ラヴニカ
らゔにか
- 同ゲームの背景ストーリーに登場する次元の一つでありラヴニカ・ブロックおよびラヴニカへの回帰ブロック、ラヴニカ三部作の舞台
- マジック・ザ・ギャザリングのエキスパンションのブロックの一つであり、ラヴニカ:ギルドの都(2005年10月7日発売)、ギルドパクト(2006年2月3日発売)、ディセンション(2006年5月5日)の3つのセットからなるブロック
高度に発達した都市によって埋め尽くされた世界。次元の端まで広がり一つの街で世界が構成されている。
そのため他の次元以上に多種多様な人種が生活しておりその種類は人間、エルフ、ゴブリン、ミノタウルス、ケンタウルス、天使、デーモン、ロクソドン(象の亜人)等々・・・
と数え切れないほどである。
海が無いのでさすがにマーフォークはいない・・・と思われていた。
が、辺境にゾノットと呼ばれる事になる幾つかの陥没口が開き、そこにはかつて都市に覆われてしまった古代の海が姿を現し、マーフォーク達が進出するといった事例がおこっており種族の多彩さは数ある次元の中でも随一である。
十のギルド
ラヴニカを動かすのは国家でなく10組のギルドである。
長らく戦争状態だったのだが
ギルド間不戦協定魔法・ギルドパクトが結ばれ(表面上は)表立った争いは行われていない。が、実際のところ各ギルド同士仲はよくない。
かといって仲が悪いばかりではなく、共同研究や共同戦線などの協力関係を築くこともあり、持ちつ持たれつの様な関係性でもある。
先鋭的な思想を持つギルド達だが、一方でそれぞれ社会的役割を担っており、様々な形で一
般市民の生活にかかせない恩恵をもたらしている。
- 主なギルド
ギルド名 | ゲーム上の色 | 説明 |
---|---|---|
セレズニア議事会 | 白緑 | 共同体であることを何よりも重視するギルド。主にラヴニカの緑化と自然保持を担当。イマーラ・タンドリスの所属するギルドでもある。 |
イゼット団 | 青赤 | 天才ドラゴンニヴ=ミゼット率いる爆発ともなう危険な実験を行う魔法実験集団。一応、下水給湯等々のインフラ担当。プレインズウォーカーであるラル・ザレックの所属するギルドでもある。 |
ゴルガリ団 | 黒緑 | 『死』から『新たな生』を生み出すという思想を持ち疫病・屍術を操る。その一方でゴミ漁りから死体処理、困窮に苦しむ人々へ食料供給も行う。また、下剋上でトップの座を得た、プレインズウォーカーのヴラスカが所属しているギルドでもある。ゲーム的にはアイツやコイツなど新旧ラヴニカ共にモダン禁止カードを輩出してしまったモダンの問題児としても有名。 |
ラクドス教団 | 黒赤 | デーモンが組織した教団という名の残虐パリピ軍団。殺戮遊戯・血と爆発・狂乱といったやりたいことをやりたいようにやるギルド。表向きは製鉄などの鉄鋼産業を担当。最近はナイトクラブ・サーカスなどの歓楽興業も。 |
アゾリウス評議会 | 白青 | 盲目的に彼らの正義を貫き、変化を許容せず現状を維持する法を司るギルド。表向きの政府。具体的には司法省や内閣府、国会の機能を担うギルドといったところ。 |
ディミーア家 | 青黒 | 「存在しないギルド」だと認識されていたが存在するギルド。表向きには情報屋やマスコミなどの仮の姿を持つが、実態は工作員の派遣、スパイによる情報操作を行う諜報機関。陰に隠れてラヴニカの完全支配を狙っている。 |
ボロス軍 | 白赤 | 法の執行者で治安維持・犯罪駆逐を行う。軍と警察を一緒くたにした、我々の世界におけるイタリアのカラビニエリに近い組織。法に厚い信頼をよせている分、法に従わない→ボロスの敵といった危うい面も。 |
シミック連合 | 青緑 | 元々は自然の保護と再生を目的としたギルド。だが、次第に自然に人工的な改良を加える事で、「進化」の意図的な誘導を行うマッドサイエンティストの集団となっていった。そのため、自然淘汰も含めた進化や成長を支持するセレズニアとはあまり仲が良くない。 |
グルール一族 | 赤緑 | 弱肉強食モットーの反文明的視点を維持する複数の部族から形成された連合。社会的役割は無いが、時には都市世界に馴染めない者達の受け皿にも。世間的には解体屋として利用されていることが多い。また、プレインズウォーカーであるドムリ・ラーデの所属するギルドでもある。 |
オルゾフ組 | 白黒 | 表向きは宗教組織。本当の顔はビジネスを裏から操る高利貸し、負債を抱えたまま死ぬと、死後も返済のためにアンデッドとして隷属させられ取り立てられる羽目に。…どこかの超ブラック金融機関よりも悪質に思える。 |
(『プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内 その1』、
『プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内 その2』、
『プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内 その3』、
『プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その1』、
『プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その2』、
『ラヴニカハイスクール』)(外部リンク参照)
魔法的協定ギルドパクトが無くなったラヴニカへの回帰ブロック時代、
ギルド間の緊張がついに破れて武力による抗争となった時、ニヴ=ミゼットの呼びかけでアゾリウス評議会創始者アゾール一世が残した暗黒の迷路で代表者による迷路競争の開催。
その結果、この人がギルドパクトの体現者となり全面戦争は回避された。
「多色」がテーマのエキスパンション。他と同じ方向性にならないように、「3色や5色ではなく2色が中心の環境」、「色ごとではなく2色の組み合わせによる役割分担」、「友好色と対抗色が同格の扱い」などの工夫がされている。
また、混成マナ・シンボルを持つ混成カードが
このマナ・シンボルがコストにある場合、それを構成する2つのマナ・シンボルのどちらとして支払ってもよい。例えば、白マナと青マナの混成である(白/青)は、白マナ1点か青マナ1点で支払える。
また、特殊地形ショックランドの登場は多くのプレーヤーに衝撃を与えた。
戦場に出るとき2点のライフを支払わなければタップ状態で戦場に出る、というペナルティをもつものの、複数種類のマナを出せ、さらに基本土地タイプを併せ持つという応用の利くカード。 (ある意味、調整版デュアルランドというべき存在)
2色の組み合わせ計10組に対してそれぞれギルドが設定されており、ストーリーやカード名にもそれが反映されている。その全てが全部のセットに出てくるのではなく、
- 第1セット:ラヴニカ:ギルドの都
- セレズニア議事会(緑白)
- ゴルガリ団(黒緑)
- ボロス軍(赤白)
- オルゾフ組(青黒)
- 第2セット:ギルドパクト
- グルール一族(赤緑)
- イゼット団(青赤)
- オルゾフ組(白黒)
- 第3セット:ディセンション
- アゾリウス評議会(白青)
- ラクドス教団(黒赤)
- シミック連合(緑青)
が取り上げられている。そのため、多色カードなどは各エキスパンションごとに、特定の組み合わせしか登場しない。
華やかで文明的な世界観とギルドごとに多種多様な戦い方が出来る絶妙なゲームバランスから非常に人気が高い。
続編セットが2度も作られたことがその証左だろう。
余談だが、
このエキスパンション以降、色の2色の組み合わせの略称として
10ギルドの名称が定着することになる。
例
赤緑 → グルールカラー
ラヴニカ・ブロックから7年後、再びラヴニカ次元を舞台としたエキスパンションが発売された。
ブロック全体のテーマとしては、ラヴニカ・ブロックと同じく多色、特に「2色」。混成カードや、各ギルドがそれぞれ個別のメカニズムを有する点も共通している。
今回も分割して登場するのだが10のギルドの配分がエキスパンションごとに4:3:3であったラヴニカ・ブロックと違い、今回は2つの大型セットにそれぞれ5つのギルドを振り分け、最終セットでは全ギルドのカードを収録するという形を取っている。具体的には以下の通り。
- 第1セット:ラヴニカへの回帰
- アゾリウス評議会(白青)
- イゼット団(青赤)
- ラクドス教団(黒赤)
- ゴルガリ団(黒緑)
- セレズニア議事会(緑白)
- 第2セット:ギルド門侵犯
- オルゾフ組(白黒)
- ディミーア家(青黒)
- グルール一族(赤緑)
- ボロス軍(赤白)
- シミック連合(緑青)
- 第3セット:ドラゴンの迷路
- 全てのギルド
特殊地形はタップ状態で戦場に出るという制約付きの門。
第3セット:ドラゴンの迷路では10種全ての門を揃えている勝利できるという厳しい勝利条件カード迷路の終わり。
そして応用が利き多くの多色デッキを支えたショックランドの新イラスト再録。
などが存在する。
3度目となるラヴニカを舞台としたカードセット。
ゲートウォッチとラヴニカを狙うニコル・ボーラスとの最終決戦が描かれる。
3セット構成となり、1セット目がラヴニカのギルド、2セット目がラヴニカの献身、最終セットが灯争大戦となる。
また、ブロック制が廃止されたため、便宜的に俗称として「ラヴニカ3期」などと呼ばれたりすることがある。
前回までと同じく今回も多色がテーマで、各ギルド固有のメカニズムや分割カードなども登場している。
今回は第1、第2セットでそれぞれ5つのギルドが網羅されており、指導者としてプレインズウォーカーが所属するギルドがボーラスの手に落ちている、というデザインとなっている。
- 第1セット:ラヴニカのギルド
※がボーラス側ギルド
- セレズニア議事会(緑白)
- ゴルガリ団(黒緑)※
- ボロス軍(赤白)
- ディミーア家(青黒)
- イゼット団(青赤)※
- 第2セット:ラヴニカの献身
- グルール一族(赤緑)※
- オルゾフ組(白黒)※
- アゾリウス評議会(白青)※
- ラクドス教団(黒赤)
- シミック連合(緑青)
特殊地形はラヴニカへの回帰ブロックに引き続き、ショックランドと門。
それぞれ新規イラストでの再録となっている。
灯争大戦では前の2セットから一転、プレインズウォーカーがテーマとなり、1パックに1枚確定でプレインズウォーカー・カードが封入される。これまで登場してこなかったレア・アンコモンのプレインズウォーカーが登場するほか、有色アーティファクトとカラデシュ・ブロック、ドミナリアでも登場した機体・アーティファクトが再登場する。
また、ラヴニカの全てのギルドが一致団結して、助力するプレインズウォーカーと共に侵略するニコル・ボーラスを打倒するストーリーとなっており、多色カードであってもギルドエムブレムの透かしが入っていない。
一番注目すべきは、日本語版のみで日本人絵師が手がけた絵違いのプレインズウォーカー・カードが存在している(現状には日本語版パックのみで封入されているが、日本語版パック自体は海外から注文でき、今後のイベントパックも全世界に配布された事が明言される)。
担当絵師は五十音順で以下の通り(Pixivに登録している場合はユーザーページへリンク)
天野喜孝、井塚大介、開田裕治、風間雷太、黒葉.K、山宗、獅子猿
篠丸峰山、鈴木康士、タカヤマトシアキ、田島幸枝、タダ、ナブランジャ
萩谷薫、ひと和、藤ちょこ、前河悠一、増田幹生、MID、緑川美帆
碧風羽、三好載克、村山竜大、百瀬寿、森下直親、山本章史、lack、Ryota-H
その中、目玉カードは天野喜孝氏がけた戦慄衆の将軍、リリアナ(イラストの一部自体は、既に数週前のエイプリルフールから既出)、日本語版パックから絵違いのプレインズウォーカー・カードの封入確率は「2パックに1枚」という高確率にもかかわらず、このカードの稀少度は最高レベルである神話レアである上日本・海外とも高い需要があるから通常カードに初動1万円前後、更に稀少であるFoil版は軽い5万円超という、近年MTGカードとしては異例な高値段である。そのためか、日本語版パックが一部プレイヤーから「リリアナガチャ」とも言える事もある。
パイオニア(西暦2019年10月21日に制定が発表された新フォーマット。『ラヴニカへの回帰』以降のかつてのスタンダードで用いることのできたカードセット及び現在のスタンダードで用いることのできるカードセットを用いることのできるローテーションのないフォーマットとして創設される)
神河ブロック → ラヴニカ・ブロック → 時のらせんブロック
イニストラード・ブロック → ラヴニカへの回帰ブロック → テーロス・ブロック
ドミナリア → ラヴニカのギルド → ラヴニカの献身 → 灯争大戦 →エルドレインの王権
- 『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおけるラヴニカ次元の紹介ページ
- 「プレイバック・ラヴニカ その1」(『ラヴニカ・ブロック』背景ストーリー小説~『ラヴニカへの回帰ブロック』背景ストーリー開始前のラヴニカを舞台とした背景ストーリーについての公式解説記事)
非公式リンク
背景世界/読み物/ラヴニカへの回帰ブロック(ラヴニカの背景ストーリー小説、及びラヴニカの世界観設定について)