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カレクック

かれくっく

カレクックとは、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』および『キン肉マンⅡ世』の登場人物。
目次 [非表示]

「この世の理不尽にのみ無限の憤りを向け生きる…」

「私はカレーを載せた外道、残虐超人カレクックだーーーーーッ!!」


プロフィール編集

リングネームカレクック
本名シン(超人列伝より)
出身インド
身長200cm
体重105kg
超人強度60万パワー
CV佐藤正治利根健太朗(完璧超人始祖編)

概要編集

『第20回超人オリンピック編』から登場したインド出身の残虐超人

その残虐性極まるファイトスタイルから作中世界でも名の知れた超人ファイターの一人であり、かつてはラーメンマンブロッケンマンと並び「世界三大残虐超人」として名を連ねた存在(ただし、大会以降はラーメンマンと同じく正義超人として活動しており、ブロッケンマンもラーメンマンとの試合で死亡している)。


正義超人入り以降は、キン肉マンの親友として物語でも破竹の活躍をみせるラーメンマンとは対照的に、その後の『王位争奪編』に至るまでほとんど出番が回ってくることのなかったキャラクターである。しかし、読者の間では「頭にカレーライスを載せているヒンズー教の僧侶」というその個性の強烈な外見から、彼の存在が深く印象に残っている者も多い。


タイトル暦編集

★銀河系超人タッグ選手権

人物像編集

容姿編集

身長200cm、体重105kgという、人間からすれば大柄とおもえる数値ながら、超人のファイターとしては細身の体付き。年齢は第20回大会時点で40歳なので、超人界隈は当時からかなりの古株である(ただし、後にその50倍に当たる2000歳スプリングマンが登場したように、超人の寿命はピンキリであるため一概に年配者とは限らない)。


褐色肌にスキンヘッド、袈裟を彷彿とさせるコスチュームの中央には、丸の中に「印(インド)」と書かれたシンボルマークが刻まれている。顔には鼻がなく、目尻がつり上がった鋭い目元と厚い唇、目元から額に向かって伸びる二本線の模様が特徴。


そして、特筆すべきはやはり頭部に載せられた(欧風)カレーライスである。

このカレーライスはただの飾りではなく本物であり、カレクックが超人としてのパワーを発揮するためのエネルギー源であると同時に、彼のファイトスタイルにおける欠かせない武器でもある。当然、無くなってしまうとその力を失ってしまうが、カレーに限らず何かしら食べ物を頭に乗せれば再び力を発揮できるらしい。因みに普段乗せているカレーは非常に美味であるとのことだが、勝手に食べると激怒される。ただしコミック65巻の巻末質問コーナーでは、「八角などはそのまま投入され、他のスパイスもやすりのような粗挽きで、具材も大きめであまり火が通っていない。あくまで武器として使うための物であり、味などは考えていないためどちらかと言えばマズい」と回答されている(一応「ただししっかり食用に作った場合には非常に辛いが美味しい」とも続けて答えているため、用途次第で作り方を変えている模様)。なお、パイルドライバーの形にカレクックがとらえられても、ルーもライスも皿も落下することも無く頭部にくっ付いたままという謎の力で載せられている。


性格編集

世間では三大残虐超人の一角として畏怖されているものの、その本質は優しい心根の持ち主であり、リング上でのラフファイトが得意なだけで、悪の超人と言う訳ではない(そもそもキン肉マンの時代では、後のⅡ世世代と違って残虐超人はファイトスタイルが苛烈な正義超人と悪党超人とで一緒くたにされており、カレクックは前者に当たる)。


後述する過去の出来事がきっかけで、誰かが理不尽に苦しめられたり、虐げられたりするのを極度に見過ごせず、義憤によって残虐ファイトを繰り広げる様になったという。怒りに駆られて冷静な判断力を失い、気づいたら相手を殺していたことも往々にしてあった。公式ガイドブック『キン肉マン 77の謎』でも「そもそも残虐超人には向いてなかったのかもしれない」と評されており、キン肉マンに敗退後は正義超人に転向(正確には復帰)した。


ファイトスタイル編集

初登場の頃は、相手の傷口に頭のカレーを刷り込み、スパイスの効果で相手の感覚をマヒさせるという戦法を主体としており、過去には怪獣を相手に執拗な拷問を行っていたことで知られていた。


2017年に掲載された番外編『キン肉マン超人列伝 カレクック-愛と怒りの聖人-』にて、「頭載格闘術(マーラレスリング)」と呼ばれる超人格闘術を源流としていることが明かされ、そのしなやかな軟体を活かした体術による妙技を披露している。特に蹴り技に関してはラーメンマンにも勝るとも劣らぬ破壊力とバリエーションを持ち、かのブロッケン一族の伝家の宝刀「ベルリンの赤い雨」のように相手の肉体を切り裂いてみせたこともある。


以下、超人列伝以降から明かされた必殺技名を中心に記載。


必殺技編集

ガラムマサラサミング

頭部に乗せたカレーを相手の傷口(もしくは顔)に刷り込む攻撃。プラウザゲーム『キン肉マン 超人タッグオールスターズ』では「カレールー・ガウジング」と呼称されていた。


チャルカスティング

杭を打ち込むようなキックで相手の胴体を貫く鋭い飛び蹴り技。「チャルカ」とはインドの手回しミシンのこと。


オールスパイスシールド

頭部のカレーを相手に投げつける。


マンダラーファイヤーボール

空中からエビ反りのポーズのまま両手を広げ、相手に突進する技。


デモリッション・アーサナ

仰向けに倒れた相手に対し、逆立ちになって落下。両手で作った手刀を腹部に突き立てる。


ガンジスブリーカー

両手を地に付けたまま両足で相手を極めるバックブリーカー。


来歴編集

超人列伝 カレクック-愛と怒りの聖人-編集

頭載格闘術の祖・アジャンタの下、その技を修めるべく弟子の一人・シンとして修行を積んでいた。当時はまだ誠実な正義超人であり、熱心な修行への打ち込みから多くの弟子の中でも頭角を現し、免許皆伝に相応しい実力を身につけるも、アジャンタからは起来の「怒り」に傾きやすい性格を指摘され印可を与えられずにいた。しかし、その素質を惜しむアジャンタは、シンに一年間怒りを禁じる修行の旅を命じ、成し遂げることができたら皆伝を許すと告げる。


シンが修行の旅に出てようやく一年に差し掛かろうとした頃、立ち寄ったとある村にてカレー屋台を営む人間の女性・ミーナと出会う。彼女の器量の良さや空腹だったところを親切に介抱されたことで一目惚れするシンだったが。そこへ村を統治するイギリスの悪行超人ケンブリッジマンの一派が現れ、ミーナをはじめ村人たちから税を押収、拒む者にはその力で制裁を加えるという蛮行を目の当たりにする。彼を許せず自ら止めにかかるシンだったが、直後に師との約束が頭をよぎり、ケンブリッジマンに一方的に殴られることしかできなかった。


翌日、再びケンブリッジマンは村に現れ、今度はミーナの営む屋台のカレーに大麻が混入されているとあらぬ疑いを口実に、部下たちと共に彼女の店を破壊し始める。その理不尽な暴力への怒りからとうとう我慢できなくなったシンは、頭載格闘術において怒りの象徴として禁忌とされるカレーライスを頭に載せてしまう(回想の中でアジャンタは「辛いアレ」と表現していることから、彼の一派では名前を口にすることすらためられていたのかもしれない)。


カレーの力を得て怒りの化身と化したシンは、圧倒的な力でケンブリッジマンたちを惨殺。村は救われたが、シンを称賛する声は無く、それどころかミーナをはじめ村人たちは血に塗れた彼の姿を畏怖し拒絶した。


戒律を破り、救おうとした人々からも冷遇されるシンだったが、すでに覚悟していたのかこれを甘んじて受け入れ、「カレーを頭に載せた外道“カレクック”」の異名を背負うことになる。


残虐超人の戦いは冬の太陽の光と同じである

それは照らしはするけれど 決して暖めはしない──


ちなみに、修業時代は(おそらく頭載格闘術の影響で)辛い物が苦手である事が明かされている。

しかし、その後はカレーを作る場面があるのを見ると、破門後には克服したと思われる。


第20回超人オリンピック編編集

各国の超人たちが一同に介して行われる祭典「超人オリンピック」ではインド代表選手として出場。予選競技を勝ち抜き、決勝トーナメントまで上り詰める。


初登場時は前哨戦であるラーメンマンVSブロッケンマン戦にて、惨殺されたブロッケンマンの遺体から流れた血を舐めるという奇行に走っており、対戦予定だったキン肉マンを震え上がらせた(TVアニメでは流石にその描写はカットされ、試合直前までヨガのポーズをとっていた)。

また、アニメ版ではブロッケンマンがラーメンマンにラーメンにされて食われたの件もあって、キン肉マンに対し「カレーライスの豚肉にしてやる」と宣言していた。


実質的な公式デビュー戦となったキン肉マンとの対戦でも残虐ファイトで圧倒し、キン肉マンの頭部に付けた傷口にカレーを刷り込み苦しめたが、途中、頭のカレーをうっかり割ってしまい、本来の力を出せなくなってしまう。スパイスの刺激で興奮状態となったキン肉マン、さらにカレーの代用品としてキン肉マンの好物である(観客から奪った)牛丼を載せてしまったことで形勢は逆転、暴走した彼に恐れをなして慌てて(アニメでは「マッスルデビル(筋肉の悪魔)に殺される」と悲鳴をあげながら)逃走。棄権負けとなった。


夢の超人タッグ編編集

本編には登場せず、サイドストーリーとして正義超人に転身後、スカイマン「ジョイント・ナンバーワン」を結成したことが綴られている。

カレクックの方からスカイマンを誘ったそうだが、当初は彼が元・残虐超人であることを理由に拒絶されていた。 しかし、後に彼の残虐ファイトに隠れたプロ根性や実力に自分に足りないものを見出したスカイマンはタッグ結成を了承。銀河超人トーナメントでは優勝を果たした。


…が、その後四次元殺法コンビに敗れ、本編である超人タッグトーナメントには出場できなかった。因みにパチンコ版ではティーパックマン「インド洋アライアンス」を結成している(ティーパックマンと組んだのは原作者が同じ為だろうか)。


完璧超人始祖編集

正義超人たちの祭典に参加していたが、突如完璧・無量大数軍を名乗る完璧超人一派が乱入し、地上の超人たちの粛清を宣言する。


彼らを制止しようとベンキマンと共に無量大数軍に挑むも、そのリーダー格であるストロング・ザ・武道の特殊能力「零の悲劇」により超人パワーを奪われただの人間にされてしまう。もともと地球人タイプの超人であるが、人間にされてしまった時の姿は黒髪に口ひげを蓄えた壮年男性の姿で、超人の頃の面影が殆ど無かった


その後の経緯は不明だが、始祖たちとの戦いの後はベンキマン共々元の超人の姿に戻っている。


この頃には人間達にも自身のスタイルを受け入れられているようで、祭典では屋台で子供達に手作りのカレーを振る舞う姿が描かれている。


オメガ・ケンタウリの六鎗客編編集

始祖たちとの戦いから程ない頃、魔王サタンの命を受け、「オメガ・ケンタウリの六鎗客」が地球に襲来。サイコマンの研究資料を狙いサグラダ・ファミリアに侵攻する。たった一人で戦おうとするウルフマンの援護をするべく、超人オリンピック本選出場経験者のティーパックマン、ベンキマン、カナディアンマンと共に駆け付け「正義の五本槍」として共闘。六鎗客の一人マリキータマンと交戦する。


しかし、六鎗客との実力差は予想以上に大きく、ティーパックマンはヘイルマンに、カナディアンマンはパイレートマンに、ベンキマンはギヤマスターに…と、戦友たちが次々とマットに沈められていった。しかし、そうした中での六鎗客たちの動向から、彼らの目的が自分たち正義超人の持つ「友情パワー」にあることを察知する。


そこでカレクックは、六鎗客の狙う友情パワーを封印し、残虐超人としてのファイトスタイルを展開。世間への憤りを闘争心の糧とし、残虐性極まる数々の技を駆使し、マリキータマンの腹部に大きな傷を与えて優位に立つ。初披露のクラッチ技「ガンジスブリーカー」でトドメを刺しにかかるが、マリキータマンは自身も並の覚悟で闘ってはいないと言わんばかりに、自ら傷口を広げるほど身体を反らしこれを脱出。その後、マリキータマンはカレクックの残虐ファイトが「仲間を殺された怨み」から来る理性的な怒りであると看破し、そこから「未来を予測し確実な勝利を得る」と宣言。


カレクックは、マリキータマンの指摘を振り払うが如く、さらに自我を失うほどの怒りを燃え上がらせ立ち向かうが、今度は後先を考えない突出が災いし彼の「ミミック・ニードル」によるカウンターを受けてしまう。以降も繰り出す技はすべて破られ、さらに右足を損傷したことでフットワークにも支障を来し、一転して窮地に陥るが、ようやくその場にキン肉マンとミートが到着する。


キン肉マンに対し、先着した自分たちで六鎗客を抑えられなかったことを詫びるとともに、彼らの狙いがサイコマンの研究していたマグネットパワーだけでなく、正義超人たちの友情パワーとその発動原理であることを伝える。


彼らに決して友情パワーの真価を悟られてはならないと危惧するカレクックは、最後まで残虐超人として戦うことを宣言し、狂気の形相でマリキータマンを強襲。怯んだマリキータマンの腹部の傷を目掛け「チャルカスティング」でトドメを刺しにかかるも、先程の右足の負傷で僅かな隙きが生じ、それを捕えたマリキータマンによりキャッチされた末に左足を叩き折られ、続けざまに彼のクラッチ技「コキネリツイスター」でホールドされる。


強烈な締め付けで左横腹が裂ける激痛の中、キン肉マンたちから正義超人として友情パワーで闘うように懇願されるも、カレクックはなおも歪んだ笑みを浮かべて残虐の精神のまま闘おうとする。しかし、マリキータマンからは心で涙しながら必死に憤怒の姿を演じていることを見透かされ、技を極めながら言葉でも追い詰められたカレクックは、腹部の崩壊とともにとうとう目から大量の涙を流出してしまう。それでもなお残虐超人であろうとする気骨をみせたカレクックに対し、マリキータマンは一種の敬意を込め、アリステラの命に背き彼を武人として葬ろうと、裂けた腹を「天道羽根抜刀」によって更に切り裂き介錯した。


介錯と同時に頭のカレーもリングに落ちて砕け散り、カレクックにも最期が迫っていた。キン肉マンに向け、ここに来てくれただけでも嬉しかったと感謝を伝え、後のことを頼み息絶えた。


ちなみに正義の五本槍で唯一死亡表現が描かれたことなかった超人だった(Ⅱ世では正義の五本槍で唯一故人扱いされているベンキマン、一度プラネットマンに殺され人面プラネットに人質に取られたカナディアンマンを除けば)が、彼が死んだのは連載開始から長年過ぎてながらもこのマリキータマン戦が初めてである。


その後、ルナイトに苦戦するウルフマンの前に一つの魂となって仲間たちと共に声援を送る。そしてキン肉マンを助けてやってほしいと言葉を遺して立ち去って行った。


キン肉マンⅡ世編集

伝説超人(レジェンド)の一人として扱われ、かつての仲間たちと共に正義超人養成機関「ヘラクレスファクトリー」を立ち上げ、自身も教官として新世代超人の指導に携わる。

『Ⅱ世』のあらすじでは、イメージ映像ではあるが悪の超人としてサンシャインらと共に人間を襲うシーンが描かれているが、これはⅡ世では残虐・悪魔・完璧の三派閥が悪行超人の一派として統一された影響だと思われる。


余談編集

ピクシブでは、彼のイラストの他に、頭にカレーを乗せている人物イラストにこのタグが付けられる場合もある。

また、このキャラをモチーフにした「カレーマン」というプロレスラー(頭にカレーを再現するためか覆面レスラーである)が実在している。


ちなみにカレクックの考案者である吉田剛氏は教職者であり、彼の受け持つ授業で配布されたプリントには度々カレクックとティーパックマンが解説役として登場していたという。


以降の登場を自粛された一因として、一部ではその食品(カレー)を武器にして戦うというファイトスタイルこそが、食べ物の扱いに厳しい読者への配慮があった…とも考えられている(実際、連載当時は作中に登場する必殺技を真似ることを校則で禁止する小学校もあった)。…もっとも、同じくカレーを武器に戦うヒーローは他作品にも存在するため、一概にこれが主要因であるとも考えにくい。


キン肉マンレディー編集

カレー

登場キャラクターが女体化されたスピンオフ漫画『キン肉マンレディー』では、彼をモチーフとする女性超人カーリー・クックが登場。外見は額にビンディをつけサリーを着込んだ褐色肌の美女であり、頭にカレーを載せている事以外に原作の面影がないともいえる。原作とは異なりクリーンファイトを展開する正義超人であると同時に、日本国内でも人気のカレー専門店を経営するなどで人々からも愛されている。


ミート君(作中で唯一原作世界の記憶を保持している)が彼女のカレー屋のマスコットキャラとして原作のカレクック本人のデザインを提供したところ、彼女からは「非常に面白い顔」と気に入られていた。


関連タグ編集

キン肉マン

インド カレー

残虐超人正義超人

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