和梨と洋梨と中国梨はそれぞれ別種であるが、日本では、洋梨を産する北海道や山形県など一部地域以外で「梨」と言うと、多くの場合和梨を意味する。
🍐概要
梨の分類には、和梨や洋梨や中国梨などがあるが、「梨」と呼ばれるものは大抵和梨を意味する。和梨とはいうが古く中国から伝わったものと考えられ、中国では「沙梨」と言われ「鴨梨」や「白梨」と呼ばれる中国梨と区別される。朝鮮半島、台湾でも栽培される。
果実は夏から秋にかけて収穫される。形は洋梨や中国梨のような「洋ナシ形」をしておらず、リンゴに似ているが、表面は褐色や黄緑色でザラザラしたものが多い。和梨の果肉は石細胞を多く含むためシャリシャリした食感が特徴。
日本での都道府県別生産量トップ(令和2年)は千葉県(18200トン)で、以下茨城県(13700トン)、栃木県(13200トン)と続く。日本では沖縄県以外で生産されており、沖縄以外で最少は大阪府(59トン)。県名に梨のつく山梨県はイメージに反して生産量は少なく(594トン)、38位となっている(なお県名の由来は諸説あり、果物の梨説もあるが、現在では、山を平にならした→山なし、が主流となっている)。
名前
ナシの語源には、江戸時代の中心部ほど酸味が強いことから「中酸(なす)」が転じたものと述べている。他には以下のような説がある。
・果肉が白いことから「中白(なかしろ)」または「色なし」
・風があると実らないから「風なし」
・「甘し(あまし)」
・「性白実(ねしろみ)」
・漢語の「梨子(らいし)」の転じたもの
主な品種
和梨
赤梨系:長十郎、豊水、幸水、新高、南水、愛宕、晩三吉(おくさんきち)、多摩等・・・
青梨系:二十世紀、八雲、菊水、新世紀、瑞秋(二十一世紀梨)
洋梨
ラ・フランス、バートレット、レッドバートレット、ル レクチエ、オーロラ、シルバーベル等・・・