概要
どんなTCGであっても対戦要素を持つゲームである以上は必ず「○○したプレイヤーが勝利(もしくは敗北)」というルールが定められており、これを達成するために攻防や駆け引きを繰り広げるのが普通である。しかし、一部のカードゲームには特定の条件を満たした場合、その時点で対象プレイヤーがそのゲームの勝者となる効果を持つカードが存在する。そしてこのような効果による勝利を主に「特殊勝利」と呼ぶ。
ちなみにほとんどの場合は効果を発動したプレイヤーに勝利をもたらすが、ゲームやカードによっては発動後に特定の条件が満たされた場合に「相手側の勝利が確定する」、または「自分側の敗北となる」効果を持つ(つまりは「特殊敗北」)ものも存在する。また、両プレイヤーを勝者とするという掟破りにも程があるカードもある。
基本的に普通の勝ち方ではないため、対象のカードを軽い気持ちでデッキに投入してそのまま勝利を狙いに行けるほど甘いものではない。そもそも達成させる気があるのか疑問に思うような極めて厳しい条件を持つカードも多々存在する。しかし、あえてそれで勝利を狙いに行くロマンは一部のプレイヤーの心を熱く滾らせる何かを秘める。また、それでの勝利を前提として徹底的に特化したデッキを構築した場合は非常に強力な存在と化す場合もある。
ところがあまりにお手軽且つ強力過ぎるとゲーム自体がそれを中心としたソリティアと化してしまい、ゲームシリーズそのものの魅力を全面的に潰し、プレイ環境を荒廃・崩壊させてしまう事態にも繋がりかねない。異様に厳しい条件が多いのは、そのような最悪の事態を防ぐためでもある。また、特殊勝利効果を持ってはいるが、その条件を満たすためのプレイングをするくらいなら、そのカードの持つ基本スペックを活かして普通に戦った方が手っ取り早く勝利を目指せるというカードもある。あくまで「この効果を利用した勝利も狙える」という一手段であり、それ以上の存在になってはならないのが特殊勝利カードの暗黙の了解である。
当然ながらTCGとしての歴史が古いもの、そしてカードプールが多いものほど特殊勝利関連のカードは多くなる傾向がある。MTGや遊戯王OCGではそれが顕著であり、特にMTGではジョークカードなども含めると相当な数になる。しかしその一方で、日本初のTCGにして業界全体でもかなり古い歴史を持つポケモンカードゲームにおいては未だに数えられる程度しか存在しないなど、ゲームのデザインなどによって大きく異なる。