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蔦怪獣バサラ
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蔦怪獣バサラ

23

つたかいじゅうばさら

『ウルトラマンタロウ』に登場した怪獣、色んな意味でトラウマ。でも、もっと怖いのは…

データ

別名身長体重出身地
蔦怪獣60m4万t捨て子塚

概要

ウルトラマンタロウ』第11話「血を吸う花は少女の精」に登場。

死んだ捨て子を弔う「捨て子塚」で成長した吸血植物で赤ん坊のような鳴き声を発する。

ZATの北島隊員は、寺に土葬されていた死体を喰らって生育していたが、喰い尽くしてしまったので新たな餌を求めて活動を開始したと推測していた。しかし、書籍によっては捨て子塚に埋葬された子供達の怨念の化身ともされている。

捨て子塚の下に潜んでおり、口から最大300mまで伸びる蔦を伸ばして寺の付近の人間を襲っていた。

伸ばしたからは電撃「サンダーフラッシュ」を発生させることができ、これで獲物を麻痺させ耳から血液を一滴残らず吸い尽くす。また自身の体の一部である花を目印に、捨て子塚から相当離れた場所にいようが、花の周囲にいる生物まで蔦を伸ばして襲いかかる。なお蔦自体は細いものならば人力で引き千切ることも可能。

また、人一人の血液を吸い尽くして殺すたびに、体の体毛に『恨み花』と呼ばれる不気味なのような真っ赤なが咲くとされている。ZATの鑑識の結果、この花の色素は動物性であるヘモグロビンによるもの。

戦闘能力自体は低く、ストリウム光線で粉砕されたが、直後に怨念が集まって幻影のような姿になって復活したので、後のホーのようなマイナスエネルギー怪獣かもしれない。復活した直後、お経のような声が流れて捨て子塚のあった寺を燃やすと自身も再び爆発して消滅した。ここからもバサラの尋常ならざる怨念が感じられる。

こいつに襲われて失血死する様が怖いのでトラウマ怪獣に挙げられるが、この話で本当に怖いのはバサラではない!

岩坪かなえ

東光太郎「憎んでいたんじゃないのかな……、自分を捨てたお母さんをさ……。いや、お母さんにそうさせた世の中と言った方がいいのかもしれない……」

演:下野照美

怪獣でも宇宙人でも何でもない一般市民だが、敢えて記述する。孤児院から岩坪家へ養子として引き取られるが、養母との折り合いが悪く、剪定ハサミ片手に捨て子塚を彷徨い歩いてバサラの花を集めていた。

ウルトラシリーズにおいて所謂「クソガキ」として扱われる子供は多いが、大抵は事件を起こす場合は無知や不注意のケースがほとんどで、事件後には改心しているのがパターンである。しかしこの少女の場合は違う。

バサラの習性を理解した上で、花を無関係な人間に笑顔で配っていたのである

いつからバサラの正体を知っていたかは不明だが、少なくとも目の前で養母が殺害された直後に町中で配っている故意犯である。

劇中では明確にバサラの被害にあったのは養母を含め9件だが、養母が襲われる前から知っていた可能性もあり、被害を広げたのは彼女かもしれない。もしそうなら鯛焼きをご馳走した健一くんを笑顔で殺害しようとしたということで、益々寒気がする(実際たまたま通りかかった酔っ払いがバサラの蔦を千切っていなければ健一くんと森山隊員は死んでいた)。

一方では、バサラの習性を理解したのは(世間体を気にして彼女を引き取った)養母が殺害されたのを目撃したことが切っ掛けの様な感じの描写も見受けられる(少なくとも最初は、純粋に普通の花だと思って配っていたような感じではある)ため、一概に最初から知っていた可能性も否定はできないが、そのあたりの詳細は不明である。

本来なら真っ先にバサラの餌食になるのは常にバサラの花を持っていた彼女であるはずなのだが、バサラは最後まで彼女に危害を加えなかった。理由ははっきりとはわからないが、バサラの出自を考えると彼女と何らかの形で繋がりがあった可能性は高い。バサラは単に彼女を餌係として利用していただけなのか、それとも自分と同じ立場の仲間だとみなしていたのか、どのような理由にせよ彼女とバサラの関係は薄ら寒いものを感じさせる。

なお、物語は新たなバサラを求めて墓場をハサミを鳴らしながら彷徨う姿で締め括られている。つまり反省の色は全くない

彼女の行為は許されるものではないが、一連の犯行の動機が上記の光太郎のセリフにある通り、自分を母親に捨てさせるような環境を作ってしまった社会(=大人達)への復讐であり、そんな社会背景が存在したのもまた事実である(放映当時の子供、特に孤児への人権意識の低さは現代の比では無い。特に本作の放映された1973年は全国で乳幼児死体遺棄事件が多発し、社会問題化していた)。

そのため、彼女も大人の身勝手で作り上げられた社会によって翻弄され、心を歪ませられた犠牲者の一人であり、哀しき悪役といった表現が適切なのかもしれない…。

おそらくこのエピソードには当時の世相への批判と同時に、視聴者への「かなえのような子を生み出すような社会を作らないで欲しい」という祈りが込められていたのだろう。

その後の作品での登場

ULTRAMAN

スピンオフ小説『ULTRAMAN ANOTHER UNIVERSE』では岩坪香奈恵という人物が登場。

今作ではバサラではなくなんとガタノゾーアの関係者として登場する。

原点とは異なり同級生からの陰湿ないじめをうけて精神を病み、果ては人間らしさも完全に失ってしまいガタノゾーア復活の生贄として、かつて自分をいじめた少年少女たちをターゲットにした連続猟奇殺人事件を起こしている。

後に異界獣バジェラと化し、進次郎に撃破された。

酩酊!怪獣酒場2nd

廃寺で住職を務めており、丑三つ時に酒場に来店してくる。

自分の鳴き声が赤ん坊の泣き声だと誤認されてしまう。寺が寂れたように見えたのも、「正義」を掲げる連中との戦いで寺がボロボロになってしまったが故。

常に子連れだと勘違いされるが、実は彼の住む寺には捨て子塚があり、そこから漏れ出た怨霊が彼について行く為である(バサラには見えない)。ちなみに怨霊の顔は岩坪かなえそっくりである。

前作にもモブとして何度か登場している。

余談

着ぐるみはアリンドウの改造。当初はタガールの着ぐるみをベースとする予定だった。

最後に寺を焼き払うという場面は、特技監督の大平隆が提案したもの。

小林晋一郎氏はご多分に漏れず、『タロウ』は要所を締めるべき相手役は大役に不釣り合いとする一方でバサラは「真昼の超幻想」と称し、一定の評価を与えている。

準備稿でのタイトルは「吸血怨み花」。また、準備稿では第11話ではなく第12話になる予定だった。

かなえ役の下野照美は『仮面ライダーX』のアポロガイスト登場編や『仮面ライダーアマゾン』のモグラ獣人退場回といったイベント編に出演歴がある。また下野は、本編第39話にも別人としてゲスト出演しているが、こちらでも母子寮(現在の母子生活支援施設)で暮らす子供の一人であるから、(かなえほどではないにしても)苦しい境遇に置かれていることがうかがえる。

脚本家の長谷川圭一「『ウルトラマンメビウス』で、バサラを登場させたかった」とTwitterで語っている。

関連タグ

ウルトラマンタロウ ウルトラ怪獣 タロウ怪獣

植物怪獣

バジェラ

マッドサタン:似た特徴を持つ怪獣。

ジャミラ/マザリュース:同じくウルトラシリーズに登場する赤ん坊のような鳴き声を発する獣。

データ

別名身長体重出身地
蔦怪獣60m4万t捨て子塚

概要

ウルトラマンタロウ』第11話「血を吸う花は少女の精」に登場。

死んだ捨て子を弔う「捨て子塚」で成長した吸血植物で赤ん坊のような鳴き声を発する。

ZATの北島隊員は、寺に土葬されていた死体を喰らって生育していたが、喰い尽くしてしまったので新たな餌を求めて活動を開始したと推測していた。しかし、書籍によっては捨て子塚に埋葬された子供達の怨念の化身ともされている。

捨て子塚の下に潜んでおり、口から最大300mまで伸びる蔦を伸ばして寺の付近の人間を襲っていた。

伸ばしたからは電撃「サンダーフラッシュ」を発生させることができ、これで獲物を麻痺させ耳から血液を一滴残らず吸い尽くす。また自身の体の一部である花を目印に、捨て子塚から相当離れた場所にいようが、花の周囲にいる生物まで蔦を伸ばして襲いかかる。なお蔦自体は細いものならば人力で引き千切ることも可能。

また、人一人の血液を吸い尽くして殺すたびに、体の体毛に『恨み花』と呼ばれる不気味なのような真っ赤なが咲くとされている。ZATの鑑識の結果、この花の色素は動物性であるヘモグロビンによるもの。

戦闘能力自体は低く、ストリウム光線で粉砕されたが、直後に怨念が集まって幻影のような姿になって復活したので、後のホーのようなマイナスエネルギー怪獣かもしれない。復活した直後、お経のような声が流れて捨て子塚のあった寺を燃やすと自身も再び爆発して消滅した。ここからもバサラの尋常ならざる怨念が感じられる。

こいつに襲われて失血死する様が怖いのでトラウマ怪獣に挙げられるが、この話で本当に怖いのはバサラではない!

岩坪かなえ

東光太郎「憎んでいたんじゃないのかな……、自分を捨てたお母さんをさ……。いや、お母さんにそうさせた世の中と言った方がいいのかもしれない……」

演:下野照美

怪獣でも宇宙人でも何でもない一般市民だが、敢えて記述する。孤児院から岩坪家へ養子として引き取られるが、養母との折り合いが悪く、剪定ハサミ片手に捨て子塚を彷徨い歩いてバサラの花を集めていた。

ウルトラシリーズにおいて所謂「クソガキ」として扱われる子供は多いが、大抵は事件を起こす場合は無知や不注意のケースがほとんどで、事件後には改心しているのがパターンである。しかしこの少女の場合は違う。

バサラの習性を理解した上で、花を無関係な人間に笑顔で配っていたのである

いつからバサラの正体を知っていたかは不明だが、少なくとも目の前で養母が殺害された直後に町中で配っている故意犯である。

劇中では明確にバサラの被害にあったのは養母を含め9件だが、養母が襲われる前から知っていた可能性もあり、被害を広げたのは彼女かもしれない。もしそうなら鯛焼きをご馳走した健一くんを笑顔で殺害しようとしたということで、益々寒気がする(実際たまたま通りかかった酔っ払いがバサラの蔦を千切っていなければ健一くんと森山隊員は死んでいた)。

一方では、バサラの習性を理解したのは(世間体を気にして彼女を引き取った)養母が殺害されたのを目撃したことが切っ掛けの様な感じの描写も見受けられる(少なくとも最初は、純粋に普通の花だと思って配っていたような感じではある)ため、一概に最初から知っていた可能性も否定はできないが、そのあたりの詳細は不明である。

本来なら真っ先にバサラの餌食になるのは常にバサラの花を持っていた彼女であるはずなのだが、バサラは最後まで彼女に危害を加えなかった。理由ははっきりとはわからないが、バサラの出自を考えると彼女と何らかの形で繋がりがあった可能性は高い。バサラは単に彼女を餌係として利用していただけなのか、それとも自分と同じ立場の仲間だとみなしていたのか、どのような理由にせよ彼女とバサラの関係は薄ら寒いものを感じさせる。

なお、物語は新たなバサラを求めて墓場をハサミを鳴らしながら彷徨う姿で締め括られている。つまり反省の色は全くない

彼女の行為は許されるものではないが、一連の犯行の動機が上記の光太郎のセリフにある通り、自分を母親に捨てさせるような環境を作ってしまった社会(=大人達)への復讐であり、そんな社会背景が存在したのもまた事実である(放映当時の子供、特に孤児への人権意識の低さは現代の比では無い。特に本作の放映された1973年は全国で乳幼児死体遺棄事件が多発し、社会問題化していた)。

そのため、彼女も大人の身勝手で作り上げられた社会によって翻弄され、心を歪ませられた犠牲者の一人であり、哀しき悪役といった表現が適切なのかもしれない…。

おそらくこのエピソードには当時の世相への批判と同時に、視聴者への「かなえのような子を生み出すような社会を作らないで欲しい」という祈りが込められていたのだろう。

その後の作品での登場

ULTRAMAN

スピンオフ小説『ULTRAMAN ANOTHER UNIVERSE』では岩坪香奈恵という人物が登場。

今作ではバサラではなくなんとガタノゾーアの関係者として登場する。

原点とは異なり同級生からの陰湿ないじめをうけて精神を病み、果ては人間らしさも完全に失ってしまいガタノゾーア復活の生贄として、かつて自分をいじめた少年少女たちをターゲットにした連続猟奇殺人事件を起こしている。

後に異界獣バジェラと化し、進次郎に撃破された。

酩酊!怪獣酒場2nd

廃寺で住職を務めており、丑三つ時に酒場に来店してくる。

自分の鳴き声が赤ん坊の泣き声だと誤認されてしまう。寺が寂れたように見えたのも、「正義」を掲げる連中との戦いで寺がボロボロになってしまったが故。

常に子連れだと勘違いされるが、実は彼の住む寺には捨て子塚があり、そこから漏れ出た怨霊が彼について行く為である(バサラには見えない)。ちなみに怨霊の顔は岩坪かなえそっくりである。

前作にもモブとして何度か登場している。

余談

着ぐるみはアリンドウの改造。当初はタガールの着ぐるみをベースとする予定だった。

最後に寺を焼き払うという場面は、特技監督の大平隆が提案したもの。

小林晋一郎氏はご多分に漏れず、『タロウ』は要所を締めるべき相手役は大役に不釣り合いとする一方でバサラは「真昼の超幻想」と称し、一定の評価を与えている。

準備稿でのタイトルは「吸血怨み花」。また、準備稿では第11話ではなく第12話になる予定だった。

かなえ役の下野照美は『仮面ライダーX』のアポロガイスト登場編や『仮面ライダーアマゾン』のモグラ獣人退場回といったイベント編に出演歴がある。また下野は、本編第39話にも別人としてゲスト出演しているが、こちらでも母子寮(現在の母子生活支援施設)で暮らす子供の一人であるから、(かなえほどではないにしても)苦しい境遇に置かれていることがうかがえる。

脚本家の長谷川圭一「『ウルトラマンメビウス』で、バサラを登場させたかった」とTwitterで語っている。

関連タグ

ウルトラマンタロウ ウルトラ怪獣 タロウ怪獣

植物怪獣

バジェラ

マッドサタン:似た特徴を持つ怪獣。

ジャミラ/マザリュース:同じくウルトラシリーズに登場する赤ん坊のような鳴き声を発する獣。

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