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ゼンディカー

ぜんでぃかー

マジック・ザ・ギャザリングの背景ストーリーの舞台である多元宇宙に存在する次元の一つ。あるいは『ゼンディカー』『ワールドウェイク』『エルドラージ覚醒』の3つのセットからなるエキスパンションブロック。ここではエキスパンション『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』『ゼンディカーの夜明け』についても解説する。
目次 [非表示]
  1. トレーディングカードゲームマジック・ザ・ギャザリングの背景ストーリーの舞台である多元宇宙に存在する次元の一つ。
  2. 同ゲームのエキスパンション名、あるいは『ゼンディカー』『ワールドウェイク』『エルドラージ覚醒』の3つのセットからなるエキスパンションブロック。

『ゼンディカー』次元の概要編集

荒ぶるマナ、不安定な気象、そして浮遊する地形からなる嵐のごとき次元。


空には魔力を帯びた結晶:面晶体がそこかしこに浮かび、地表では突然暴力的な変化を引き起こし地形の変動、異常気象、突発的な破壊、土地に満ちるマナは激しく脈動する。

それはプレインズウォーカー達にとって魅力的な力であり、彼らをゼンディカーへ引き寄せている。


都市はほとんど存在せず、そこに住む人々は小さな部族集団や探検仲間で寄り集まって生活している。そこでは、科学技術や魔法体系はあまり発展していないが、遺跡発掘のための探検技術は多く伝承されている。




実はゼンディカーは強大な捕食者エルドラージが封印されている次元である。元々は潤沢なマナが溢れる肥沃な次元だったが、数千年前にナヒリソリンウギンの3人が封印することに成功したものの、閉じ込められながらも次元に大きな影響を与えていた。


主要地点の一部編集

  • 空の遺跡、エメリア

空に浮かぶ巨大な面晶体の群。これらの瓦礫は絶えず動き続け、雨の流れを不規則にし日光を遮って地上に変容を続ける影のパターンを刻む。

ちなみにエメリアとは、マーフォークらがあがめる女神の名前なのだがその正体は・・・


  • 海門

堤防は500フィート(約150m)以上あり、さらに白い円塔(現在灯台として使われている)がさらに350フィート(約106m)空にそびえている。堤防と灯台を合わせて海門と呼ばれており、タジーム大陸最大の宿営地として知られている。都市は鍛冶屋、桶屋、肉屋、その他のための中央館と、周囲の交易所で成り立っている。


  • ウギンの目

かつてチャンドラが手に入れた巻き物に記されていたアクーム山脈深部に存在する秘密の地下遺跡。そこには価値ある遺物が収められているとも、この次元に封印されたエルドラージを解放する鍵であるとも噂される。


  • スカイクレイブ

エルドラージ討伐後のゼンディカー次元に現れた天空に浮かぶ7つの遺跡。

太古の時代に帝国を築いたコーたちによって建造されたものの、それぞれが落ちていった。長い月日ののち、コーのケンセヤ率いる冒険者たちがこの遺跡に到達し魔法の封印を解いたことで他の遺跡も天空に戻った。7つの大陸にそれぞれ存在する。


ゼンディカー・ブロック編集

2010年発売の『ゼンディカー』から始まり、『ワールドウェイク』『エルドラージ覚醒』の3つのセットからなるブロック。

通常のエキスパンションは、

大型 → 小型 → 小型

と、なるものが多いがゼンディカー・ブロックは

大型 → 小型 → 大型

という独自構成。それゆえ、第1セット・第2セットと第3セットでは趣向・テーマが大きく異なる。


『ゼンディカー』『ワールドウェイク』のコンセプトはズバリ「探検・冒険」

ゼンディカーの財宝を求め探索のために協力し合うパーティを再現したクリーチャータイプ:同盟者といった広大な世界を駆ける冒険を再現したメカニズムが多数登場した。


ゲームでのテーマは土地。それゆえ土地が戦場に出たときに効果を発揮する能力・上陸を持つカードが多数収録された。

また、自身を生け贄に捧げることによってライブラリーから特定の土地カードを戦場に出す特殊土地、フェッチランドの対抗色版が登場し、様々なフォーマットで活躍を見せることになる。


『エルドラージ覚醒』ではテーマとメカニズムは前の2セットから一新され、目覚めた太古の巨大生物エルドラージによる侵略と、それに対する人々の応戦がテーマとなる。それに伴い、土地でもアーティファクトでもなく特性定義能力にもよらない無色のカードが初登場した。


余談であるが、

第1セット『ゼンディカー』には低い確率(720パック(ブースターボックス20箱)に1パック程度と言われている)で、過去の基本セットやエキスパンションから選ばれた貴重なカードが混入されている場合がある。これはヴィンテージ・カードと呼ばれ、ウィザーズ社がキャッチコピーの「生命に関わる危険、貴重な宝物。」を具現化するものとして既存のカードの在庫を意図的に封入したものである。中にはアーティストのサインカード・パワー9デュアルランドなど希少カードも含まれていたことから大きな話題となる。


戦乱のゼンディカー・ブロック編集

再びゼンディカー次元が舞台となったエキスパンション。スタンダードの変成に伴い、『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』の2セット構成。(以後、他のブロックも同様。)


前作よりクリーチャータイプ:同盟者、特殊能力:上陸が再登場。

また、マナコストに色マナを含むものの(ゲーム上は)無色扱いになる欠色といった前回には無いエルドラージ特有の特殊能力が登場した。


エキスパンションを2ブロック制にした以外にも『ゲートウォッチの誓い』以降は無色マナ・シンボルは、図形は灰色の丸の中に菱型の記号「(◇)」で表し、略号は(C)で表すようにするといった変更点が見られる。

それに伴い、マナコストに(◇)を含む呪文。(◇)を生み出す基本地形荒地の登場といったエルドラージに対し皆が団結して戦うというテーマに沿った特色が現れている。


ちなみに、

前ゼンディカー・ブロックからの再録カードからはそこまで多くは無い。



マナコストに色マナを含み通常のクリーチャーと大差ないマナコストの欠色能力持ちエルドラージクリーチャーが多数登場し、

また、超大型エルドラージが中心だったゼンディカー・ブロックには「エルドラージ呪文は、コストが(2)少なくなる」という『ウギンの目』という名の大型エルドラージ召喚サポート用特殊地形が存在する。


流石にその2種をスタンダードで使用するのは叶わないが、

モダン・レガシーといったカードプールの広いフォーマットで併用すると、怒涛のエルドラージクリーチャー超高速展開を繰り出せることになり、

プロツアー「ゲートウォッチの誓い」ではTOP8のうち6つがエルドラージデッキ、決勝戦はエルドラージデッキのミラー対決、優はもちろんエルドラージデッキという事態になった。

「エルドラージの冬」と称される大惨事となり、その結果を受けて現在はモダン環境においてバランスを取る為。前述の『ウギンの目』が禁止カードに指定れることになった。


Masterpiece Series編集

Masterpiece Series とは、ブースターパックから希少な確率で出てくる特殊なカード群。通称:マスピ枠

ブロックのテーマに沿った、封入されるセットのカードも含めた再録カードから構成される。シリーズごとに特殊なカード枠を使い、箔押しも通常のプレミアム・カードとは違った処理になっている。イラストも枠や文章欄が独自のものである。(ただし、特殊枠扱いなので使用可能フォーマットは通常版が収録されたエキスパンション基準)


戦乱のゼンディカー・ブロックのものはZendikar Expeditionsと呼ばれ、

Masterpiece Series確立以前のセットであるが、定義上シリーズ第1弾として、多くのデッキのマナ基盤を支えてきた特殊地形が特別デザインで収録された。


ゼンディカーの夜明け編集

2020年9月発売。戦乱のゼンディカー・ブロック背景ストーリーがエルドラージとの戦争がメインになってしまい、冒険世界に立ち返った世界観となっている。

同盟者に代わるメカニズムとしてパーティーが登場。

これはクレリック、ならず者、戦士、ウィザードの冒険職のクリーチャー・タイプを揃えるほどコストが軽くなったり効果が強力になるという『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をオマージュしたメカニズムとなっている。

さらに注目を集めたのが両面カード。これまでは条件を満たした場合のみひっくり返すのに対し、ゼンディカーの夜明けの両面カードは手札にある時点で表の方の効果を使うか裏面のモードを使うか選択できる2つのモードを持つカードとなっている。今後発売予定の「カルドハイム」「ストリクスヘイヴン:魔法学院」でも同様の2モード両面カードが登場することは予告されており、今セットの両面カードは裏面は土地となっている。


なお、「イコリア:巨獣の棲処」ではプレインズウォーカーデッキの代わりに統率者戦用セットが初心者用セットとして存在したが、ゼンディカーの夜明けのメカニズムと連動した統率者戦用セットが発売された。


戦乱のゼンディカー・ブロックの物語における主な登場人物編集

プレインズウォーカー編集

ギデオン・ジュラ編集

人間男性

昼間はゼンディカーにおいてエルドラージから、

夜間はラヴニカにおいてボロス軍の協力者として非ギルド所属者の抗争から、

各次元の住民を守る二重生活を送っていたが、ついに心身は限界を迎え、様々なプレインズウォーカー達へと助力を求める。

この次元での姿は、「ゼンディカーの同盟者、ギデオン」としてカード化されている。


ジェイス・ベレレン編集

人間の男性。

ラヴニカにおいてギルドパクト大使の任についていたが、

「面晶体の謎を解き明かすことがエルドラージを倒す鍵となる」というゼンディカーの研究者達の言葉を受けたギデオンの依頼によりゼンディカーへと向かう。


ニッサ・レヴェイン編集

エルフ女性

ゼンディカー出身のプレインズウォーカーである。

かつて「エルドラージの封印を解けばゼンディカーはエルドラージの脅威から解放される」という軽率な考えからエルドラージの封印を解いてしまい、ゼンディカーを破滅の危機に晒してしまっていることを悔やみながらも、故郷を守るため自身に付き従う巨大な樹木の姿をしたエレメンタル「アシャヤ」と共にエルドラージと戦っている。


キオーラ編集

マーフォークの女性。

ゼンディカー出身のプレインズウォーカーである。

かつてゼンディカーを救う力を求めテーロスへと渡った際、海の神、タッサから二股槍を奪い取りゼンディカーに帰還することに成功する。

この次元での姿は、「深海の主、キオーラ」としてカード化されている。


オブ・ニクシリス編集

デーモンの男性。

かつてはナヒリにより打ち込まれた面晶体によりプレインズウォーカーとしての力を失い、ゼンディカーに縛られていたものの、

ジェイスがガラクを鎮めるため自身から面晶体を取り外したことからプレインズウォーカーとしての力を取り戻し、ゼンディカーそのものの力を奪い取ることで更なる力を得ようとする。

再びプレインズウォーカーに戻った姿が、「灯の再覚醒、オブ・ニクシリス」としてカード化されている。


ウギン編集

ドラゴンの男性。

かつてエルドラージをゼンディカーに封印した三人のプレインズウォーカーの一人。

自身がかつて築いた面晶体のネットワークを復活させ、エルドラージを再び封印するためにゼンディカーを再び訪れる。


ゼンディカーの住人編集

ドラーナ編集

吸血鬼の女性。

他の吸血鬼達がエルドラージへと下る中、自由を求め他種族の生存者と共にエルドラージと戦っている。

マラキールの解放者、ドラーナ」としてカード化されている。


ノヤン・ダール編集

マーフォークの男性。

かつては「凪魔道士」と呼ばれる荒れ狂うゼンディカーの自然を鎮める魔道士だったが、

荒れ狂うゼンディカーの自然はゼンディカーそのもののエルドラージへの拒絶反応であることを逆手に取り、逆に乱動を煽ることによってエルドラージと戦っている。

乱動を刻む者、ノヤン・ダール」としてカード化されている。


ムンダ編集

コーの男性。

縄を操り戦うゼンディカー住民達の指揮官の一人。

待ち伏せ隊長、ムンダ」としてカード化されている。



関連ページ編集

MTG

次元(MTG)

石鍛冶の神秘家

ステップのオオヤマネコ

復讐蔦

溶鉄の尖峰、ヴァラクート

光輪狩り


同次元出身のプレインズウォーカー編集


アラーラの断片・ブロック → ゼンディカー・ブロック → ミラディンの傷跡・ブロック

タルキール覇王譚・ブロック → 戦乱のゼンディカー・ブロック → イニストラードを覆う影・ブロック

イコリア:巨獣の棲処 → ゼンディカーの夜明け → カルドハイム



外部リンク編集

『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおけるゼンディカー次元の紹介ページ


『戦乱のゼンディカー』編集


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