概要
AMX-13は、第二次世界大戦後にフランスで開発された軽戦車である。
開発はAMX(イシー・レ・ムリノー)工廠。配備開始は1951年。
空挺戦車として運用できるよう徹底した小型化と新基軸の導入が図られており、特に揺動砲塔と呼ばれる独特な砲塔を装備していることが最大の特徴。
開発国であるフランス軍をはじめ世界各国に配備され、現在も現役車両が存在する。
開発経緯
開発前夜
第二次世界大戦終結直後、フランスの陸軍戦力はM4シャーマンをはじめとする海外からレンドリースされた車両とドイツから鹵獲した車両が主力であった。
しかしこれらの車両は殆どが戦略機動性に乏しく、世界各地に植民地を持つフランスは“海外へと素早く展開可能な空挺戦車”を欲していた。
空挺のため徹底した小型軽量化を実現すべく、AMX工廠(旧ルノー軍需工場)はいくつかの新基軸を採用した戦車の開発に着手する。
数々の新基軸
まずは自動装填装置の採用。砲後部に配置したリボルバー式の弾薬庫から弾薬を供給し、自動で装填を行うことで装填手を代替し小型化を図った。
そしてこれに合わせ、砲塔構造に特徴的な“揺動砲塔”と呼ばれる形式を採用した。
これは通常の砲塔とは異なり砲身を固定した砲塔上部ごと仰/俯角をとる形式で、当時の自動装填装置と好相性かつ高威力砲を容易に搭載可能な形式であり、パンターの主砲をベースとした75mmライフル砲を搭載できた。
さらにエンジンを車体前部に配置し装甲として機能させるなど様々な工夫を組み込まれ、異様な外観の新型戦車AMX–13は完成した。
配備と国際市場、そして…
こうして完成したAMX–13は軽量・高火力な戦車としてフランスのみならず世界各国に輸出された。
特に重量は15t程度と戦車としては最軽量クラスであり、インフラの整備が遅れている途上国では運用しやすいと歓迎された。しかも揺動砲塔はさらなる大口径主砲への換装に対応でき、90mm砲や105mm砲への載せ替えで運用寿命を伸ばすこともできた。
そうしてベストセラーとなったAMX-13は車体やパーツを流用した派生型が多く製造され、フランス軍では退役した現在でも途上国軍での運用が続いている。
余談
AMX–13は“イシー・レ・ムリノー工廠 13t級戦車”という意味。
これは編者の私見ながら、砲塔を正面から見ると笑っているように見えなくもない。不気味と取るか可愛いと見るかはあなた次第。
登場作品
〜加筆求む〜
フランスツリー軽戦車として登場。
90mm砲装備型や兵員輸送車型、対空戦車型、果てはシャーマン車台に砲塔だけ乗せられたものやM24軽戦車の砲塔を乗せたキメラ仕様なども実装されている。
フランスツリー軽戦車として75mm砲、90mm砲、105mm砲装備型が登場。
前身となる設計案も実装されている。