概要
「スケバン刑事Ⅲ」は1986年10月31日から1987年10月まで全42回放送されたテレビドラマで、正式名は「スケバン刑事Ⅲ少女忍法帖伝奇」である。 前作で原作のネタを使い切った為、故・和田慎二の別作品・「忍者飛翔」を下敷きに、「スターウォーズ」へのオマージュを混ぜたオリジナル作品と言える。
当初は番外編「スケバン忍法帳」として企画され、浅香唯と中村由真他一名の出演で1~2クール程繋ぎで放送して、87年以降に改めて「スケバン刑事Ⅲ」(本作とは別物で大西結花主演・他二名共演)を放送する予定だった。(即ち、87年2月に公開された映画版は三代目スケバン刑事のお披露目も兼ねる筈だったと思われる)
本作はこれまでと嗜好を替え主人公を三姉妹とし、敵を忍者軍団にしアクションに変化球を付けようとした。
しかし、前二作と余りにかけ離れてしまい、視聴者からは支持されるも作者の支持を失い「スケバン刑事」が使えなくなり、次作を予定していた「スケバン刑事Ⅳ」は企画を変え「少女コマンドーIZUMI」になった為、シリーズ最終作になったと同時に、東映少女ドラマシリーズのその後を決めてしまう。
放送終了後、オリジナル映画「風間三姉妹の逆襲」が作られ、此方は一切忍術が登場せず、純粋なアクション映画となっている。
放送データ
放映:1986年10月30日~1987年10月29日(全42回)
出演:浅香唯 大西結花 中村由真
登場人物
主人公サイド
風間唯(三代目麻宮サキ)-(演・浅香唯) 三代目スケバン刑事であり風間三姉妹の末妹。歴代スケバン刑事で最もハードな戦いを強いられる。
風間由真-(演・中村由真) 風間三姉妹の次女。リリアンを武器にし、リリアンの由真と呼ばれ恐れられている。
風間結花-(演・大西結花) 風間三姉妹の長女。折り鶴を武器にする。第一話で父が暗殺された為、風間家を切り盛りせざるを得なくなったのと、スケバン刑事としての任務に追われた為留年し、19歳の高校3年生になってしまう。
城戸礼亜-(演・福永恵視) 前半に登場する風間三姉妹のお目付役。普段は唯達の学校の図書館の司書を務めていた。 出演スケジュールが付かなくなり、第20話で非業の死を遂げ、彼女の死は三姉妹に大きな影を落とす。(やはり死亡フラグを立てていた)
元ネタは「スターウォーズ」シリーズのレイア姫なのは言うまでもない。
般若(依田一也)-(演・萩原流行) 風間家父・小太郎暗殺後に三姉妹を導く。仮面ライダーのショッカー幹部に例えれば地獄大使と言える。 普段は仮面を被っており、時折素顔で唯達の学校の教師として三姉妹を見守っている。
帯庵和尚-(演・田中保) 唯の祖父で、寺の住職を務める。
風魔一族の首領的存在と言える。元ネタはオビワン・ケノービ
風間小太郎-(演・伊藤敏八) 第1話のみ登場、唯との再会を目前に暗殺される。
暗闇指令-(演・長門裕之) 新たな敵・影と戦う為、風間三姉妹をスケバン刑事に任命するも、最後のスケバン刑事となる。
影
シリーズ最強の敵
翔-(演・林美穂) 前半は「謎の美少女 ????」のクレジットが付いていた、影の表向きの首領。正式名は破愚礼翔。実は唯の生き別れの双子の姉だった。因みに冥王計画ゼオライマーOVA版の鉄甲龍首領・幽羅帝は彼女がモチーフだった。
オト匕-(演・森村聡美) 翔の側近で、任務を失敗した忍者を処刑する際には帯を巻く担当である。
ミヨマ-(演・屋敷かおり) 翔の側近で、任務を失敗した忍者を処刑する際には針を吹く担当である。
果心居士-(演・佐伯二郎(声・飯塚昭三)) 後半から登場する影の真の支配者。自らの野望達成の為に、様々な妖術と策を弄する。
六天聖王-(演・小林亜也子) 最終回の儀式で変貌した果心居士の真の姿でラスボス。
この編者だけでなく、当時の視聴者を唖然とさせたのは言うまでも無い。
大人の事情に振り回される
当初のスケバン刑事IIIは大西結花が主演で共演二名、スケバン忍法帖は浅香唯、中村由真他一名が出演する予定だった。しかし、大人の事情でニコイチ統合される事になり、双方の出演予定者から3人が選ばれ、本作となった。
作者に無許可でこう言う事をしたからお怒り奉るのは当然で、TV版を以て打ち止めになる筈だった。しかし、関係者が作者に頭を下げて映画「風間三姉妹の逆襲」が作られたと言われており、此方は大西結花が実質主役を務めた。
関連項目
スケバン刑事Ⅱ・前作
少女コマンドーIZUMI・次作で打ち切りになる。