概要
カードゲームにおける「スリーブ」とは、カードをぴったり包み込む軟質プラスチック製のカバーである。
メーカーの製品名は「デッキシールド」「カードプロテクター」など別名称の場合も多いが、ユーザーは大体一律「スリーブ」と呼ばれる。
主にカードを保護する目的と、カードを裏面から判別できなくする目的で用いられる。
トレーディングカードやカードゲームに用いられるカードは使用や吸湿により劣化、変形してしまう。また、カードゲームにおいては、製造上の細かな差異により裏面からでもカードが判別できてしまい、さらには裏面デザインが変更されたカード(『ポケモンカードゲーム』など)や、材質が異なるカード(『Z/X -Zillions of enemy X-』のフリーカード)、裏面を持たないカード(『Magic: The Gathering』の両面カードなど)を他のカードと混ぜて使用できない。
カードスリーブを用いることで、これらの問題に対応できる。
ただスリーブの中のチリが細かい傷をつけてしまうパターンは注意。
デザインとしてはカードイラスト・テキストが読めるように表面が無色透明である。裏面は透明あるいは有色無地や絵柄入りとなっている。
スリーブの製造技術向上に伴い、2000年代以降、裏面に絵柄の入った製品が数多く販売されている。特にキャラクターイラストのスリーブにおいて、基本的に再生産はされず、プレミア価格がつくこともままある。これは、技術的な問題により再生産時に完全に同じスリーブを作れないためである。イラストスリーブは製品によって使用による劣化に弱く、またわずかな傷でも判別を容易にしてしまうことから、大型の透明スリーブでイラストスリーブを保護する場合も多い。
スリーブに関するルールはそれぞれのタイトルによって異なり、特に公認大会においては使用必須の上、厳しく定められている。前述のイラストスリーブのほか、光の反射率が高いものやホログラムのあるものは製造上の差異や偶発的な傷、意図的な改造によって判別が可能になってしまうことから特に注意が必要。
(「シャッフルマスター」のような傷つきやすい、不必要な争いを避けるため、店鋪側から禁止するパターンもある)
アーケードカードゲームでは使用方法や裏面判別の点で非電源カードゲームと異なるため、ローダーと呼ばれるプラスチック状の保護ケースが用いられやすい。バーコード読み取りのキッズカードゲームなどでは、透明で読み取りを妨げない程度の厚さのスリーブが適している。実物のカードを用いないデジタルカードゲームにおいても、カードの裏面の絵柄を変更する要素がスリーブと呼ばれる。
製品によって様々なサイズがあり、『MTG』等の3.5×2.5インチ(約63×88mm)用、『ドミニオン』等ボードゲームのカードに適したユーロサイズ、『遊戯王OCG』等に適したスモールサイズ、それらを保護する大型スリーブなどが販売されている。
二重や三重スリーブというスリーブを守るスリーブを使い時、手汗の水分が残り判別が可能になってしまう可能性あるのでご注意。