ギルドとは?
この項目における「ギルド」とは、TCG『マジック:ザ・ギャザリング』の背景ストーリーの舞台となる次元(異世界)の一つであるラヴニカに存在する「ギルド」と呼ばれる10の組織のうちの一つである。
ディミーア家の概要
ディミーア家とは?
ディミーア家とは、ラヴニカの地底街に潜むネットワークからなる、徹底した秘密主義のギルドである。
彼らは秘密工作員達の多くに意図的にほんの一握りの連絡先しか教えないことで身内からも姿を隠し、工作員達は痕跡を残さず、犯罪の目撃者の記憶を破壊し、時には自分自身の仕事の記憶すら消去してしまうことで自身の正体を徹底的に闇に覆い隠してしまうため、ラヴニカの人々にとってその存在は公然の秘密である。
(『プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その1』)(外部リンク参照)
ギルドの色
ラヴニカの各ギルドはギルドごとに2色が割り当てられているが、
青黒の2色がギルドの色として割り当てられている。
ディミーア家の組織構造
ここでは『ラヴニカへの回帰ブロック』の時代における新たなギルドマスター、ラザーヴによるディミーア家再建後の組織構造について解説する。
「公然」の階層
ラヴニカの一般大衆へと公開することが許されているディミーア家の「表側」に当たる。
ラヴニカのギルド本来の使命の通り、都市のための公的役割を務めている。
主に案内人、調査員、記録係、記者として働いているが、それらは全て「友好的」に見せかけるためのうわべに過ぎず、正体は地上における情報収集を担う者達である。
表向きにはギルド無所属とされる「イスメリ図書館」も、その数十万冊もの蔵書に伝言の断片を魔法的に隠されているディミーア家の重要な施設である。
「潜伏」の階層
ラヴニカ市民がその存在を目にすることはおろか、推測することすら滅多にないディミーア家の正体、「裏側」に当たる。
工作員、スパイ、暗殺者、精神魔術師らが秘密の符号、魔法印、信号といったものを風景の中に隠し、相互にやりとりするネットワークであり、任務を完了するやいなやその記憶を消し去る「精神感応式公式声明」などといった精神魔法でその機密性を徹底的に保持する。
「内密」の階層
ディミーア家の構成員達すら知ることのないギルドマスター、ラザーヴと彼が直接指示する者らディミーア家の運営者達。
ディミーア家の構成員ですら彼らが何者か、どのような命令を受けたかに関する記憶を保持することは許されない。
ギルドマスター(ギルド指導者)
ザデック
『ラヴニカ・ブロック』の時代における「ディミーア家」のギルドマスター。
ディミーア家のパルン(創設者)にして、ディミーア家創設以来ディミーア家を率いてきた指導者である。
ラヴニカの都市の維持のためアゾリウス評議会のパルンであるアゾールによって定められた10のギルドの役割を定めた魔法契約「ギルドパクト」の締結より一万年が祝われる『ラヴニカ・ブロック』の時代、ディミーア家がギルドパクト締結以来
「ラヴニカの市民には実在すら疑わしいものとして見なされ続ける『見えざる脅威』として他のギルドの結束を促すことによるギルドパクトの維持」
の役割を与え続けられてきた怨恨から、ギルドパクトの破壊と全ラヴニカの支配のための計画を実行した。
1度目の「セレズニア議事会が従うべき自然の体現として考えている神秘的意識『マット・セレズニア』を取り込む」計画こそ他のギルドの有志達によって阻止されボロス軍のウォジェク(警察組織)兵士の一人、アグルス・コスによって逮捕されたもののそれすら計画のうちでしかなく真の目的であった「ディミーア家の存在を公然のものとしギルドパクト本来の役割から逸脱させることによりギルドパクトを崩壊させる」計画には成功した。
しかし、ザデックはその後殺害されており、アゾリウス評議会のギルドマスター、アウグスティン四世大判事のギルドパクト崩壊を利用したアゾリウスによるラヴニカ完全支配のため霊体として利用されていた事が判明する。
ギルドパクト崩壊の争乱の末、ザデックの魂はラヴニカの死者の魂が集う幽霊街、アギレムより死後再び呼び戻されたアグルス・コスの手によって幽霊捕獲器により捕えられ利用され、アギレムに逃げ延び続けることとなった。
「秘密の王、ザデック」としてカード化されている。
(M:TG Wikiにおける「ザデック/Szadek」の項目)(外部リンク参照)
ラザーヴ
「メレットの負債は全額、明日の締めとともに支払われるだろう」 ラザーヴはワティスへと言った。「引き換えに、今後一切この一家との接触を断ってもらおう。良いかね、ワティス殿?」
「何様のつもりだ?」 頭部を傾けて角を向け、全身で威嚇しながらグリンブリー・ワティスは言った。
「何者でもない」 その声はかすかな風音のようでありながら神々しく、だが柔らかさは一切なかった。ラザーヴが片手を振ると、部屋全体が回転を始めた。銀色に輝く呪文が、我が家の縁を取り囲むように燃え上がった。私は床にしがみつき、世界の重さに肺が圧迫されるように思えた。回転は次第に速まり、家具は軋み、壁は震え、窓は歪んでガラスが弾け飛びそうだった。そして甲高い音を立てて全てが急停止した。
しばしの間、絶対的な静寂だけがあった。やがてグリンブリー・ワティスが呟いた。「わかったよ。あんたの言う条件は飲んでやる」 ふらつき、バルコニーから落下しかけながら、我が家から去っていった。
『ラヴニカへの回帰ブロック』から『ラヴニカのギルド』の時代における「ディミーア家」のギルドマスター。
素性不明の身ながら、一連の不可解な行動と多くの偽装によって、
「(ラヴニカ・ブロックの時代に生じた)ギルド間の激しい抗争によって死亡した前ギルドマスター、ザデックの魂と交信する解しがたい魔法を使える」
と主張し、ザデック亡き後本拠地ダスクマントルへの道筋すら失われ、多くの所属員達も離脱しほぼ完全に消滅したとまで言われたディミーア家を再建しギルドマスターの座を手に入れた。
精神感応によって潜伏工作員に命令を与え、実行すべく「起動」させた後、彼らの関与に関する記憶を消し去ることができ、
自身もシェイプシフターとしての姿を変える能力を利用し、情報収集や撹乱を行う。
「ディミーアの黒幕ラザーヴ」、「万面相、ラザーヴ」としてカード化されている。
(『群衆の親分、クレンコ』、『アゾリウス評議会による重要指名手配被疑者10人』、「霧に包まれて」)(外部リンク参照)
(M:TG Wikiにおける「ラザーヴ/Lazav」の項目)(外部リンク参照)
他のギルドに対するディミーア家の態度
アゾリウス評議会
「知識が持つ真の力を無駄にしすぎているな。今しばらくは書類をかき混ぜているがいい」
オルゾフ組
「オルゾフのけばけばしい建築は、あの者達自身の腐ったちっぽけな精神への下り階段だ」
イゼット団
「知識の真の探究者だが、あの者達の道具は無秩序で方向性を欠いている」
ラクドス教団
「肉体は精力的だが、心は弱いな」
ゴルガリ団
「我らの屍と塵を持っていけ、それとお前の臭いも忘れずにな」
グルール一族
「暴動や身代り、もしくは両方が必要になった時は、いつもグルールが間抜けにも解決してくれる」
ボロス軍
「予測可能な物事は何であろうと破壊できるし、ほんの少しの先見で変更が可能だ」
セレズニア議事会
「我らが世界魂に浸透できたならばすぐに、あの者達は他のギルドでは不可能なほどに我らを支えるであろう」
シミック連合
「精神は異質だが、あの詮索好きは我らをそそる。入り込む方法を見つけねばならぬ」
関連イラスト
関連リンク
『マジック:ザ・ギャザリング』における青黒の勢力繋がり
- ディミーア家
- シルムガル氏族
- S.N.E.A.K.職員
外部リンク
『プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その1』
『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおけるラヴニカ次元の紹介ページ