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関東地方1都6県を放送法に定められた放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者株式会社TBSラジオ。関東地方向けにTBSラジオ954という通称を使うこともある。


放送局概略編集

系列JRNキー局
略称TBS R
愛称TBSラジオ・ラジオ東京
コールサインJOKR
親局東京(戸田)954KHz/100kw
中継局東京(墨田)90.5MHz/7kw(FM補完中継局)

概略編集

1951年に日本で6番目、東日本初の民放ラジオとして開局。当時の局名は株式会社ラジオ東京で、テレビ放送開始後の1960年に社名を株式会社東京放送に改め、ラジオ部門はTBSラジオとした。

2000年に合理化のためラジオ番組の制作と、広告営業を主とするラジオ事業の現業全般を行う子会社として、株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズが設立され、翌2001年には中波放送の免許を東京放送より継承し、ほぼ現在の体制(ラジオとテレビの各部門を分けた俗に言う「ラテ兼営」の解消)となった。

その後TBSグループの再編によって、東京放送から社名を変更した株式会社東京放送ホールディングスの傘下に入り、テレビ放送事業者である株式会社TBSテレビと、ラジオ放送事業者であるTBS R&Cが置かれる形となった。2016年に4月1日、株式会社TBSラジオに社名を変更した。

実際はテレビ・ラジオ両社とも赤坂のTBS放送センター内に本社・演奏所を置き、アナウンサーが共通し、スタジオも一部共有するなど、事実上ラテ兼営局と変わらない運営体系を取っているが、両社ともに日本民間放送連盟の会員であり民放連でも別会社の扱いとなっている。ゆえにTBSテレビのコールサインがテレビ単独局であることを示すJORX-DTVになっている。


2000年代前後から20年以上続いた長寿番組であっても躊躇いなく打ち切るケースが多い。ただし、パーソナリティの体調不良や死亡のためやむを得ず打ち切ったというケースも少なくない。(特に45年以上続いた「永六輔の誰かとどこかで」は前者、39年続いた「小沢昭一的こころ」は後者に該当)

脱聴取率路線への転換編集

聴取率は同じ中波局であるニッポン放送文化放送を抜き去り、2001年から2021年4月までは在京ラジオ局で聴取率単独連続一位を維持していた。


この間、2018年から聴取率の調査期間の「スペシャルウィーク」企画の廃止に踏み切った。これはradikoの普及で、聴取者数を「ラジオ365データ」としてリアルタイムで把握できるようになったことを理由としいる。

また、聴取率の調査もテレビの視聴率と異なり「冊子のアンケートで回答する」というアナログ的なもので、調査自体も2か月に一回でラジオの広告効果の指標としてふさわしいか、社内で疑問視する声が挙がっていたという。


実際、この前後からパーソナリティが高齢化していたワイド番組や前述の野球中継など長寿番組を続々と打ち切っており、新規聴取者層の開拓に舵を切るようになった。一方、改編以前から高齢化しているワイド番組を引き続き放送している番組もあるが、その中で深夜枠の「JUNK」は10年以上も陣容が不変であり、その点に霹靂しているリスナーも少なくない。


こうして路線転換を行った結果、時間枠を異動させた番組や地方局ネット数が減少していった番組、短期間で打ち切りになった番組も多く、当然聴取率についても2021年6月にJ-WAVEに一位を奪われて以降低迷傾向にある。


その一方、従来関東広域圏でしか聴取できなかった番組をYouTubeでサイマル配信して聴取層を全国に広げたり、podcast番組を多数製作する等従来のラジオ局では見られなかった実験的な取り組みを続けている。



プロ野球中継からの撤退編集

特筆すべき点として、開局翌年の1952年から放送されてきたプロ野球ナイトゲームの放送を2017年限りで終了している(中継そのものは横浜DeNAベイスターズ主催試合の裏送り業務のみ継続)。

当初は同年9月に発売された『週刊ポスト』(小学館)のスクープ記事として掲載され、後に11月の定例記者会見で正式に撤退を発表した。


終了理由としてはTBS側は「ラジオのマーケットや将来性を考えたもの」「関東で最大5局が同じカード(巨人戦)を放送するのはいかがなものか」と見解を示したほか、週刊ポスト側は広告出稿の不振や東京ドームの使用料を理由としていた。


他にも野球中継の延長に伴う後続番組の休止・短縮に対しリスナーから不満が上がっていたことや、CS・配信サービスといったライバルの台頭に伴う聴取率の低迷も撤退理由に挙げられている。


この撤退に伴い全国ネットワークのラジオ中継は原則NRN(ニッポン放送文化放送がキー局)のみとなり、JRN受けとなる火曜日のナイター中継は地元球団のある系列局以外廃止となった。また、JRN系列局向けの関東地区でのカードの制作は前述のDeNA主催カードを除きニッポン放送・文化放送・RFラジオ日本が担当することとなった。


AMラジオのプロ野球中継撤退は2006年のラジオ大阪に次ぐものだが、史上初となる在京局かつ全国ネットワークからの撤退は業界に衝撃を与え、以降文化放送を筆頭にプロ野球中継を縮小・削減する放送局が年を追う毎に増加傾向にある。また、DeNA主催試合の裏送り業務も2023年から取りやめており、野球中継を制作するJRNネット局は製作費削減の方針もあり、DeNA主催試合など一部試合中継を制作局からオフチューブ形式で実況するスタイルに切り替えた局もある。



アナウンサーに関して編集

2001年のラジオ事業分社化以降、TBS"ラジオ"としてのアナウンサー採用は行っていない

そのため全ての「TBSアナウンサー」がTBSテレビの社員であるため、その「社員」の1人である安住紳一郎が自身がパーソナリティを務める番組で「TBS『ラジオ』からお給金が1銭も出ていない」と、TBSテレビが社員アナウンサーをTBSラジオへ在籍出向として扱っていると(半ば冗談交じりに)語った事があった。

彼曰く「(TBSのアナウンサーは)テレビ出演への研修の一環として、ラジオ番組への出演を行なっている」との事らしいのだが、確かに体裁上「別会社」とはいえ「TBSからすれば未だに『社内カンパニー』もしくは『他部署』程度の認識」だとするなら、「実態として『ラテ兼営』が続いている」と揶揄されても致し方無い気もするが…


2022年4月改編の「怪」編集

前月をもって土曜15時台に放送されていた「大沢悠里のゆうゆうワイド土曜版」が終了し、その「後番組」が2022年5月から開始する予定だったが、2022年10月時点でも前枠の番組に当たる「井上貴博 土曜日の『あ』」を(本来の「想定放送時間」とされた「13:00〜15:00」より1時間多い)15:55まで拡大(当初は「4月のみの時限措置」としていたが、一旦「4月〜6月の延べ2ヶ月に期間延長」という処遇に変更後)し12月まで継続。翌年から4月1日まで15:15までとなり、同年4月8日からにようやく本来の放送時間に戻った。


そもそも改編期ではない5月開始も含めて現時点ではパーソナリティや内容含め「新番組」の詳細が一切明かされていないのが、リスナーの中では物議を醸しており「新番組のパーソナリティ担当予定者が不祥事を起こした」「新番組のパーソナリティ担当予定者のオファーに難航」あるいは枠そのものの再編過程で「社内の伝達ミスで『新番組そのもの』が誤認だった」という考察まで出るなど、情報が錯綜している。


その後、暫定措置として「土曜日の「あ」」を15:55まで拡大していた土曜15時台は1月より、別の番組が始まったものの、「土曜日の「あ」」の直後の番組である「ウィークエンドネットワーク」(TBSニュースのタイトルでTBSローカルとして生放送。MBSを除く多くのJRNネット局は17:45からTBSが裏送り版をネット)を含め複数の番組を構成する形となり、現在、土曜16時台含め「ゆうゆうワイド」後番組となる予定だった生ワイド番組は放送されないままとなっている。


主な有名番組と、その番組関係者編集

既に終了したもの編集


放送中のもの編集



送信所編集

戸田送信所編集

所在地埼玉県戸田市氷川町三丁目5番9号(戸田競艇場前)
周波数954KHz
出力100kw
アンテナ形状支線式円管柱
備考支線式トラス柱の予備アンテナが戸田送信所敷地内にあり。

聴取可能エリアは関東地方の1都6県の100%、周辺県の50%(福島・長野50%、静岡70%、山梨100%、新潟5%各人口比)も良好〜実用上聴取可能な範囲としている。ただし関東地方でも埼玉県久喜市周辺ではNHK菖蒲久喜ラジオ放送所の大出力の影響により、聞き取れないレベルで混信することがある。


周波数が1MHzよりと低く、夜間の電離層反射により全国各地で聴取可能になるが、秋田県宮崎県ではそれぞれ秋田放送宮崎放送が936KHzを使用しており、更に甲府市、福井市、室蘭市、彦根市、徳島市、五島市、青森市、米子市、萩市、松山市、佐賀市周辺では、NHKラジオ第1放送の周波数(927kHz、945kHz、963kHzの何れか)が近いため、夜間でもやや聴取困難。さらに、これらのNHKの電波が夜間に多くの範囲に届いてしまうため、名古屋や大阪、福岡などの大都市圏でもやや聴取困難になる。

墨田FM補完中継局編集

2015年12月7日13時本放送開始。

所在地東京都墨田区押上一丁目1番13号(東京スカイツリー
周波数90.5MHz
出力7kw
アンテナ形状不明

放送時間編集

基本的に24時間放送だが、毎週月曜深夜に休止時間帯がある。

放送開始・終了時には文化放送QRソングや、ラジオ大阪のOBCソングと同様に歌が流れる。


1978年9月以前はインストゥルメンタルで、放送開始時には室内オーケストラによるオリジナル曲を使用し、終了時は山田耕筰作曲による「この道」がハープの伴奏によるフルートでの演奏で流された。

1978年10月からボーカル入りになり、1990年3月までは、来栖アンナ「YOU ARE NOT ALONE」が使われた。作詞を務めた兼城昌昭は当時、TBSの社員でもあった。作曲は小杉保夫による。

1990年4月から2000年9月までは、森川由加里の「きいたら、ききたい」を起用した。作詞は伊藤アキラ、作曲は馬飼野康二による。

2000年10月からは、高尾直樹によるア・カペラ「聞けば、見えてくる。」が使われている。


現在のオープニング、クロージングのナレーションは、どことなくショタくさい声が印象的だが、実はワイドFM開始時にTBSアナだった笹川友里女史によるもの。


特徴編集

在京局と比較すると、アイドルが担当・アニメ関係の番組が極端にまでに皆無と見なされがちであるが、過去には近石真介神谷明といった声優をワイド番組のパーソナリティ起用したり、アイドルに関しても城島茂が金曜JUNKZEROのパーソナリティを担当するといった事例もあった。現在でも林原めぐみTokyo Boogie Nightが30年以上続いている(ただしキングレコードの実製作)。

2010年代以降は極端なまでにサブカルに拘り、荻上チキ武田砂鉄などサブカルに造詣深い著名人を重用している。武田氏は開局70周年の年に出版された「公式読本」の総編集を手掛けているほど。

2018年前後から頻繁化している大改編もプログラム内容がサブカルに偏っている。


関連項目編集

ラジオ

TBS

TBSテレビ

中波放送


外部リンク編集

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