光の護封剣
ひかりのごふうけん
遊戯王OCG最古参の魔法カードの一つであり、魔法カードとしては初めてウルトラレアで収録されたカード。原作マンガでは闇遊戯が守りの要として度々使用し、そのピンチを救い、逆転の布石へ繋げていた。その他にもアニメ版、漫画版共に比較的登場の機会に恵まれている。偶然なのか、漫画版では主人公サイドで、アニメ版では敵サイドで活躍するケースが多い。
十字架のように神々しく輝く光の剣で敵モンスターの攻撃を封じ込める。名前もイラストもしっかり「剣」ではあるが、攻撃的な効果はない(しかし、外伝的なゲーム作品では稀に攻撃目的で使用される場合がある)。強いて言えば発動時に相手の裏側守備表示モンスターを全て暴き出す効果が「闇を切り裂く」と表現される。ちなみに遊戯王DMにてこのカードが初登場した回のサブタイトルは『闇を切り裂け!光の護封剣』。
アニメなどでは相手モンスターの周囲を取り囲むように無数の光の剣が展開される演出が取られる場合が多いが、一部では光の剣で映像化されたモンスターの身体やカードを刺し貫き、地面や空間に磔にするというなかなかエグイ表現がされる場合もある。
通常魔法
このカードは発動後、フィールドに残り続け、
相手ターンで数えて3ターン後の相手エンドフェイズに破壊される。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、
そのモンスターを全て表側表示にする。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
相手モンスターは攻撃宣言できない。
特徴的なのは、通常魔法でありながら発動後も一定ターンフィールド上に残り続けること。制限時間である3ターンを経過すると自壊して効果を失う。自壊する前に除去されてしまうとその時点で効力を失ってしまうため、性質は永続魔法に近い。このような形で処理されるようになっているのは、このカードが登場した頃はまだ遊戯王OCGにおいて「永続魔法」の概念とルールが明確に確立されていなかったためである(ちなみにこのカードからだいぶ遅れて登場した闇の護封剣と炎の護封剣は正式に永続魔法、光の護封霊剣は永続罠である)。性質は永続魔法よりでも分類はあくまで通常魔法なので、降雷皇ハモンやバッド・エンド・クイーン・ドラゴンの召喚条件には合致しない。なお、発動中に何らかの手段で手札に戻せば、再度発動させ、また3ターン相手の攻撃を防ぐことができる。
相手の攻撃を一方的に妨害できる(悪夢の鉄檻などとは違い、こちらからは攻撃を仕掛けられる)点は長らく高く評価され、制限カードの一つに指定されていた時期もあった。しかし、フィールド上に残る魔法カードを除去する効果を持つカードは時代が進むにつれてどんどん数を増し、現在ではこのカードを使っても、下手をすれば次の相手のターンを待たずして除去されて全く防御できない、という光景も珍しくなくなってしまった。それにより次第に採用率も落ち込み、現在では無制限にまで緩和されたにもかかわらず見かけることは少なくなった。とは言え、どんなデッキにでも投入できる汎用性は健在であり、意外なところで攻撃を妨害されるといったことがないわけではない。また、このカード1枚を除去するためだけに果たして今手札やフィールドのカードを消費すべきか、という心理的な圧力を掛ける意味はある。時代遅れと言われれば確かに否定しきれない点もあるが、それでも無警戒でも問題ないようなカードとも言い切れない。長年の愛着から使い続けるデュエリストも決して少なくはない、独特な「重み」のあるカードである。
初期はテキストに「発動後フィールド上に残り続ける」表記が無く、発動後は普通に墓地に送るが効果だけは残存する仕様だった。もし現在でも当時のテキストのままだったなら、相手はこのカードの発動を許すとどう足掻いても絶対に3ターンは攻撃できない効果として扱われ、単独で使える防御系の魔法カードとしてはトップクラスの非常に強力な効果と言えた。ただその場合、現在のようにフィールド上から回収して再利用するコンボはできなかった。もし最初期の効果テキストのままだったなら、このカードの使い方もリミットレギュレーションも現在とは違っていただろう。
一部のゲーム版ではこの効果が採用されていたのだが、上記の様に護封剣の対処ができないためCPUによる大幅な遅延や理不尽な逆転劇にイライラした人も少なからずいる。