キャラクター名に関してはひらがな表記の『いちご』を参照。
植物としてのイチゴ
広義ではキイチゴ類なども含まれるが、一般には栽培品種のオランダイチゴ(アメリカ合衆国でバージニアイチゴとチリイチゴの交配によって作られた)を指すことが多い。
日本へは幕末にオランダより伝えられ、日本土着の木苺などと区別して「オランダ苺」と呼ばれた。
熟すと赤くなる食用部分は花托が肥大化したもので、その表面のつぶつぶが本来の果実で、中に種子が入っている。
主に食用に栽培されているが、白い花や赤い実は観賞用としての需要もあり、家庭での栽培では、鉢植えなどにして白い花を楽しみつつ収穫を待つといった栽培家も多い。
同属のワイルドストロベリー(エゾヘビイチゴ)にも鑑賞用の栽培品種がある。
🍓食用
生食の他、製菓、ジャム、飲料に加工するなど、食用に利用される。
果物として扱われることが多いが、オランダイチゴは草本性であり、野菜に分類される。
農作物としては実が成っていない時期から炭疽病(たんそびょう)やうどんこ病、害虫、鳥獣害の予防等で休む間もなく毎日管理する必要があり、ビニールハウスがいるため、難易度は高い。
植木鉢やプランターでも栽培可能なので、家庭では屋内栽培という手段もあり、鉢植えの形でも売られている。
市場の価格が一番高くなるのはケーキ等に使われる12月のクリスマス前だが、甘みが一番強くなるのは1月頃の一番冷え込む時期である。しかしクリスマスを過ぎると需要が薄まり、市場価格が下がるためにイチゴ狩り体験等で客を集める方が労力がかからず収入も高くなる場合がある。
一期成りと四季成り
現在、日本で栽培される苺の品種には一期成りと四季成りが存在する。もともと、苺は多年生であり、真冬の厳冬期を除いて常に着花・結実する植物であった。
しかし、通年結実させてしまうと実に充分栄養が行き渡らず、酸味を抑え甘味を増すのに不都合であった。そこで、日照時間が一定以上になると着花しなくなる品種が生み出され、農業栽培用として普及していった。これが一期成りである。一期と言っても、ビニールハウスを使えば早冬と早春の2度、収穫が見込める。
一方、通年結実する苺も残るには残った。こちらが四季成りである。と言っても、かつては『ペチカ』のような、本当に日本の食用苺としては最低限の水準の物が多かった。これらは加工食品用として通年苺を必要とする分野に用いられた。
ただ、一期成り苺が着花せず、また高温に弱い苺が収穫しにくい夏場に限っては、夏いちごとして生食用にぶっ飛んだ高額で取引されていた。
だが、日本の生活水準が向上するに当たって通年上質の生食用苺の需要ができ、「一期成りに負けない四季成り苺を」という要求が高まり、まず1993年、加工食品ではあるが生食に近いケーキの添え物用として『セリーヌ』が誕生。1999年には生食夏いちごの最高峰と言われる『サマープリンセス』が誕生した。
そして2008年、長野県において『サマープリンセス』をさらに改良した“通年まったく一期成りに負けない四季成り”である『サマーエンジェル』が誕生。
四季成り苺は着花させやすく、また性質的に原種に近いため一期成りに比べて概ね強靭であり、特に家庭菜園で栽培するにはより適した品種である。
余談
2018年平昌オリンピックにて女子カーリング選手がハーフタイム中に食べていたイチゴについて「日本から盗まれたイチゴだ」とされ注目が集まった。実際はその食べていたイチゴ自体は韓国オリジナル品種ではあるのだが、その品種の親が日本から盗まれた品種であった。
例を挙げると、韓国オリジナル品種の『雪香(ソルヒャン)』は日本の『章姫(あきひめ)』と『レッドパール』を掛け合わせた品種であり、『錦香(クムヒャン)』は『章姫』と『とちおとめ』を交配したものである。もちろんこれらの品種が生まれる前は日本産の品種がそのまま作られていた。
こうなってしまったのも、韓国へ苗が渡った時には韓国に新種の品種を保護する『種苗法』がなく、日本が韓国内で品種の登録ができなかった影響である。
「レッドパール」は有償でかつ他へ渡してはいけないと条件がつけられて譲渡されていたが、結局韓国内で盗まれた。
イチゴに限らずこうした品種の流出は中国に盗まれた白あんに使われる白インゲン等も存在し、日本国内でも江戸時代に紀州(和歌山県)で栽培されていたみかんの苗が盗まれて全国に広まったという事例もある。
ただし、仮に当時の韓国で日本と同様の種苗法があり日本産品種を登録出来ていたとしても、種苗法では「新品種の育成や試験、研究用として登録品種の使用」は認められているため、登録品種の交配親としての栽培やそれを元にした新品種の作出は制限されず、上記の『雪香』『錦香』などのオリジナル品種の作出や流通を止める事は出来ないとされる。
こういった例から「けしからん!もっと法的な規制を強化しろ!」と思われるかもしれないが、そもそも日本で流通する果物の多くも元々は海外から導入された品種であったり、それらを親として育種されたものである事から分かるように、いたずらに規制を強化すれば今後、新しい物を導入したり生み出せなくなり農業分野の発展を妨げる事にも繋がるため、「権利者の利益」と「社会への還元」の双方を考慮した慎重な運用が求められる。こういった考えは、「特許権」や「著作権」など他の知的財産権が、公開を必須としたり、引用を認めたり、保護期間を有限としている事と同じである。
上述の韓国での事例もあってイチゴは「部会に入らないと栽培できない」、「その県だけしか栽培してはいけない」といった管理の厳しい品種が多い。言い換えれば「ご当地イチゴ」である。
色々と複雑な事情はあるが、旅行の際にはこの「ご当地イチゴ」を目当てに旅先の直売所等へ足を運んでみるのもいいだろう。
漢字の「苺」について
漫画やゲームにおける女性名に多い「苺」だが、2004年9月まで人名に使うことができなかった。
異体字に「莓」があり、こちらは中国語で使われる。こちらは名前に使えない。また、漢字検定で回答に用いても正解となる。ちなみにどちらも1級配当の字である。
関連イラスト
表記揺れ
関連タグ
野いちご/野苺 木苺/キイチゴ 冬苺 ワイルドストロベリー ヘビイチゴ
栃木県:1968年から国内生産量連続1位なことから栃木県自身も「いちご王国・栃木」を掲げているが余り認知されていない。
一期一会:「一期」が「苺」と同音であることから、稀に駄洒落の材料にされることがある。
品種
料理
ストロベリーアイス ストロベリーパフェ ストロベリーサンデー
ショートケーキ / 苺ショートケーキ ストロベリータルト ストロベリーチーズケーキ
季節行事
デザイン等
ゆめかわいい 少女趣味 苺柄/いちご柄 赤いワンピース 苺パンツ
特定の作品・キャラクターに関するタグ
キャラクター
おとちゃん…「いい芳賀いちご夢街道」のマスコット。苺がモチーフとなっている。
作品名など
苺ましまろ いちご100% いちご殺戮者の凱旋 北斗の拳イチゴ味
外部リンク
- 真っ赤でかわいい小粒の実♡苺(いちご)を描いたイラスト特集 - pixivision(2016年8月31日)
- ジューシーで甘酸っぱい♡苺(いちご)と女の子のイラスト特集 - pixivision(2019年3月28日)
- 可愛くてあまーい♡苺(いちご)を描いたイラスト特集 - pixivision(2023年3月21日)
- みずみずしい♡苺(いちご)のイラスト特集 - pixivision(2024年3月24日)