解説
カトリック系高校「私立聖モシカ女子高等学校」に通う女子高生。
近しいもの、およびファンからの愛称は「苺姫(いちごひめ)」。
一見おとなしめに見えるが、眼光は極めて剣呑。口を開くとぶっきらぼうな物言いが目立つ。
右手に高そうな腕時計、親指以外にゴツい指輪を嵌めており、異様な雰囲気を漂わせている。
それもそのはず、彼女は横浜の暴力団「万両組」の跡取りにして、事実上の組長である。
「新しい法律」により組自体は看板を下ろしているが、表向き不動産業を営む傍ら、非合法活動でシノギを上げて「ハマのマフィア」となっている。
他にも会員制地下闘技場(賭博付き)や、お嬢様女子高生を『商品』とする高級売春組織も運営。小説版では闇金も運営しており、一連の事件の発端となった。
全くもって「真っ当でない893」である。
学校ではカタギを演じており、おとなしく見える風貌から無謀にもいじめる者さえいる。
同級の山王寺は「看板を下ろした元893」と侮ってかかったが、調子に乗って彼氏が薬物売買に手を染めている事を漏らしてしまい、彼氏を初めとした暴走族グループは皆殺し。死体はバイクごとコンテナ詰めされて沖に沈められた。
目の前で彼氏を殺され、正気を失い失禁する山王寺だったが、親がビル屋だった為に生かされ、成人したら家業を継いで万両に貢ぎ、それまでは苺達の「性奴隷(ペット)」にされるという末路を辿る。
護衛として、同じく女子高生の市井蓮華と佐久良南天を常に侍らせ、情報収集役として梅花を従える。
腕力としての戦闘能力は皆無。しかし毒薬の扱いに長けた毒使い。
注射で直接毒薬を体内に注入したり、指輪に仕込んだ毒薬を散布して「殺る」。
組織の長としての能力も高く、記憶力が高く、頭の回転も早い。一度相対した相手の顔と声は決して忘れない。
逆上しやすい一方で取り乱す事はなく、その場の状況や相手の能力を見極め、判断する冷静さも持ち合わせている。
そして何より「度量が大きい」。
一度は自らを裏切った綾瀬せつなを赦し、対立関係にあった透野藍・透野翠を条件つきで雇い、彼女たちの「ご主人様」である透野隆一の力量を認めている。
その様は「王」と呼ばれる。
……当の苺本人は自虐的に「先代からの呪い」と呼んでいるが。
蓮花と南天からはベタぼれされており、しょっちゅう求められ、隙あらば3Pをしている仲。
そのたびに苺は二人に対して悪態を付いているが、もちろん悪い気はしていない。
そんなわけで、pixivでの投稿作品も、三人そろってイチャコラしているイラストも多い。
本編では、日本にやってきて暴れまくっていた透野藍や透野翠、そして自らの縄張りに「侵攻」してきた的場伊万里と対立しながら、心ならずも交流していくことになる。
スピンオフの小説では、万両が営む闇金業者により、保険金目的で母を殺されて復讐者となった六ツ木夏乃が登場。古参の側近をはじめ、次々と万両の仕事絡みの人物を惨殺される。
殺人者の正体がつかめず苛立っていた所で南天、更には蓮花が重傷を負わされ、藍と翠を臨時で雇うと、自らの命を狙う夏乃と相対する。