意、スタミナがあると言った能力を持つ者もいる。また、基本形態に複数の体色を持つウルトラ戦士は、タイプチェンジでは赤系の色になることも多い。
また、ウルトラマンの真骨頂はパワフルな戦い方という傾向もあってか、パワー系ウルトラマンは優遇されることが多いほか、最近の戦士の中間タイプもそのほとんどがパワーおよび防御に優れた形態であることが多い(その分、初期のパワー形態の出番が減りやすい)。
ただ、あまりに活躍しすぎてマンネリ化してしまったのか、令和に入ってからはパワーで同等以上の相手に苦戦を強いられる事が多くなった。
また、傾向としてパワーに優れる反面、動きが鈍くなるために素早い攻撃が出来なくなるという欠点を持つパターンも多いが、中には基本形態よりもスピードも上がるパターンも存在する。
パワー系戦士の一覧
(※タイプが未記載な場合は、戦士そのものがパワー系のウルトラマンである。)
ティガの3タイプのうち、その名の通りパワーや怪力、スタミナに優れ、肉弾戦を得意とするタイプ。ウルトラ戦士初の「相手の相性や状況に応じて能力を特化させる戦士」であり、その後のシリーズでもこうした戦士が多く登場する。
肉弾戦を主に戦い、また水中戦も得意とし、ゴルザなどを圧倒したが、逆にスピードが落ち他のタイプより動きが鈍くなるため、メルバなどの素早い敵には攻撃を避けられることもあった。
近年の決戦!ウルトラ10勇士!!、きたぞ!われらのウルトラマンにも登場、その存在感を見せつけた。
ティガの続編作品・ウルトラマンダイナに登場する、ダイナのパワー形態。ティガ同様にダイナも肉弾戦を得意とし、ダイナミックな戦い方をするが、光線技が一つ(ガルネイトボンバーシューティングバージョン)しかないため、遠距離からの攻撃は苦手。劇場版でクイーンモネラに敗北するまで無敗記録を飾ったほか、現在もクイーンモネラ以外での敗北描写はない。また、ダイナのタイプチェンジは一回の変身につき一度のみであるため、タイプチェンジの判断を誤るとかえって不利になることもあった。しかし、スピードタイプのミラクルタイプも、変身者であるアスカが持ち前の根性を出せば、ストロングタイプ並みの怪力を出すこともできる。
ストロングタイプは、近年ではTHE_ORIGIN_SAGAでも登場した。
ウルトラマンガイアは、地球の大地の光が生んだ巨人であり、大地の如くパワフルな戦い方をする。また、スプリーム・ヴァージョンではマッシブな体質となり、上記2人とは異なり、能力を最大限に引き出すためにスピードも向上する。SVではその怪力を活かした投げ技が多用され、投げの鬼というあだ名までついている。しかし、アグルとV1、V2同士で比較すると、スピードどころかパワー面でも下回っていたり、V1だと他のスピード戦士よりもむしろパワー面で劣る面も。それでも飛行速度は他のスピード形態よりも高かったりする。
ウルトラマンネオスに登場する宇宙保安庁のベテランのサブトラマン。スピードに優れたネオスに対し、セブン21はパワータイプの戦士であると公式サイトでも紹介されている。が、それでも飛行速度は先述のガイアよりもさらに高い。
ウルトラマンコスモスの劇場版に登場する、宇宙正義デラシオンに所属するウルトラマン。スピードタイプのコスモスに対しパワーに優れた戦士だが、基本形態のスタンダードモードでもコスモスの最強形態エクリプスモードと同等のスペックである。
余談だが、上記のセブン21とは、同じパワー系戦士であること以外にも、「セブンタイプ」、「人間態が擬態系」、「サブトラマン」、「相方が初代ウルトラマンタイプのスピード戦士」という共通点が存在し、実際に両者はウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀で共闘した。
第2のデュナミスト、姫矢准が変身するネクサスの強化形態。スペースビーストに対し、力強く堅実な肉弾戦を繰り広げる。最終回では、孤門一輝もこの姿に変身した。
ウルトラマンサーガの一件の後、一つになった事のあるウルトラマンダイナとウルトラマンコスモスの力を体内に宿したウルトラマンゼロが、タイプチェンジした姿。上記のダイナのストロングタイプと、コスモスのコロナモードの力を宿し、パワー戦を繰り広げる。また、この姿では口調が荒々しくなる。
O-50出身のウルトラマンオーブが、ウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスのウルトラフュージョンカードでフュージョンアップした姿。顔にウルトラホーンを持ち、タロウを彷彿とさせるアクロバティックな投げ技や格闘戦を得意とし、メビウスのごとく炎を生かした戦いを得意とする。加えてスピードも基本形態よりも向上している。
ウルトラマンオーブが、ゾフィーとウルトラマンベリアルのフュージョンカードでフュージョンアップした姿で、俗に言う中間タイプ。他形態を超越したパワーと防御力を持つが、ベリアルの属性である「闇」の力を恐れるオーブは、最初はこの強大すぎる力を制御できず、暴走を起こし街や人に被害をもたらすこともあった。しかし、後に闇を受け入れて暴走を克服し、更にオーブオリジンへも覚醒した。
その後も出番こそ減ったが、最強形態であるオーブオリジンもオーブカリバー抜きでの身体能力そのものはこの形態を下回っており、オーブオリジンからこの姿に変身して止めを刺したこともあり、活躍を見せた。このタイプもまた、劇場版でハイテンションな宇宙人に不意打ちとはいえ敗北するまで、本編無敗を記録した。
ベリアルの息子・ウルトラマンジードが、セブンとレオのウルトラカプセルでフュージョンライズした姿。容姿は典型的なレッド族の戦士ながらメカニカル。肉弾戦でパワフルな攻撃を得意とし、光線技にも優れるほか、頭部にあるジードスラッガーを駆使して戦う。
各部に噴射口が備わっており、そこから炎を出すことでブースターのように使用でき、スピードタイプのアクロスマッシャーと方向性は異なるがパワータイプには珍しくスピード(特に瞬発力)にも優れる。他、ブースターの加速により自前のパワーと合わせて更に強力な攻撃も可能。
ウルトラマンゼロとウルトラの父のウルトラカプセルでフュージョンライズした姿。基本3形態よりもマッシブになり、頭部にはバーンマイトのよりもさらに大きいウルトラホーンが存在する。ソリッドバーニングからスピードを削って防御力を高めたいわゆる防御形態。チートラマンの組み合わせということでその威力は圧倒的だが、初登場から数話後に完全上位互換のロイヤルメガマスターが登場、その影響で出番が減ってしまった。
だがウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズではロイヤルメガマスターを差し置いて大活躍するなど、扱いが悪いわけではない。
ウルトラマンR/Bの主役を務める2人の兄側で、どちらかというとより主人公要素が強い。そこまで強調されているわけではないが、戦闘スタイルはパワー系であり、パワフルなパンチやキックを生かした肉弾戦をすることと、ルーブコウリンもロッソ側だとパワー系の武器になることが公式サイトにも明記されている。パワー系では珍しく、遠距離戦も得意である。
ロッソの弟、ブルが、火の力を持つタロウクリスタルで変身する姿。
パワフルなパンチ、キックなどの肉弾攻撃で戦うパワー形態であるが、身体能力は4形態中最低であり、描写も控えめである。
グランドは、パワーと防御力に優れるだけなく、重力や泥、岩を操る技を駆使するが、積極的に相手に向かっていくブルの戦闘スタイルと噛み合わないためか、使用率は高くない。
なお、ルーブクリスタルは、両者ともタロウクリスタル/ビクトリークリスタルはパワー系、ギンガクリスタル/ティガクリスタルはスピード系の姿に変えるアイテムである。
ウルトラマンタイガに登場。「ザ☆ウルトラマン」に登場するウルトラマンジョーニアスと同じくU40出身のウルトラマン。サンダーブレスター以上に筋肉質で、タイプチェンジなしでの最初からマッシブなのは珍しい。鍛え抜かれた精神と筋肉を有する賢者で、敵の挑発などにも乗らない。しかし、筋肉オタクな面もあり、戦闘中にポーズを取りながら筋肉を見せる、筋肉について語るなど、自分の筋肉に自信満々な模様。
その鍛え抜いた筋肉と精神による攻撃力は凄まじく、ウルトラマントレギアをもタイプチェンジなしなおかつ単独で単純な技で唸らせた数少ない戦士。また、多くのウルトラマンを苦戦させてきたギャラクトロンMK2を(ギャラクトロン側の状態が異なるとはいえ)単独で撃破するなど、単純に強い。そのインパクト大のキャラクターから、「ザ☆ウルトラマン」の知名度向上に貢献し、またタイガ本作屈指の人気キャラクターとなった。
ウルトラマンゼットが、初代ウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウのウルトラメダルでウルトラフュージョンした姿。青基調の姿であるオリジナルとは打って変わり全身が真っ赤になり、プロレス技のような攻撃を得意とする。プロレス演出は狙っているようで、エピソードZではゴングが鳴った。また、マスクのデザインからよく「赤いアイツにしか見えない」とネタにされる。
ちなみに腕力に関しては最強形態のデルタライズクローより高い。気合いでゼスティウム光線の威力を上げたりも可能で、22話とエピソードZで披露している。
かなりマッシブな部類に入り、ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突でタイタスにも褒められるほど。
ウルトラマントリガーに登場。スペックや使用技はティガのパワータイプと全く同じとなっている。
ティガのパワータイプと違い、プロテクターや頭部が変形している。これもあってかティガより幾分かマッシブに見える。
闇の三巨人の中でパワーに優れるダーゴンに対し、マルチタイプでは歯が立たなかったがパワータイプでは互角に戦えている。
変身者のマナカ・ケンゴが元々植物学者だったこともあり序盤は戦闘スタイルと合わず出番が少なかったが、後半は強力な敵が増えたため出番が増えている。
ウルトラマンデッカーに登場。スペックはダイナのストロングタイプと同様だが、原点にはなかったプロテクターと、銀の配色の割合が増えた。
光線技は使用せず、強烈なパンチ・ドルネイドブレイカーで相手を粉砕する。
本編未登場
本編未登場のゲーム限定形態。ウルトラマンティガ・パワータイプとウルトラマンダイナ・ストロングタイプのフュージョンアップ形態。サンダーブレスターを超越した筋肉質。
ジードのゲームオリジナル形態であり、本編未登場。ウルトラの父とベリアルのフュージョンライズ形態。体色はベリアルに近く、体形はかなり筋肉質。
頭部にはウルトラホーンが生えているが、その生え方はまるで悪魔のようだ。
明記なしだが、そのイメージが強い戦士、ウルトラ戦士以外のスピード系、或いはその傾向のある戦士たち
- ウルトラマン:強力無比な投げ技の名手であり、投げ技だけで怪獣を倒すことも多い。
- ウルトラセブン:ウルトラの星出身の「レッド族」。本人がそう解説されることはないが、実際にはパワー系のような戦い方とスペックを持ち、上記のセブン21とジャスティスというセブン系のデザインの戦士の影響もあってパワー系と認識されることもある。ちなみに、70年代学年誌での企画では、セブンは「力は強いが、座学や頭脳を使った戦いは苦手」といういわゆる脳筋のようなキャラ付けをされていた時期がある。ただし、優れた怪力を武器としているのは、セブンではなく、投げ技を多用する初代ウルトラマンの方である。
- ウルトラマンタロウ:ウルトラの星出身の「レッド族」。彼も明記されているわけではないが、「ウルトラ6兄弟最強の力と肉体の持ち主」という公式設定があるほか、彼の力を使った上記の2形態がいずれもパワー形態であるため、パワー系のイメージを持たれやすい。ただし、本人の戦闘シーンは空中殺法をはじめ、寧ろスピーディーな演出の方が目立つ。
- ウルトラマンマックス:ウルトラの星出身の「レッド族」。「最強最速」の謳い文句通り、パワー系でもありスピード系でもあるウルトラマン。ただし上記の通りスピードにも優れるため、実際にはバランス系に近い。
- グレンファイヤー:異名の『炎の戦士』の通り、多彩な火属性の技を持ち、他のパワー系ウルトラマンの様にプロレス等の肉弾戦の技を多用する。
- ジャンボット:こちらも『鋼鉄の武人』と称される通り、剣や斧による接近戦が得意。
- ウルトラマンビクトリー:これまた明記されているわけではないが、彼の力を使用した形態も上記のグランドなどパワー系になりやすい。