CV:藤田淑子
概要
または「ベーネミュンデ侯爵夫人」。元子爵家の娘。フリードリヒ4世の寵姫(愛人)。
アンネローゼが後宮に入る以前は皇帝の寵愛を独占しており、それを奪い去ったと思い込んで下級貴族の出であるアンネローゼと弟のラインハルトを憎悪している。
アンネローゼを排除すれば皇帝の寵愛を取り戻せると思い込み、様々な工作を仕掛けるが、そのことごとくに失敗。
最終的にはリヒテンラーデ侯爵を通して新無憂宮(ノイエ・サンスーシ)からの退去を命じられたことから逆上。アンネローゼを直接亡き者にせんとするが、これも失敗。協力者であったはずのフレーゲル男爵から切り捨てられ(フレーゲルが関与したのはOVA版のみ)、企みが皇帝に露見。服毒自殺という体(公式には病死)で処刑された。
原作では時系列的には本伝冒頭のアスターテ星域会戦の前に起きた事件で、本伝ではなく外伝に収録されていたが、OVA版では原作では同時期に進行したクロプシュトック事件と共にアスターテ会戦の後に起きたことになっており、どちらもOVA版第一期で放映された。
原作ではフリードリヒ4世の子を身ごもっていたが、それを自らの立場を危うくするものとして危険視したブラウンシュバイク公によって、流産させられており、上記の処刑の際には半狂乱となってブラウンシュバイク公の自分に対する所業を糾弾している。
宮廷に上がった当時の彼女は「蕾を開いたばかりの桜草にたとえられる可憐な深窓の姫君」と周りも認める程の評判の淑女であったが、特に流産と皇后への道の断念を契機に人格が歪んでしまったと言われており、その意味では彼女も貴族社会の毒牙の犠牲者でもあり、その毒によって加害者に変貌してしまったと言える。
藤崎竜版では
藤崎竜版コミックスでは、(原作と同様に)ヘルダー大佐を使ってのラインハルト謀殺を試みているが、それ以降は大きな動きを見せない。
原作やOVA、道原版コミックと異なり、フリードリヒ4世が死ぬ以前に新無憂宮からの退去を命ぜられることは無かったため、アンネローゼ暗殺未遂事件を起こすことは無かった。
フリードリヒ4世の死後はアンネローゼ共々後宮から退去し、リップシュタット戦役にも参加せず、オーディンの下町で密やかに暮らしていたが、フェザーンの工作員に扇動される形でランズベルク伯爵やシューマッハ大佐らと共に幼帝エルウィン・ヨーゼフ2世誘拐事件に加担し、自由惑星同盟へ亡命する。
その後、レムシャイド伯主導の亡命政権「銀河帝国正統政府」の樹立と同盟政府による皇帝受け入れに対するラインハルトの同盟への宣戦布告の演説が行われた際には、その映像を苦々しい顔で見つめていた。
この誘拐事件の際に、(原作でのランズベルク伯爵に代わって)新無憂宮の地下通路の鍵となる指輪を持っており、隠し通路の案内役を務めた。さらには往年のフリードリヒ4世が夜間にはシュザンナを伴ってこの通路を使い、オーディンの下町を見て回っていたことが語られている。