「海馬、それは違うぜ!俺は希望を手にしたんだ!!」
神の四肢たるカード4枚を加え、5体を復活させし者、あらゆる敵を一瞬に葬り去る。
概要
封印されしエクゾディアとは、カードゲーム漫画遊戯王に登場するモンスターの一体。
「遊戯王」は、強いモンスターを多く出して相手のモンスターと戦わせ、倒していくことで相手に勝つのが基本ルールであるのだが、この「封印されしエクゾディア」は同じ「封印されし」5種類を手札に揃えて相手に見せれば問答無用で勝利できる特殊なカードである。
原作漫画の「遊戯王」でもゲームの方の「遊戯王OCG」でも特別な立ち位置にあり、同作の中では「ブラック・マジシャン」や「青眼の白龍」ともども知名度が高い。
カードテキスト
効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1000
このカードと「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」
「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」
が手札に全て揃った時、自分はデュエルに勝利する。
解説
特定のカードを揃えると勝利するという、特殊な勝利条件を持った初のモンスター。
その勝利条件とは「封印されし」と名の付くパーツ5種類、以下のカードを手札に揃えること。
勝利に必要なカード
「封印されしエクゾディア」(このカード自身)
その勝利条件から、ヘタにサポートカードを出すとゲームバランスが崩壊しかねないため
(と言うか東映版時代のカードダス版では実際に1ターンキル率9割越えデッキが作られた)、
上記の5枚のカードはOCGの初期から制限カードとして扱われている。
後に派生カードとして「エクゾディア・ネクロス」「究極封印神エクゾディオス」「召喚神エクゾディア」といった、上記のカードを利用する効果を持つカードが登場した。
テキストの効果説明はニ種類存在し、「手札に全て揃った時、」の後、PREMIUM PACK 1収録時が「勝利が決定する」、以降再録版では「デュエルに勝利する」となっている。普通にデュエルする上では全く問題の無い違いである……と言いたいところだが初収録版での「勝利」だけではマッチを指しているのかデュエルを指しているのか曖昧なためマッチ制の場合問題が生じてしまう。
原作・アニメ
原作及び東映版ではDEATH-T編・テレ東版では第1話において、武藤双六からエクゾディアの入った魂のデッキを託された遊戯(闇遊戯)が海馬相手に使用。
エクゾディアパーツを5枚揃えたことにより、最強の召喚神「エクゾディア」が降臨し、海馬の青眼の白龍3体を無限大の攻撃力で葬り去り、遊戯を勝利へと導いた。このように、この時点においては「攻撃力無限の合体モンスター」という扱いであった。
このデュエルで遊戯は(上記の通り託されたデッキを使っていた為か)途中までエクゾディアの存在に気づいておらず、四肢パーツを意味不明の不必要なカードとしか捉えていない。
そんな中で海馬の猛攻に耐えうるべく壁モンスターを並べまくっていたため、もし手札に他のモンスターがなかったりした場合、いくら意味不明とはいえモンスターである以上、手足のどれかを壁として召喚するしかなく、そうなれば敗北が確定していた。
エクゾディアパーツを揃えたのも運なら、封印されしエクゾディアが来るまで四肢パーツを出さずに済んだのも運という凄まじい綱渡りの運ゲーデュエルである。
壁が居なくても四肢パーツを場に出さなければいいじゃないかと思うかもしれないが、この時点の原作ルールではダイレクトアタックが存在せず、場にモンスターがいない場合ターン終了時に手札から何かしらのモンスターを壁として召喚する必要があるとされているため、そうなった際手札に四肢パーツしかなければその時点で詰みである。
その後は王国編のペガサス主催の決闘島へ向かう際の船で、インセクター羽蛾により「最強のカードであるエクゾディアを打ち破る唯一の攻略法」としてなんと5枚全てのカードを海に投げ捨てられてしまった。
捨てられたカードのうち左腕と右足は即座に海に飛び込んだ城之内によって回収されたが、残りの本体・右腕・左足は海の藻屑と化してしまった。(余談だが、このエピソードを反映してか『遊☆戯☆王の日』において開催されるコンセプトデュエルでは、海に消えてしまった上記3枚のカードは禁止カードに指定されており、エクゾディアそのものが実質禁止扱いとなっている。)
故に、遊戯が作中でエクゾディアを揃えて勝利を果たしたのは、上記の海馬戦の1回のみである。
あちらの世界では「パーツ含めて普通の方法では絶対に入手できないレアカード」という扱いであった為、失ったパーツを補填することも出来なかったと推測できる(メタ的な理由としては、遊戯王がゲーム全体の話からカードゲーム主体の話に移行する上で、「一回限りの予定だったカードゲーム展開で『逆転のカード』として登場させる」のならまだしも、「主人公のエースモンスターないし切り札が『特殊勝利モンスター』である」という状態のままカードゲームの話を継続させるのは、展開として困難であると判断された故だと思われる)。
後のバトルシティ編にはレアハンターが、複製したエクゾディアを使って遊戯や城之内と戦った。
エクゾディアの存在を見破れなかった城之内に勝利し、真紅眼の黒竜のカードを奪う。
遊戯戦では戦術を見破られて敗北。真紅眼の黒龍を遊戯に取り返され、マリクからは「奴はグールズの中でも最弱の男」と言われた。
決闘終了時に遊戯が「貴様にはエクゾディアを手札に揃えるしか勝つ手段が無い」と言及しており、最弱の理由は勝つ為の方法がワンパターンなため(実際、エクゾディアパーツ以外は天使の施しのような手札交換カードと相手モンスターの攻撃を防ぐ壁モンスターや光の護封剣のような防御カードしか確認できない)それを気付かれてしまえば対策を取られやすい事である。
また、アニメ版遊戯王DMでは複製したエクゾディアのカードは遊戯によって破り捨てられる描写が加わっている。(この追加シーンについては違和感を持つ人もいるが、「偽物のカードには魂が宿っていない」という闇遊戯本人の考えに基づいた故の行動であろう。)
他にもアニメオリジナルエピソードである乃亜編においては、海馬剛三郎が息子である海馬瀬人相手に関連カードであるエクゾディア・ネクロス等を含めて使用している。これは、瀬人が上記の遊戯との戦いでエクゾディアに敗れた事から由来するものである。
これ以降DMにおいてはカードとしてのエクゾディアが登場することはなかったが、記憶編においては双六にそっくりな神官である、シモンの精霊(カー)として「守護神エクゾディア」が登場している。
DMの続編である遊戯王GXでは3年目において、加納マルタンに憑依したユベルがアモン・ガラム相手に使用。その後、このデュエルに影響されたアモンも異世界におけるエクゾディアの封印を解いた事でパーツ一式を手に入れており、デッキ構成もエクゾディアパーツ関連のカードを揃えたものに切り替わっている。
しかし、アモンは上記のレアハンターと違ってエクゾディアによる勝利が狙えなくなっても立て直せるように他の勝ち筋もいくつか組み込んでおり、本人の用意周到さとデュエルタクティクスの高さがうかがえる描写と言えるであろう。この点に関しては、対戦相手であるあのユベルすらからも賞賛されている。
pixivにおいて
エクゾディア本人のほか、
「5つの枠にそれぞれ右手、右足、左手、左足、頭が別々に配置されている」という他に類を見ない構図を真似たイラスト、
または同じように手足と胴体がバラバラに配置されている人型キャラクターのイラストにこのタグがつけられることがある。
他のカードゲームでは
本カードのインパクトや知名度はTCG界でも相当なものであった。
のちに他のカードゲームでも、特定の条件で手札に揃えば勝利が確定するカードについては
エクゾディア、またはエクゾ○○や○○ディアなどと呼ばれる場合がある。
単なる効果による「特殊勝利」を表すと言うよりかは、
手札に特定の数枚(5枚)を揃えるタイプの特殊勝利に限り、エクゾと比喩されやすい
(そもそも単に特殊勝利カードというなら元祖TCGである『マジック・ザ・ギャザリング』に「合同勝利」「機知の戦い」等が存在していた)。
転じて、コンボパーツ数枚が手札に揃った時点でほぼ勝利が確定する
いわゆるコンボデッキについても「エクゾXXX」というデッキタイプで呼ばれる事がある。
手札に揃えば勝ちは確定するが、それに特化したドローカードや壁カードを多用し
専門的なデッキを組むゲームが多い。
MTG、ハースストーンなどリアル・デジタル共に使われる単語である。
要は遊戯王だけでなく、カードゲーム全体の象徴としての単語にまで一般化している。
誤表記
本サイトでも誤表記「エグゾディア」に対しての誘導ページが有るように、正しい表記は「封印されしエクゾディア」である。しばしば呼び間違い書き間違いがされるが、濁点が付くのは誤りである。だからそれが放つ攻撃の名も「怒りの業火 エクゾード・フレイム」であり、「''」は無いのである。
……はずだったが、原作漫画の後半である記憶編では、前述のシモンが扱う召喚神エクゾディアが「魔神火焔砲!!(エグゾード・ブレイズ)」や「魔神火炎砲(エグゾード・フレイム)」なる攻撃を披露している。
記憶編を連載中の高橋和希氏は構想を変更せざるを得ない程に体調を悪くしていた為、多大なる混乱があったことは大いに予想できるのだが、その影響なのだろうか…(或いは、カード時と精霊時での差別化の為に、意図的に技名を変更させた可能性もある)。
後にOCG版でも2015年に発売された「MILLENNIUM BOX GOLD EDITION(ミレニアムボックス ゴールドエディション)」には上記の「エグゾード・フレイム」を元ネタにした永続罠カード「魔神火炎砲」が収録された。
技名のマイナーさや上記のような事情があまり周知されていなかった故か、(この記事における過去の記載のように)「制作側が技名を把握してない」と誤解されるようなことも多かった。
関連イラスト
ご本人
パロディのほう
余談
名前の由来はおそらく旧約聖書の「出エジプト記」の英語名である「Exodus(エクソダス)」。
モチーフはおそらくエジプト神話でオシリス神がセト神にバラバラにされた後、それをイシス神やホルス神が探しに行く話(なお全てのパーツが揃わなかったため、冥界に留まることになった模様)。
関連項目
激流葬:右足と左足のあいだに配置するネタが有名。
封印されし奇跡:封印されしエクゾディア及びエクゾディアのテーマBGM