概要
週刊少年ジャンプにて1982年~1983年に連載された、車田正美の格闘忍者ファンタジー漫画である。
単行本全10巻、文庫本全6巻。
忍者漫画だが現代を舞台にしており、最初は一応学園モノとしてスタートするためか、登場キャラはほぼ全員学ランかセーラー服を着用している。
木刀、または超能力や特殊な忍術で戦うバトルが主軸だが、前作にあたる「リングにかけろ」とは異なり、登場人物の多くが俗世間から離れた理で生きる存在であるため、血で血を洗う闘いが多く、リアルに死人も結構出ている。
学ランは着ていても学校に行っているのは最初の方だけで、2巻辺りから火を噴くわ雷を落とすわ挙句の果てには対戦相手を亜空間に封印したりと、忍術や超能力が飛び交うSFファンタジー漫画と化した。
ちなみに連載開始当初は、車田が「リングにかけろ」の爆発的ヒットで当時の少年ジャンプの看板作家であったため、読者アンケート人気はしばらくトップであったらしい。
このため鳥山明は当時「いつもトップですごい人ですね車田さんちゅー人は!」と感嘆のコメントを漏らしていた。
しかし中盤あたりから人気が如実に下降し、最後は打ち切り状態で強引に終わることとなった。
そもそも第二部では世界の命運をかけて戦っていたのに、第三部では里の内乱と戦いのスケールが思いっきり低下している(聖剣を失っているので設定的には間違ってはいないが)。
これは、作者の身内に不幸があり、急激なモチベーションの低下に悩まされたために、作者自ら編集部に打ち切りを申し出たためである。おそらく長期休載という形をとっても許されたはずであるが、作者自身の職人気質がそれを許さなかったと思われる。
2003年に『チャンピオンRED』にて由利聡が作画を担当する続編『風魔の小次郎 柳生暗殺帖』が執筆された(しかし17話以降無期限休載中)。
メディアミックス
1989年にOVA化。
2007年に実写ドラマ化したが、単行本にして2巻程度の話を膨らませてあるため、キャラの設定やエピソードが大幅に追加されており、原作では1話であっさり死んだようなキャラにもかなり出番が増えたりしている。
また、多少現代向けのアレンジもされている。
のちミュージカル化もされた。
あらすじ
名門高校白鳳学院(某執事漫画とは無関係)は、関東制圧を目論む不良校・誠士館学園の悪質な嫌がらせによりその評判を著しく落としていた。誠士館学園のバックに忍者集団「夜叉一族」がいることを知った白鳳の女番長・柳生蘭子は、もう一つの忍者の一族・風魔一族を訪ねる。風魔一のやんちゃ坊主・小次郎は、白鳳学院学園長の孫娘・北条姫子に一目惚れし、下野する。
それを知った夜叉一族最強の忍・夜叉八将軍と彼らに雇われた最強の傭兵・飛鳥武蔵は、風魔と白鳳を抹殺すべく行動を開始、それに呼応して小次郎の同胞・風魔一族も反撃のために動き出し、ここに忍の血で血を洗う死闘が始まった…。
登場人物
風魔一族
小次郎
主人公。初期はスカートめくりをしたりエロ妄想夢をみたりと結構スケベ。
竜魔
隻眼。サイキック能力の使い手。相手を鏡の中に閉じ込め砕き割る「風魔死鏡剣」を使う。
劉鵬
巨漢でものすごい力持ち。しかし原作で活躍する場面はほとんどない・・・。
項羽、小龍
双子。鳥の羽の手裏剣と触れるだけで斬れる「風魔百羽陣」を使う。
霧風
霧を自在に操り「風魔霧幻陣」を使う。
兜丸、麗羅
小次郎たちに合流しようとしたが、一撃で武蔵に斃される。
その他
飛鳥武蔵
誠士館に雇われた傭兵。長刀をあやつり「飛龍覇皇剣」を使う。
飛鳥絵里奈
武蔵の妹。病弱でずっと入院している。
白凰学院関係者
北条姫子
柳生蘭子
誠士館関係者
夜叉姫
壬生攻介
夜叉一族の忍び。小次郎を圧倒的な力で退けるが深手を負い、武蔵に「風魔おそるべし」と語って倒れ生死不明となる。「私は別に夜叉一族のなかでは強いほうではないよ」と小次郎に言っていたのだが、ものすごく強い・・。ドラマ版では・・。
影三兄弟
夜叉一族の忍び。