「ドラゴン着地ドラゴン効果ドラゴン釣って着地通ったらビームで肉焼いて全員で顔。なにかありますか?」
「うーん、じゃあフェイズ移行前、ビッグバン。全破壊で」
概要を知ろう!
「かみあそび!」とは、コミックDAYSで連載されている漫画作品である。
正式名称は「かみあそび! ~カードゲーマー少女の日常~」。
原作:文月いつか
作画:森もりん
カードゲーマーを題材とした漫画作品。いわゆる「男性人口の多い趣味を女子高生にやらせてみた」系のTCG(トレーディングカードゲーム)編である。
宮城県仙台市を舞台に、TCGを全く知らない女子が偶然の出会いからカードの沼に取り込まれていく姿を描く。
作風としては非常に治安が悪いのが最大の特徴。マナーの悪いプレイヤーを始めとするTCG界隈の負の部分を遠慮なく描き、そしてディスる。通常、実在TCG商品の30分CMとして制作されるようなホビーアニメと違い、販促対象の存在しない本作では忖度など果てしなく無用である。この作風に関して、原作の文月はアニメ『人造昆虫カブトボーグVxV』から学んだと語っている。
この漫画は「カードゲーム漫画」ではなく、「カードゲーマー漫画」だとご理解いただければ幸いである。
各話ごとの章題は、第1話『かみあそび?』を除いて「〇〇をしよう!」的に、なんらかの行動を力強く促してくる形式。章題が一部の読者を煽っていたり(第2話『お風呂に入ろう!』)、ロクでもない事を勧めてくる回もある(第5話『大事なものを賭けよう!』)。
ちなみに、本作の作画も担当編集も元々カードゲーマーを知らない側であるため、一部では大変なことに。
登場人物と出会おう!
チーム・エレメンツ
主役となるカードチーム、全員佐久里台高校の1年生。風花以外の3人はTCGによって人間として大事ななにかを色々と失っている。
- 嵐山 風花(あらしやま ふうか)
「…私、カードゲームやってみたい! 夢中になれることを見つけたい!」
風属性担当の主人公。イメージカラーは緑。佐久里台高校に通う普通の女子高生。
漫画やファッションには普通に興味があるが、これといって熱中できる「なにか」を持てずにいないまま、不満も満足もない日々を送っていた。ある日の放課後、エレベーターボタンの押し間違いをきっかけに目当ての古着屋ではなくカードショップ「ワンショット」に迷い込んでしまう。平日昼間からおじさんクリーチャーが群生する空間から早々にセルフバウンスしようとするも、ちょうどTCG『アルケミックバーサス』の対戦に興じていた焔と出会ったのが運の尽きという名の手札事故。流されやすく影響されやすい性格と、前述の「熱中できるなにかを見つけたい」という欲求がシナジーした結果、焔の導きのもとアルケミックバーサスの世界に飛び込む羽目に。それは、「TCGに金と時間を使わないで済んでいる」という人生のアドを失う事を意味し、焔が語り体現するTCG界隈の奇習・因習・悪習に振り回される日々の始まりであった。
学校の勉強はしっかりできる方なようで、素の頭の良さから的確なプレイングを見せる場面も。とはいえ今後、カードのせいで成績が下がる可能性もあるが……。
- 火継 焔(ひつぎ ほむら)
「カードゲームだって合法的に人をボコして不快にさせていいからみんなやってるわけだし…」
風花のクラスメイトで普通ではない女子高生、イメージカラーは赤。カードをやる時は「ぽむ」名義を使うため、風花からもぽむちゃんと呼ばれる。
主に火属性の環境テーマ「気炎」を使うか、他にも対初心者用の「ゴブリン」デッキほどの別のデッキ所持。
学校では地味メガネちゃんを装っているが、カードの事となると陰キャから一転して別人のように饒舌で早口なオタクと化す。オタク仲間なのかと認識した相手にはグイグイとカードを勧めてくる一方、スクールカーストが関わると急に卑屈な泣き虫になる情緒不安定な性格。カースト上位の陽キャに対して少なからぬトラウマとコンプレックスを抱いている超絶陰キャぼっち。
カードゲーマーとしては強いカードと強いデッキこそが至高というガチ勢で、勝つためにデッキ段階で最善を尽くさないとしてファンデッカーを見下しがち。勝とうが負けようが煽りは欠かさないため、ちゃんと風呂に入っている事を除けばカードゲーマーの悪いところを集めて美少女擬人化したような存在。一応、ド素人の風花相手に鮫トレしない程度の良識と矜持は残っている。「初心者は大切にして沼に沈めねぇとなぁ!」とばかりに風花に強いカードを譲ってくれる気前の良さも備えており、友情を尊ぶ価値観の持ち主。TCG販促アニメで主人公になれる器ではないが、ギリギリでクズではない裁定だろうか。
理想の死に方はカードバトルで負けて死ぬ事。でも負けたら絶対めちゃくちゃ文句言うよねこいつ。
- 土門 早苗(どもん さなえ)
「クソデッキ研究会のほうがいいわよ!」
風花とは別学級の1年B組クラス委員で、イメージカラーは黄。風花いわく面倒見のいい性格。
主に地属性テーマ「地律傀儡(クレイドール)」を愛用するファンデッカー型プレイヤーであり、ガチ派の焔と最初は対立する。焔の操る「気炎」に繰り返しボコボコにされながらもその場で新カードを購入して即座にデッキを改良。上振れを引いた5回目の勝負でどうにか地律傀儡デッキを維持しつつの勝利を達成する。互いに「カードパワーに頼っているだけではないプレイング」「迅速かつ的確に地律傀儡で気炎を倒すための改良を行える知識と構築力」と認め合う間柄に。とはいえガチデッカーとファンデッカー間にある根本的な溝は1ミリも埋まってはいないのだが。
チーム・エレメンツ結成に伴う名前決め時には「クソデッキ研究会」を提案しており、どうやら弱いカード・使いづらいカードをなんとか活躍させる事に挑戦し甲斐と楽しさを見出すロマンデッカー気質でもある模様。パワーのある大型ユニットで殴り勝つのを好み、カードに限らずパワー系のものが好きで恐竜とか戦車になりたいらしい。
アルケミックバーサス歴は10年。幼少時、仲の良かった近所のお姉さんが男児向けホビーアニメにハマっていたオタクだったのが始めたきっかけ。ちなみにそのお姉さんには腐女子疑惑があり、早苗本人は「カードゲーマーになるか腐女子になるかの二択」が人生の分岐だったと語る。
なお、本編開始の時期までショップで焔と顔を会わせる機会はなかった模様。各自宅と学校と店舗の位置関係上の問題かもしれない(高校生ともなれば電車通学の可能性もあるため)。
- 瀧川 みなも(たきがわ みなも)
「タダという体験は金の力でも得られないプレシャスですわ…」
早苗と同じB組で、糸目のお嬢様プレイヤー。イメージカラーはネイビーブルー。
一見すると清楚な正統派大和撫子といった「いかにも」な風貌だが、日頃からやたらとコスパを意識する言動が目立つ、本人曰く「庶民派お嬢様」である。
アルケミックバーサス歴は2年ほどで、水属性のテーマ「深海棲菓(アビスイーツ)」を使う。
自在に自分の表情筋を偽るブラフによる心理戦が得意であり、相手の行動を妨害するパーミッション系コントロールデッキで相手を水底(アビス)に沈める「コントロールお嬢様」。
勉強や習い事に疲れた時は家を抜け出し街をうろついてストレス解消していたが、そういった家庭環境への反動が庶民嗜好への強いあこがれを生み出した。TCG趣味に興じるのも、彼女にとっては「憧れの庶民ごっこ」の一環であると言える。その一方で思い出したようにお嬢様要素をお出ししてくる事も。普段の私服はメイドが見繕ってくれているためまともだが、自分で選んだ服の趣味は割と壊滅的である。
ちなみに姉が居るらしい。
完全に余談だが、同原作者による過去作読切『お嬢様人狼 〜わたくし達の中に貧乏人がいるなど許されるはずがありませんわ!〜』も「お嬢様✕庶民派嗜好」を題材としている。ある意味、彼女の源流がここにあるかも?
佐久里台高校
- ひかり
(風花はね、カードゲーマーなんかにさせない…!)
風花と焔のクラスメイトで、風花がカードと出会う前によく一緒に行動していた陽キャ系女子グループの一員。
濃いオープンオタクであり「学校一のキモオタ」と呼ばれる変人だった兄を持つ実体験からカードゲーマーを敵視している。かつては兄と一緒にアルケミックバーサスを遊ぶ程に兄妹仲も良好だったが、中学進学後に兄の事で上級生からからかわれたのをきっかけに反発・軽蔑するように。成長に伴ってカードゲーマーの悪い面を理解できるようになったであろう事も重なってかカード自体からも離れてしまう。
焔の事は「風花をTCGという悪の道に誘う存在」と見做しており、その魔の手から取り戻すべく「風花との絶縁」を賭けてカード勝負を持ちかけてくる。かつての愛用デッキである天使デッキと対陰キャ盤外戦術を駆使するも、離れていた間の環境インフレによるカードパワー差もあって敗北。その後、強引な手段で相手の友情を否定しようとした己の傲慢さに自己嫌悪するも、グループの友人たちの支えもあって風花・焔、そして兄との和解にも成功する。
グループの友人達からの人物評は「いつも自分に厳しい」「気配り上手の繊細ギャル」。
- 音無 色(おとなし しき)
「親切にしただけこっちが損するタイプの方々!?」
ギザ歯ダウナー系高身長の2年生(つまり風花達の先輩)にして、卓上遊戯部部長。……だったが、己のこだわりにしがみついた遊び方を押し付けてしまったせいで人望が無く、部員達には逃げられてしまった限界一人部活人間。生徒会から廃部と部室立ち退きを命じられていた期限当日、「学校の決まりとして必ずどこかの部活に所属する事」を求められて見学に来た風花達4人と出会う。
TCGは定義上テーブルゲームの一種に関わらず、TCGとその界隈を「プレイヤー層が下品」「テーブルゲームという大都会のスラム街」と毛嫌いしており、当初は反発するものの背に腹は代えられず部に受け入れる結果に。
こうなれば生意気な後輩どもを相手の土俵で叩きのめして認めさせようと、自らもアルケミックバーサスを始めるが経験者相手にそう上手くいくわけもなく……。かくして色々なボードゲームを通して交流する筈だった部活は占領下に堕ち、治安最悪のアルバサ部となるのであった。自業自得ともいう。
こういった「TCGが他のテーブルゲームの場を乗っ取ってしまう」という事例は実際に起こっており、TRPGを中心とした非電源系ゲーム雑誌だった『RPGマガジン』がTCGの台頭によってTCG専門誌同然になってしまったのが古参の非電源系ゲーマーの間では有名。
それ以外にも、カードゲーマーと他の卓ゲーマー間の対立は、現実にも時々起こる根深い問題である。
その他
- 焔の師匠
「なあ、焔。カードゲームで一番、大事なものはなんだと思う」
回想で登場する、幼少時の焔にアルケミックバーサスを教えていた青年。本名不詳。カードチーム「県央錬金同盟」の一員(あるいはリーダー)であり、「(存在しない)前作主人公」。
幼少時、いじめっ子にカードを強奪されて泣いていた焔に声をかけ、師弟関係となる。焔が彼から学んだカードゲーマーとしての生き方は、ガチ勢としてのプレイ姿勢だけでなく「日常生活でも小さなアドバンテージを見逃すな」といった歪なものも含む。所詮、ホビーアニメの主人公(概念)が真人間なわけはないのである(善人悪人は別として)。なんにせよ、焔にとって大恩人である事は変わりない。
過去にはワンショットに出入りしていたようだが、現在は焔の元を去っている模様。カード自体を引退したのか、それとも……?
- ひかりの兄
「人はカードを捨てられるが、カードは絶対に人を捨てない」
ひかりの兄。本名不詳。妹から約3年に渡って無視されていたにもかかわらず、突然の謝罪と和解の申し出にも笑って許せるできた兄。本人曰く、カードゲーマーだから叩かれ慣れているらしい。カードゲーマーとしては現役のようで、妹がいつアルケミックバーサスに復帰しても大丈夫なように、天使デッキのパーツを集めていた。
アルケミックバーサスを遊ぼう!
『アルケミックバーサス』は、本作の主軸となるTCG。少なくとも10年以上の歴史を持ち、そのカード種類は現在約1万種に達している。アニメはもちろん海外展開もしている大手TCGであり、本編随所の描写やそのルールからは遊戯王OCGが主なモデルであろう事がうかがえる。
「ALCHEMIC VERSUS」を和訳すると「錬金術の対峙」といった意味合いになるが、これはTCGの始祖であるMTGこと『マジック・ザ・ギャザリング』が「魔法使い同士の決闘」をカードゲームとして表現している事へのオマージュである(詳しくは外部リンク先のnote記事を参照)。
公式略称は「アルバサ」だが、作中で使われるのはもっぱら「AV」。女性プレイヤーを「AV女子」、初めて遊ぶ事を「AVデビュー」と呼ぶ。男どもがそんなんでゲラゲラ笑ってるようだから現実のTCG界隈で女性プレイヤーが増えないんだよ!
基本ルール
デッキは40~60枚で、同一カードは3枚まで。外部(アウター)デッキとして13枚を別に用意し、任意本数先取戦時の入れ替え用サイドは15枚まで。
勝敗の基本決着方法はライフ制で、初期値は10000。相手のライフを先に0にしたプレイヤーの勝利となる。
初期手札5枚で開始し、先攻1ターン目はドローできない。手札が8枚以上の場合、自分ターン終了時に7枚になるように捨てる。
同時に「エナジーカウント」と呼ばれるターンごとに最大値が1ずつ増える形式の数値コスト制も採用されている。
各カードにはカード毎に決められた数値のコストが設定されており、それを支払って召喚や設置・発動を行う。なお、第6話『初陣を果たそう!①』では「10ターン目には最大コストが10になる」と説明されているが、元ネタや数値管理の煩雑化を考えると「10で止まり、11以降は増えない」とするのが妥当かもしれない(作中には11以上のコストのカードも登場するが、1万種の中にはコスト軽減できるカードと併用前提でデザインされたものがあっても不思議ではないだろう)。
カードの種類
- ユニット
いわゆるクリーチャー、モンスターカード。タフネス/守備力の概念はなく、「パワー」値のみがユニット同士の戦闘での勝敗を決める。交戦するとパワーの小さい方が一方的に破壊され、その余剰ダメージがプレイヤーのライフを減らす遊戯王方式である。召喚酔い・速攻の概念はないが、先攻1ターン目だけは攻撃できない。
各ユニットには遊戯王のように「地・水・火・風・光・闇」の属性が定められており、「無色」と呼ばれる前述六属性から外れた無属性カードも存在。ちなみに無色構築は扱いづらく初心者には向かないらしい。
属性とは別に存在する種族は一枚のユニットに複数のクリーチャータイプが並立するMTG式。ペガサスやユニコーンが馬に含まれていなかったり、ネコ科のライオンや虎は猫に統合されたのにイヌ科は犬と狼が別タイプのままだったり、幻竜族とか海竜族とかドラゴンと違いのわからないタイプが居たり、水族とか炎族とか属性との違いがよくわからない種族が存在しないか心配である。
通常のユニットカードは毎ターン補充されるコストを消費して召喚され、コストを表す数値アイコンは丸型。一方、外部(アウター)デッキに入る外部ユニットカードは六角形の数値アイコンの「レベル」で表記される。こちらはコスト消費ではなく、自分の場に存在する2体以上のユニットを墓地に送り、それらの合計コストと同じレベル数値のユニットを外部デッキから呼び出す「錬成召喚」によって場に出現・着地する。作中の勝負では切り札となる強力なユニットを、イカサマじみた強運ドローに頼らず場に出せる(作劇的にも)重要な召喚法。なお、錬成召喚された外部ユニットの持つ数字はあくまで「コスト」ではなく「レベル」であるため、錬成召喚から更なる錬成召喚の素材とする事はできない。
- オブジェクト
いわゆる置き物カード。MTGで言うエンチャントや装備品アーティファクト。遊戯王なら永続魔法、永続罠。
- スペル
使い捨ての魔法カード。MTGにおけるインスタント/瞬速や、遊戯王の速攻魔法/手札誘発にあたる、相手ターンでも使用可能な「クイック」スペルも存在する。
登場カードを集めよう!
単体
- 微風の巡礼者エアリィ
風花が初めて買ったボックスで引いた想い出のレアカード。イラアドも高いのでキラ加工のアニーバーサリーレア版の店頭小売価格相場は7万円超えの高級紙切れ。そんな金があるなら服でも買え、が本作の最も重要な主題である。
特技はデッキサーチからの墓地肥やし及び毎ターン自動発動する墓地からの手札回収。墓地は第二の手札なので強い。
ちなみに第1話で描かれた上述の展開は、原作者が初めて買ったボックスでレアカード「ラヴァルバル・チェイン」を引いた実体験に由来する。
- トルネード・レクイエム・ドラゴン
エアリィと同じく、風花が初めて買ったボックスから出た一枚。パワー4000に加えてクイック持ちなので相手ターンにも召喚可能(MTGの瞬速と同じ、キーワード能力処理であると仮定した場合)。更に1コストで相手のユニット/オブジェクトを手札にバウンスできる。風花の使う風属性デッキにおいては、エアリィと並んでいわゆるエースモンスター級の扱いとなっている。
- ニャンピー
かわいらしい猫の姿をしたユニットカード。モデルは原作者の飼い猫で、とても賢く手のかからない子であるそうな。
パワー0ながら、手札から捨てる事で相手のサーチを打ち消す効果を持ち、エナジーカウントまで増やせる。前述のエアリィのデッキサーチも、このカードには無効化されてしまうのは勿論、アルバサ全体でも環境形成に影響するとても重要な一枚。
大体のデッキに3枚フル投入されており、これを上手く使えるかどうかがアルバサのキモと言われている程。
焔の回想からこのカードは彼女の小学生時代すでに存在することわかっている。数年間の環境変化でも必須級の採用ながら一切の規制なく君臨し続け、高速環境を抑制する必要悪としての存在背景をうかがわせる一枚でもある。ちなみになぜかニャンピーでニャンピーを打ち消せる。
焔にとっては始まりのカードであり、作劇的にも「強いカード」を超えて、焔が風花に贈った「友情の証」という意味合いも感じさせる重要な一枚。
- 冷徹の執行官 リフリエル・スプリング
- 地獄の狂犬 フルフェイス・ブラッドコフィン
原作者・文月いつかのデビュー読切『人界にて』からのカメオ出演である天使と悪魔。
原作での武闘派という設定通りフルフェイスは「召喚素材にしたユニットぶんだけ攻撃力上昇かつ全体攻撃可能」という強烈な効果を持つ。
- 究極暗黒神デス・ダークネス∞(インフィニティ)
圧巻の15コストかつ20000パワーを誇る大型通常ユニット。さらに攻撃時には敵ユニットを全破壊し、3回攻撃が可能という驚異的性能。……が、除去耐性が無く自身が場を離れただけでゲームに敗北するという重大な疾患を抱えている。そのためいわゆるカスレアであり、「アルバサの弱いカード筆頭」「究極残念神」「神の恥晒し」「殺意だけは一人前」など散々な言われようのクソカード。
モチーフはおそらく機皇神マシニクル∞3や絶望神アンチホープなど、「商品として現実のカードになる際に超絶弱体化した原作大ボスの切り札」の枠。きっとアニメ版や漫画版のアルケミックバーサスでは主人公を大いに苦しめたのだろう。
送り付けから場を離れさせて特殊勝利を狙うデッキを開発してくれる名医を募集中。
テーマ/種族
- 幻想輪廻(リインカネーシア)
墓地活用を得意とし、それらの中でも環境上位だというテーマ。(具体的な枚数は不明だが)途中まで集めていた焔が、風花のデッキ強化のために気前よく譲ったカード群。可愛らしい小動物系の獣人と、小学生男子にもウケの良さそうな飛竜や幻獣との両方が収録されている。
風花のエアリィを最大限に活躍させるために採用されたが、強いだけあって相応にお高い。第6話の勝負では風花が「輪廻召喚」という言葉を使っているが、これが墓地からの召喚を意味するのか単なる口上なのかは不明。
ちなみに、(12話時点で)まだ描写がないが、原作者曰く「幻想輪廻は正規召喚の場合は1ドロー1ディスの手札交換共通効果、さらに個別の固有墓地効果持ち」だという。環境級だけあって、テーマ単位でヤバいカードパワーである。
- 深海棲菓(アビスイーツ)
名前通りに(伝説の)海洋生物とお菓子がモチーフの水属性テーマ。
特徵はクイックスペルを発動する場合、手札から代替コストで場に出れる共通効果。
この特徵を活用するには、クイックスペル発動コスト分の「エナジーカウント」を残す必要があるため、自ターンの展開はかなり限られるが、手札に戻す「突風」や召喚・効果を打ち消す「詠唱破棄」といった妨害系クイックスペルとは相性抜群。そのため、相手ターンでの展開は得意。
TCGに限らず、「剣と魔法」を題材としているなら様々な作品で登場・活躍するお馴染みの種族。MTGでは赤を代表する種族の一角な事もあり、火属性を好んで使う焔もウィニーとバーンを混合したようなゴブリンデッキを持っている。「ゲームルールを覚えてもらうためのシンプルデッキ」として、マイクロビキニを賭けて風花と闘った。
ゴブリンと同じくお馴染みの種族で、MTGでは白を代表する種族のひとつ。主にひかりが使う天使デッキのカードとして登場。
用語で日常会話するのはやめよう!
- カードゲーマー
それは、公共の場で奇声を上げて騒ぎ、たかが遊びでムキになって不機嫌になり、図々しくてマナーを知らず、すぐ人を見下して煽る最低の生き物……である(第5話『大事なものを賭けよう!』より)。
ようするに焔のようなプレイヤーや、翻って現実のプレイヤーを戒める罵倒。
- 卓ゲーマー(テーブルゲーマー/ボードゲーマー)
カードゲーマーも広義の卓ゲーマーだが、なぜか自分のやるのものを神聖視してカードゲーマーを敵視する卓ゲーマーもいる。
その一部の人間は、面白いのは卓ゲーそのものなのに「デジタルゲーム主流のこの時代に卓ゲーの面白さをわかってる俺」も面白いと思い込んで滑ってる人……猿のようなカードゲーマーと大差ないの存在である(第9話『学校で遊ぼう!』より)。
……こちらも現実にも実際にいるので、カードゲーマーも他の卓ゲーマーも己を戒めよう。
「カードゲームもテーブルゲームも、遊ぶ相手とのコミュニケーションで成り立つ遊びなのに、コミュニケーションが苦手なタイプの人ばかりたくさん集まるから争いが絶えないんじゃ…」
- チーム・エレメンツ
風花・焔・早苗・みなもの4人で結成されたカードチーム。その名の通り四大元素が揃っていることから名付けられた。別名「♥AV女子会♥」。
モチーフはおそらくアニメ『遊戯王5D's』に登場する『チーム・サティスファクション』。担当編集は5D'sを観たことがないため、打ち合わせの際の意思疎通も一苦労。
余談になるが、原作の文月は『仮面ライダー剣』から作家として強い影響を受けていると語っており、同作の後期OP映像で主題歌『ELEMENTS』の歌い出しと共に「印象的に映される構図」のパロディも行っている。
- 佐久里台高校
風花達、チーム・エレメンツの通う宮城県の高校。いわゆるテーブルゲームと呼ばれる非電源系ゲームを嗜む「卓上遊戯部」が存在する。
ちなみにMTG用語で「サクリファイスする台座」、略して「サクり台」は「なんらかの必要コストとして場にあるものを生贄に捧げる効果」を持つカードといった意味合い。
- ゲームバランス
最初の数話で既に、まあまあヤバそうなカードが何枚か登場する。とはいえ元ネタである遊戯王OCGは「スタン落ちのないゲームが25年に渡って続いている」という環境。それに倣うならカードパワーがインフレしているのは当然なので気にするだけ無駄であろう。パワーカードが跳梁跋扈する環境なりに、そこにはプレイヤー達を魅了する「なにか」がきっとある。そこは現実でも作中でも変わらないのだ。
- ワンショット
本作の主な舞台となるカードショップ。営業時間は10:00~21:00。
店長のお姉さんが地見に巨乳なのが微アド(本作に登場する女子は大体が巨乳なので、爆乳の爆アドではない)。
店内に飾られている過去大会の優勝者写真からするとそこそこ歴史のある店舗であるようだ。
ちなみに、(店名の由来だと明言されているわけではないが)一撃で初期最大値(アルケミックバーサスなら10000)以上のダメージを与えて勝利する事を「ワンショットキル」と呼ぶ。
カードを傷み・汚れから保護するための、TCGユーザーにはお馴染みのやつ。本作においてスリーブはファッションに例えられ、スリーブを使わない事は全裸で街を歩くに等しいとされる。
- 風呂
体臭が酷いのに無自覚な人間はTCG界隈に限らず存在するものだが、相手と対面して事に及ばなければならないアナログゲームにおいてはより深刻な問題。本作でもその点はページ数を割いて描かれている。
自分が臭いと思われないためには、単に浴室でお湯を浴びるのでなく体臭の発生原因となる「喉元、首後ろ、両耳の後ろ、胸板の正中線上、両脇、股関節周り(配慮した表現)と下半身の谷間底(配慮した表現)」などをしっかりゴシゴシ洗おう! 洗え。
ちなみに、現実では「本人じゃなく服や鞄が臭いので風呂だけでも無駄」のパターンも多いが、本作はそこまで細かくは触れていない。
- 友達
多くの趣味にも共通するが、カードゲームで最も重要なもの。たぶんこの漫画の裏の主題。
まあ人生で一番、重要なのは金銭で友情はせいぜいその次だがな!
- チカラアバレ
多くの読者に「初めて聞く」として困惑をもたらした謎の言霊。厳密な定義は無く、「暴力あるいは暴力的と例えられる何らかの選択やその行使」を曖昧に意味している。たとえばドカ食いや爆買いなどである。TCGユーザーなら、「思い切って超高額レアカードを購入した」「ストレージ漁りの結果、お会計で思わぬ金額を請求された」といった場合に「チカラアバレした」と言えるだろう。対戦中にも使おうとする場合、ルール用語ではないので「ズラリと並べたユニットで総攻撃する」「ワンショットキルコンボを決める」といった際の宣言として、ロールプレイ的な使い道しかない。
ツイッター上を検索すると、2014年頃から使われていた形跡があるが、明確な由来は不明。対戦格闘ゲームにおいて「守勢寄りの状況下で、あえて強引な反撃に出る選択肢」を意味する「暴れ」が語源である可能性もあるが……。
TCGを遊ぶ時の焔は、常時(煽りまくる的な意味で)チカラアバレしている。読者諸兄はもっと知的な遊戯として、TCGに限らず対人戦を紳士的に楽しんでくれることを願いたい。
「カードゲームで最も大切なのはルールやマナーを守って決闘する事だ。当たり前だけどな……。強いくせにそれをできねぇ奴もいるが、お前らはそんなのになるんじゃねえぞ!」
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note:原作・文月による、『アルバサ』のルールと作劇上意図についての解説記事