対抗呪文
たいこうじゅもん
マナ・コスト | (青)(青) |
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カード・タイプ | インスタント |
能力 | 呪文1つを対象とし、それを打ち消す。 |
MTG初期から存在するカードで、相手が使用したカードの効果を無効化し墓地(捨て札置き場)に送ってしまう、『守り』のカードの代表格にして打ち消し呪文の始祖。
これさえあれば超特大クリーチャーの登場もプレイヤーを焼き尽くす大ダメージの炎も相手の総攻撃を支える心強い援軍もあなたのクリーチャーを全滅させるような厄病もたった1枚のカードと2点の青マナで『無かった事に』出来るという抜群の安心感を使用者に与え、逆に使われる側はこの対抗呪文に決定打を打ち消されないように立ち回らなければならないというプレッシャーに苛まれる。
この『打ち消し』という効果は青の基本的な呪文のひとつとされ、シリーズが進むにつれ様々な亜種が作られている。
過去、漫画『デュエル・マスターズ』がMTGを題材とした作品だった頃にも登場し、子供たちにその強さを知らしめていた。
弱点としてはこの呪文を採用するにあたっては青マナ×2と青のカードを多めに組まなければいけなくなる事、すでに戦場に出てしまったクリーチャーなどには対処できない事、あくまで『守り』のカードのためこれ単体ではゲームに勝てない事がある。ただし後者は他の色の対クリーチャー用カードを一緒にデッキに組み込んだり、打ち消し等々を絡めて試合の流れをコントロールし状況が整ったら制圧力を兼ね備えたフィニッシャーで勝ちに行ったりとプレイヤーの技量で補うことはできる。
『相手のやりたい事を魔法で妨害する』という性質から、この呪文のフレーバー・テキスト(ゲームに影響を与えない雰囲気付け用テキスト)にはやたら皮肉めいたセリフが書かれていることが多い。
で、それだけ?
1993年のMTG販売から10年間青のデッキを支えてきた(青以外のデッキを苦しめてきた)対抗呪文だが、基本セット第8版(2003年7月版)には採用されずスタンダード(その時点での最新シリーズとその1年前の拡張パックシリーズのみ使用可能なルール)で使用できなくなってしまった。
つまり古いカードが使えるトーナメント以外では対抗呪文が撃てない/撃たれないことを意味し、その報を聞き悲しみに包まれた青使いと狂喜乱舞した青以外の使い手が続出した。
また、その後1マナ重くなった下位互換『取り消し』や、
占術1(ライブラリートップを見て望むならそれを一番下におく)がついた『解消』、
覚醒3(マナを多く払うと土地一つを3/3のクリーチャー化できる)がついた『風への散乱』等、
「調整版の対抗呪文」となるカードが出たため『対抗呪文』のスタンダード復活はもう無いと見做されている。
なお、『取り消し』『解消』『風への散乱』のマナ・コストは3であり、
開発側が想定する万能打ち消し呪文の適正マナ・コストは大体2.5マナであろうことがうかがえる。
更に時代の進んだ現代では上記以外にも多種多様な打ち消し呪文が存在するようになり、デッキ内に大量の打ち消しを積んで妨害特化戦術をとる事も可能になった。(墓地利用・墓地回収を含まなければ)4回まで打ち消しに耐えればよかった現役時代よりも対戦相手側の不愉快度は上がっていると考える事もできる。
2021年発売の特集セット、モダンホライゾン2にてまさかの再録。ただし特殊セット故にスタンダードでは使用不可。しかしモダンホライゾン2のカードはモダン(ミラディン・ブロック以降の通常セットのカードは使用可能)でも使っていいという特別措置が取られており、なおかつこれまでこのルールの範囲には対抗呪文がこれまで収録されたことはなかったので、このモダンでも2マナの万能打ち消しに怯えるのかと驚いたプレイヤーも少なくはない。