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AMX-50

あーえむいーくすさんかうんとぅ

第二次世界大戦の終結直後から1950年代にかけてのフランスで開発されていた、一連の重戦車シリーズ。奇抜な外見の揺動砲塔が特徴的。
目次 [非表示]

フランス重戦車の終焉編集

 AMX-50は、第二次世界大戦の終結直後から1950年代にかけてのフランスで開発されていた、一連の重戦車シリーズ。

 数種類存在するが、その多くが特徴的な形状の揺動砲塔を搭載した。


 なお、実際の正式呼称はハイフンを挟まないAMX 50だが、この記事ではハイフン入りのAMX-50表記で統一する。


前史編集

 戦前、戦車開発の先進国として名を馳せていた陸軍大国フランスは大戦序盤にドイツの侵攻を受けて大敗4年間にも渡るドイツの支配と、それに伴う兵器開発の禁止措置を受けた結果、その技術力を大きく低下させた

 独力での国防を重視するフランスにとって、陸軍力の要たる戦車を満足に完成させられないというのは致命的...。


 そこで、戦後フランスの戦車開発において注目されることとなったのが、パンターティーガーIIなどの高性能なドイツ戦車


 戦中に西部戦線の舞台となったフランスは放棄されていた数百輌ものドイツ戦車を入手しており、またフランスにはドイツ戦車に関連する工場がいくつか建造されていたことから、新型重戦車開発にはこれらが参考にされる流れとなった。


“豹”G 夜戦型 出陣(Panther G Nightfight鉄の要塞(ティーガーⅡ重戦車)
パンターティーガーII

開発の経過と頓挫編集

  • プロジェクト141 / AMX M-4(1945~):計画の当初の形。ティーガーIIのそれと似た普通の砲塔となっている。想定車重の30トン級達成が優先された結果、最大装甲厚30mmという防御力が全く期待できないものとなってしまった。90mm砲搭載。
  • AMX-50 100(1949~):想定車重が50トン級まで引き上げられたことにより最大装甲厚は80mmまで増大された。自動装填装置付き100mm砲の搭載に伴い奇抜な揺動砲塔化。最終的な車重は55トン、最大装甲厚85mm。
  • AMX-50 120(1951~):自動装填装置付き120mm砲を搭載、これに伴い揺動砲塔は大型のものに改設計された。
  • AMX-50 120 Surblindé(1955~):謎のフランス語は大体スュルブランデといった発音で、重装甲の意。ソ連のIS-3重戦車と似た楔型の車体正面形状などにより、最大装甲厚90mmながら実質200mm級まで防御力が強化され、車重は約64トンに達した。
  • AMX-50 120 Surbaisse(1958~):謎のフランス語は大体スュルベスといった発音で、低姿勢の意。Surblindéで導入された楔型の車体正面形状は維持されつつも、車高が減ぜられたことで車重は57.8トンまで削減されたほか、砲塔は曲面の多用される新型となった。

 ...という風に、火力・防御力の強化を重点に開発されてきたAMX-50。

 60トン級の車重にもかかわらず、ドイツの遺産たる"マイバッハHL295"V12ガソリンエンジンが出力する850~1,000馬力もの圧倒的パワーにより、最高速度は平均的な中戦車のそれを優に越す51km/hにも達したという。


 しかし、燃費は良好とは言えず、それに航続距離も準じ、また車重が増大するにつれて走破性も悪化するなど、近代的な戦車戦術に必要な戦略的機動力、あるいは柔軟性ともいえるものが、AMX-50からは段々と失われていった...。


M26 PershingAMX30
M47パットンAMX-30

 1954年、アメリカによってM47パットン戦車の大量供与が実施されると、国産戦車の開発は急務では無くなった。

 また、1950年代末には大型で重い120mm砲と同等の対装甲火力を有しつつも、より軽量・小型な105mm砲が登場し、これにより大きく重く、そして扱いずらい戦車の必要性が消失


 1959年、車重30トン台で件の105mm砲を搭載する近代的な次世代戦車AMX-30が実用化への道を歩み始める頃、AMX-50の開発計画は中止され、これは同時にフランス重戦車の終焉となった。


余談編集

  • 変な砲塔の戦車?
空想战车7Amx 13-90

 揺動砲塔の発想は、自動装填装置との兼ね合いなどもあって1950年代においてはそこまで珍しいものでは無かった。(例:AMX-13

 実際、アメリカでもこの特徴を有する試作戦車が数種類ほど設計・開発されている。(いずれも試作段階に終わったが


  • 駆逐戦車型

AMX AC 1948

 1950年、AMX M-4の車体を流用、120mm砲を搭載する重駆逐戦車としてAMX-50 Foch(フォッシュ)が試作された。

 これには、大戦中に猛威を振るったドイツ駆逐戦車ヤークトパンターの影響があったとみられる。


  • 現存するAMX-50

 AMX-50はSurbaisseの試作車1輌のみ現存しており、フランスのソミュール戦車博物館における展示物として余生を過ごしている。


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戦車

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