曖昧さ回避
概要
工作機械の一つ。正式な綴りは「Bucket Wheel Excavator」だが、長いので「BWE」と略されることもある。
その名の通りバケットホイール (ホイールに土をすくうためのバケツをたくさん取り付けたもの。要領としては水車に近い) を用いて土を掘る機械なのだが……
問題はそのサイズである。ドイツのTenova TAKRAFが製造した最大機種のBagger 293の場合、
全長225m、高さ96m、総重量14200t
…と、人が乗る乗り物全体で見てもなかなかの規格外の大きさである。乗り物どころか採掘施設と言っていいほどの巨大さである。
しかもBWEのウリは、この大きさにして自走走行が可能な事である。世界最大の自走機械としてギネス世界記録にも登録されている。12本のキャタピラにより鉱山を移動しながら採掘を行うという効率の良さがBWEが製造される理由でもある。
(ただし、動力のみは外部から接続する方式であり、動力も内蔵している物の中での最大は、スペースシャトルを上に載せる輸送機のクローラー・トランスポーターである。クローラー・トランスポーター自体も、BWEが記録を抜くまでの短い期間の間は世界最大の自走機械であった。)
分かりやすく言うならば、キャタピラとクレーンを備えて動き回れるようになった動く鉄橋。
あまりの大きさ故に、油断していると足元をうろうろしているショベルカーやブルドーザーを「うっかり」すくいあげてしまう事がある、と言えば、そのスケールの大きさが伝わるだろうか。
あまりに大きすぎて目視やバックミラー程度では全体を管理しきれない為、その運用には5人の操縦士を必要とし、さらに彼らのためにトイレなどの生活設備まで備え付けてある。
とにかく大量の土を掘ることを目的に設計されており、細かな動作や鉱物の採掘等は不得手。そのため、必ず細かい作業 (粉砕、鉱石の選別など) を行える車両・機材と共に行動する。1つにつき6.6tの土を採掘する事が可能なバケットを18個搭載したホイールが3つあり、1日当たり24万tの土を掘る事が可能である。1台で東京ドームの全容積を埋めるのに僅か5日ちょっとしか要しない。
動力は電気で、消費電力は (数値が公開されている、Bagger 293より一回り小さいBagger 288の数値で) 16560kW。初代ガンダムの出力が1380kWなので、ガンダムの12倍ものパワーがあることになる。通常の3倍とか5倍以上のエネルギーゲインどころではない。
なお、繰り返すがコイツは自走式である。これだけデカいのに自分で動けるのである。最高速度は時速600メートルと鈍重であるが、その巨大さを考えれば意外と俊敏…なのかもしれない。
Bagger 288が2001年に22km離れた別の鉱山への "引っ越し" があった際にもBWEは自走したが、この移動には3週間かかり、70人の作業員と1500万マルク (16億円) の費用を要している。
バケットホイールエクスカベーターが登場する作品
創作で使うのなら,地底戦車よろしく,必ずしも排土を考える必要はない。
輪入道が火属性なことが,連想を断ち切ったのである。
- ミドリSFシリーズ 宇宙戦車アトラス:昭和42年11月~昭和83年10月。:まさに理想型Wheel-Bagger。 錯覚ではなく箱側面の絵で,正確に山を削るパワーを解説している。 …既成観念さえなければ,掘削に竹の子より歯車を選べていたとは、驚愕の一言であった。 昭和57年秋からは,いつもアッグが居たことも,大きなポイントだ。
- 国際宇宙軍 デストロイヤー:昭和42年12月。…なんだこりゃ。 タンク工作基本セットから複製できるじゃないか!!
- シンセイ ミニパワー:昭和55年~1980年代内。日立 BH500が玩具化。
- ケムリクサ:キービジュアルに描かれていたり、OP映像にシルエットとして登場したりする。
- 遊戯王OCG:建設用重機をモチーフとしたカテゴリー『無限起動』の一体。
- 遊戯王ラッシュデュエル:上と同じく重機モチーフ『幻刃竜』モンスターのエースモンスターのモチーフ。
- トランスフォーマーマイクロン伝説:ArmadaBuzzsawのモチーフに採用。優秀。
- トランスフォーマーギャラクシーフォース:メガロコンボイのモチーフに採用。LEGACY版で,ようやく働きやすく。
- トミカヒーローレスキューフォース:レスキュードリルにそれらしい機能があった。
- スプラトゥーン:ステージ「ショッツル鉱山」の背景に登場。
- NieR:Automata:バケットホイールエクスカベーターがモチーフの敵キャラクターが登場。
- A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-:サイコガンダムMk-Ⅱがバケットホイールを装備した作業用モビルスーツに改造されている。