概要
CV:二又一成(石黒版) 古谷徹(Die Neue These)
ブラウンシュヴァイク公の甥で男爵。
ファーストネームが不詳のため、多くの場合フレーゲル男爵と爵位込みで表記される。
ゴールデンバウム王朝銀河帝国軍での階級はリップシュタット戦役の時点で少将。オフレッサーと共にラインハルトを目の敵にしている最強硬派の1人。
戦場に自ら出るなど、臆病ではなかったが、門閥貴族以外との協調性がまるでなく(ただし、命の危険がある状況では側近のレオポルド・シューマッハの進言に耳を傾けもしている)、またリップシュタット連合軍の司令官のウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツの命令に背き無断出撃するなど、身勝手な行動が目立ち、それを咎められると「勇なき司令官に処罰されるくらいなら、名誉ある自殺をさせてくれ」と恍惚の表情で言い出すなど自己陶酔も極まれり、である。最後は滅びの美学を主張してシューマッハに愛想を尽かされ、平民の部下たちから射殺されるという結末を迎えた。
早い段階でラインハルト・フォン・ローエングラムが簒奪の野心を持っていることを主張したが、これは悪意と偏見による決めつけであり、冷静な分析の結果ではない。そのため、ラインハルトの貴族制度を揶揄するような発言を受けても、それが叛意の証拠となることに気づかず、その場の感情的な反発で終わらせてしまった。結局、予感は彼の死後に的中することになる。
ラインハルトとの関係は最悪だったが、それ以外の当時の主流であった門閥貴族の人間との関係は悪くはなく、へぼ詩人ことアルフレット・フォン・ランズベルクなどとも親しくするなど、伯父の権力を笠にきてという面はあったにしろ、それなりには社交性はあった模様。
また自分たち門閥貴族が民衆を虐げて好き勝手していることについては、ある程度自覚はあり、知性についてもそこまで劣悪ではなかったようだが、選民意識とプライドが高いのが禍いし、文字通りそれが命取りとなった。
実は原作本編に限れば初登場はリップシュタット戦役であり戦役終了と共に死ぬ為に登場期間はそこまで長くなく、ブラウンシュヴァイク公の甥という設定も外伝からである。外伝では1巻「星を砕く者」の登場のみであるがここでブラウンシュヴァイク公の甥という設定が加わりラインハルトやミッターマイヤーとの対立が描かれる等、傲慢な門閥貴族としてのキャラクターが存分に立つ事に成る。
他媒体では
アニメにおいては最初にアニメ化された映画「我が往くは星の大海」が初登場。
次いで展開されたOVA版においてはクロプシュトック事件の時系列がアスターテ会戦後となり本編に組み込まれた事で原作よりも登場が早くなり尚且つ出番も多く、ベーネミュンデ侯爵夫人を唆す役割も与えられている。
藤崎版ではメルカッツといった後のラインハルト軍の幕僚達を使いこなしてみせる等ラインハルトに匹敵する才能を持つ原作とは大きく異なる人物像で描かれる一方で、原作通り門閥貴族の典型と言える言動を繰り返す一面も見せる。ネタバレになるため詳しいことは割愛するが、これらは全てフレーゲルの持つ「栄華を極めた後に惨めな最期を遂げてこその貴族」という滅びの美学に基づいた行動であり、自らの美学に殉じた勝ち逃げと言える最期を遂げる。
余談
Die Neue Theseでフレーゲルを演じた古谷徹氏は旧作ではアンドリュー・フォークを演じ、フレーゲルを演じた二又一成氏はアーサー・リンチを演じている。
旧アニメ版では髪は茶色のマッシュルームカットであり、目つきの悪い貧相な悪役面に加え伯父の悪影響(極端な選民思想など)もあって「残念なキノコ」と一部の銀英伝ファンから呼ばれていたが、Die Neue Theseでは普通の髪型(金髪)で容姿も十分イケメンといえる部類になっており、それを残念がっている銀英伝ファンもいるとかいないとか・・・。