- マジック・ザ・ギャザリングの背景ストーリーの舞台である多元宇宙に存在する次元の一つ。
- 『ミラディン』、『ダークスティール』、『フィフス・ドーン』の3つのセットからなるエキスパンションブロック。
『ミラディン』次元の概要
元は数学的調和と完全性に支配された、銀一色の完璧な世界であったアージェンタムと呼ばれる人工次元。カーンに管理を任されたメムナークが暴走し「ミラディン」という名を与え、生命を創造しこれを改造する。
空には5色の太陽が輝き、刃や針のような金属植物の平原である"剃刀ヶ原"、きらめく水銀を湛えた大海原である"水銀海"、アンデッドの住む金属の毒霧に満ちた沼地の"メフィドロス"、溶鉄のマグマが吹き出す無骨な山脈の"オキシダ連峰"、ねじれた金属樹のツタが生い茂る森林の"絡み森"などといった地形から構成される全て金属で形作られた金属次元。
メムナークが独断で他次元から多くの生物を集めた結果、人間・レオニン(猫)・エルフといった多数の種族が存在し、中には “マイア”といった金属生物も存在する。
しかし人工次元ゆえに、不自然性による欠陥や、外部の干渉に脆い面があり上記の油の感染により、現在は新ファイレクシアの拠点となっている。
ミラディン・ブロックの概要
エキスパンション:『ミラディン』『ダークスティール』『フィフス・ドーン』の3つのセットから構成されるブロック。
新枠初となるエキスパンションである。
第1セットのミラディンは日本では2003年10月3日に発売された。
テーマはアーティファクト。今までと比べて遥かに多くのアーティファクトが登場した。
全体的に重くて効果の高いカードが多い。また、型破りなアーティファクトも多く、場に出ていれば敗北しなくなる『白金の天使』や相手プレーヤーのコントロールを奪う『精神隷属器』には多くのプレイヤーが自分の目を疑ったことだろう。
また、アーティファクト・タイプの1つである装備品が登場したのもこのエキスパンション。これは装備コストを払うとクリーチャー1体に装着させることができるアーティファクトカード。エンチャントとよく似ているが、こちらは装備しているクリーチャーが死亡しても装備品は場に残る為、使い手を新たに出せば、再度使用可能となる。
余談ではあるがミラディン・ブロックはゲームプレー中心のプレイヤー達から悪い意味で有名。
ミラディンの傷跡・ブロック
『ミラディンの傷跡』『ミラディン包囲戦』『新たなるファイレクシア』の3つのセットからなるブロック。
第1セットのミラディンの傷跡は日本では2010年10月1日発売。
金属次元ミラディンのその後を描き、ファイレクシアの侵略とそれに抵抗するミラディンの人々のドラマが繰り広げられる。
テーマは「アーティファクト」「二つの勢力の対立」。
ミラディンの再訪として、ミラディン・ブロックから再録・リメイクされたアーティファクトや関連カードが数多く収録されている。また、二つの勢力、ミラディン陣営とファイレクシア陣営にはそれぞれ専用のキーワード能力やメカニズムが用意されている他、対になっているようなデザインのカードもある。
二つの勢力の対立はカード・デザインだけに留まらない。このブロックでは基本土地とプレインズウォーカーを除く全てのカードの文章欄に透かし状の陣営マーク(ミラディン陣営かファイレクシア陣営)が入っており、どちらの勢力に属するカードなのかが一目でわかるようになっている。
当時、第3エキスパンションでは『清純なるミラディン』『新たなるファイレクシア』 の二つが同時告知され、背景ストーリー上で勝利した陣営のエキスパンションが販売されると告知され、ぎりぎりまで背景ストーリーの展開を予測させないといった企画が盛り込まれた。
これまた余談ではあるがミラディンの傷跡ブロックもゲームプレー中心のプレイヤー達から悪い意味で有名。
前ブロックにいた石鍛冶の神秘家がこのブロックのテーマであるアーティファクトの一つ、装備品とシナジーがある。
……のはいいのだが、このブロックで登場した装備品が強力すぎたせいでスタンダード環境で禁止カード指定を受けてしまったのである。
また、ライフと引き換えにコストを軽減できるファイレクシア・マナやタフネス5以下のクリーチャーの人権を奪い去った「四肢切断」などそれ以外にも強力カードが目白押しだった。
後に同じくアーティファクトをテーマとしたカラデシュ・ブロックでもスタンダード環境で禁止カードを4枚、カラデシュ・ブロック初出のカードだけでも2枚(両方ともアーティファクト)も排出してしまった辺り、「アーティファクトをテーマにしたカードセット」はゲームバランス的に鬼門となってしまうようである。
関連ページ
オンスロート・ブロック → ミラディン・ブロック → 神河ブロック
ゼンディカー・ブロック → ミラディンの傷跡ブロック → イニストラード・ブロック