概要
東映不思議コメディーシリーズの第9作。1989年1月15日から同年7月9日まで放送。全26話。浦沢義雄脚本による、中華風魔法少女コメディである。
下記のあらすじをみても解る通り、基本設定からして突っ込みどころが盛りだくさんのシュールギャグとなっている。
東映不思議コメディーにおける『美少女シリーズ』の初代となる作品で、漫画やアニメにおける魔女っ子、魔法少女など変身ヒロインものの流れを汲み、女性主人公による変身アイテムをモチーフとした玩具の展開や当時の新進気鋭のアイドルが主演を務めるという方向性を位置付けることとなった(また、後継作品も含め『ガールズ×戦士シリーズ』にも影響を与えている)。
なお、主人公が女性かつ女児向け玩具が発売された作品としては、1984年の『どきんちょ!ネムリン』が先行しているが、本作は女児向けの中でもよりヒロインもの、アイドルものとしての向きが強いといえる。
後述する経緯により、急遽続編として『魔法少女ちゅうかないぱねま!』が企画・放送された。
あらすじ
中華魔界に住むヒロイン・ぱいぱいは、わがままな支配者・五目殿下によりラーメンに変えられてしまった彼氏のレイモンドを追い、人間界に降り立つ。そして家政婦として働きながらさまざまな事件を解決していく。
登場人物
ぱいぱい
主人公にしてヒロイン。母親のいない高山家に居候する。
五目殿下
わがままな中華魔界の支配者。ぱいぱいに惚れており邪魔なレイモンドに魔法をかける。
ヌルハチ
五目殿下の部下。
タクラマカン
ヌルハチの相棒。
レイモンド
ぱいぱいの彼氏。魔法でラーメンに変えられ逃亡途中にナルトを落としていった。
高山行男
考古学者でアキラ達の父。
高山アキラ
三馬鹿兄弟の長男。小学校1年生の問題が解けない程頭が悪い。
高山トオル
三馬鹿兄弟の次男。3兄弟の中では唯一頭が良いがイタズラ好き。
高山シゲル
三馬鹿兄弟の三男。幼いがリア充。
三軒茶屋小百合
行男の姉。事あることに暴走し、3兄弟やぱいぱいを巻き込む。
主題歌
オープニングテーマ「あの娘が街にやって来た!」
エンディングテーマ「星空のダイアリー」
作詞:佐藤ありす/作曲:本間勇輔/編曲:信田かずお/歌:朝川ひろこ
打ち切り
本作は本来であれば一年クールになる予定であったが、わずか半年で放送終了になっている。
これは、主演の小沢なつきが突如降板したためで、新規で企画を立てる余裕がなかったため、急遽世界観やスタッフを共通する続編『魔法少女ちゅうかないぱねま!』が制作された。
ドラマ自体はメインターゲットとなる女児を中心とした低年齢層から、アイドルファンのコアな層まで幅広い人気を獲得しており、小沢自身のアイドルとしての人気も高まっていた時期であったことから、視聴者に大きな衝撃を与えた。
小沢の降板理由については複数の説があり、その中でも「男と駆け落ちした説」が有名であるが、小沢が芸能界を引退(※降板を機に引退したあと1993年に一度復帰するが数年で引退。その後AV女優として再デビューしたが2年ほどで引退している)したこともあって詳細は不明である。
2003年ごろに小沢がバラエティ番組で「当時仕事のスケジュールが立て込んで精神的に追い詰められ、当時のマネージャーと駆け落ちまがいのことを計画したが、決行当日に相手が待ち合わせ場所に来なかった」とある程度認めるような発言をしたとされる。ただし、深夜番組のワンシーンでの発言であることや、実際の経緯やまた引退後の小沢の動向も不明であるため、確証はない。
なお本作は『ぴょんぴょん』(小学館)にて漫画版が連載されており、打ち切りと作品交代は当然、漫画版にも影響を及ぼした。
その際には話を収めるために「ぱいぱいが海に行ったら突然レイモンドに遭遇し二人で手に手をとり、高山兄弟には『別れが辛いから』と手紙だけ残して中華魔界に去っていく。結果として途方にくれる高山兄弟だったが、そんな彼らの元にはいぱねまが現れる」という超展開の連続技となってしまった。
のちにこの漫画版の作画を務めた谷沢直は、この超展開の連続に対して総ツッコミを行ったあげく(漫画内の)ぱいぱいの所業を総じて「なんつー勝手な女だ」と小沢を皮肉る、あるいは漫画の展開について自虐するコメントを残している。
余談
アニメ『夏のあらし!』では主人公・八坂一の通う喫茶店「方舟」のマスターが小さい時にこの番組を見ていたことを話しており、タイトルだけ聞いた一がすんごいいやらしい番組と勘違いしていた。
(第14話では名乗った際にギャング(ヌルハチが変装)に「ぱいぱい?お前なんかペチャパイだ!」と言われ激怒していた。)
関連タグ
じゃあまん探偵団魔隣組→魔法少女ちゅうかなぱいぱい!→魔法少女ちゅうかないぱねま!