概要
新シリーズ「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」から登場する超人勢力。
“完璧・壱式”ゴールドマンとしての自我を取り戻した悪魔将軍に代わって魔王サタンが見出した「サタンの憎しみの感情を体現する真の悪魔となりうる一族」こと「オメガの民」に属する6人の超人で構成される。
敗死した仲間の仇討ちを「使命」の達成をもって果たそうとするなど強い仲間意識を持つが、根本的に同族間での結束に帰結しており、それ以外の超人を虫ケラのようにいたぶり殺すことに何の躊躇も持っていない。戦いの中で敵への敬意を表する者もいるが、それはあくまで健闘や信念を認めただけであり、正義超人のようにわかり合う気は一切ない。
全員が「宇宙の辺境の地」ことオメガ・ケンタウルス星団の出身だが、元々は太古の地球で繁栄していた超人の子孫であり、ギヤマスターによると、彼らの祖先は太古の昔、神の名を騙り攻めてきた一味と大激闘を繰り広げ、それまで築いてきた全てと共にこの星を追われたのだという。
襲来
完璧超人軍との戦いが終わって間もない地球に突如として現れ、若手正義超人の訓練施設として再建されたばかりのサグラダ・ファミリアを襲撃。
地球の超人を皆殺しにすると共に、サイコマンが発見した「最初のアポロン・ウインドウ」=マグネットパワーを自分たちの物にしようと画策する(……と当初は思われていたが、実際の目的は違っていた)。
サタンが放った結界によってキン肉星・マッスルガム宮殿に幽閉されたアイドル超人軍団に代わって地球を守るために引退を撤回したウルフマンら「正義の五本槍」こと超人オリンピックファイナリストチームと対峙した。
マグネットパワーだけでなく「火事場のクソ力(友情パワー)」についても興味を持っており、マリキータマンとルナイトに対してアリステラが「犠牲になってでも相手の力を最大限まで発揮させ、その様子を見させる」追加命令を下した。
キン肉マンが現地に駆けつける中、4勝1敗で五本槍との対戦が終了。直後、今度はキン肉マンスーパーフェニックス、キン肉マンゼブラ、キン肉マンビッグボディ、キン肉マンマリポーサら元・キン肉星王位継承者候補が現れ、サグラダ・ファミリアから新たに5か所の対戦場所(世界各地の城跡)を提示されたため、各々が先行して移動し、各地でキン肉マンら5超人を待ち受けた。
いずれの対戦場所もオメガの民がかつて地球で拠点としていた跡地であることが明らかとなっている。
真相
彼らが地球に来た目的はマグネットパワーの最新研究結果と火事場のクソ力を手に入れることだった。
彼らの母星は現在滅亡の危機にあり、その再生させる手段としてふたつの力が必要なことが分かった。その一つが、「星の力」ことマグネットパワー。しかしそれだけでは足りず、母星を真に再生するためには「人の力」が必要であった。
当初それを聞いたオメガの民は安堵していた。特殊な進化を遂げ世代を重ねた現在のオメガの民は何千万パワーという超人強度を身に着けていたため、力には自信があったのである(『キン肉マンⅡ世』では「今の超人は大型化が進んでおり(超人強度)1000万を超える超人はザラにいる」との発言もあるので、オメガの民にも似たような事情があっておかしくないと思われる)。しかし、そんな超人強度があってもなお彼らは無力であった。
一方で、かつて彼らが追われた星である地球はたかだか100万パワー程度の超人や人間などの動物しか住んでいないにもかかわらずますます繁栄していた。
自分たちと何が違うのか?──オメガの民は長年の研究の末、一つの仮説にたどり着く。それが、キン肉マンたちが持つ「火事場のクソ力(友情パワー)」。それこそが母星を再生するための最後の希望になるかもしれないと、この力の謎を解きに来たのである。
ファイトの最中、そんな事情をパイレートマンから聞いたキン肉マンは「なんでそれを先に言わないのか」「そもそも闘う必要がない」「いくらでも協力する」と告げる。しかし、オメガ・ケンタウリの六鎗客が最初にそれを言わなかったのは、仮に協力した場合、後々キン肉マンたちを騙すことになってしまうからであった。
彼らには星の再生以外にもう一つの大目標があった。「完璧超人始祖編」での壮絶な戦争の末キン肉マンらとの和解に至ったザ・マンの首級を獲ること、そして全ての超人の神の打倒である。
しかしそれも復讐のためではなく、彼らの正義を示すという意思あってのもの。そもそもオメガの民を含めた超人はカピラリア大災害など神々の気まぐれによって翻弄される運命を辿っていた。それを変えるのがオメガの民の真の悲願であり、サタンと手を組んだのもそのため。ただし、サタンはあくまでも情報源に過ぎず、自分たちの意思で動いていると強調している。
そして真の和解へ
過去のオメガの民は「アンティキティラ島の機械」のような、今も地球に残るオーパーツの起源となった文明を築き、最盛期には地球の大部分を支配していた。だが発展の名のもとに数々の蛮行も働いており、そのことにザ・マンは頭を抱えつつも、自分の想像を越えて独自の発展へと至った彼らに超人の進化の可能性を確信し、カピラリア大災害から超人たちを救った自分の行いは正しかったという自信を得ていた。
ザ・マン自身はもう少しだけ彼らの発展を見守りたいと考えていた。だがオメガの民はマグネットパワーの存在に気付いてしまい、その力を研究して神を目指そうとし始めた。当時はまだ超人に対して天上の神々の目が厳しい時代だったこともあり、超人殲滅を目論む一派に殲滅の大義名分をもたらす危険性が生じてしまい、それを憂慮したザ・マンは完璧超人始祖にオメガの民の粛清を命じつつオメガ宗家(オメガマン兄弟の家系)を宇宙に逃がした──というのが、過去の真相だった。
ザ・マンは新たな地での発展を願ったのだが、結果的にオメガの民は憎しみと恨みに凝り固まり、負の連鎖の道を突っ走ってしまうこととなる。
超人墓場にてザ・マンからこれらの真相を聞き、さらにザ・マン自身から謝罪されたアリステラとパイレートマンはついに憎しみを捨て、キン肉マンとの友情を胸に、故郷の復興のため地球を去ることを決めた。
……かと思われたが、先の戦いで超人たちが疲弊し、神々の侵攻に対する備えが万全ではない今こそ超人殲滅の好機と言わんばかりに、調和の神たち超神が先手を打って地上に下天を始めてしまった。
彼らも帰らずに戦うことになるのかと思われたが、フェニックスと知性の神の策謀により超神たちを24時間足止めすることに成功。その間にザ・マンから星の救済が最優先であり、完了後に戻ってきてとっておきの切り札となって欲しいという願いを受けて、急ぎ彼らの星へと帰還した。
メンバー
オメガマン・アリステラ
オメガ宗家の現当主。かつてキン肉星王位争奪編でキン肉マンと戦った“超人ハンター”オメガマン(本名:オメガマン・ディクシア)の実の兄でもある。
超人強度はディクシアと同じく8600万パワー。
第二戦で日本の安土城にてフェニックスと対決する。
笑い声は弟と同じく「フォーフォフォフォ」。
ヘイルマン
氷の肉体を持つ超人。名前の「ヘイル(hail)」とは英語で雹のこと。
超人強度は5500万パワー。
サグラダ・ファミリアの特設Cリングでティーパックマンと対戦、第二戦ではルーマニアのブラン城でマリポーサと対決する。
笑い声は「カキカキ~ッ」。
パイレートマン
海賊のようなコスチュームに身を包んだ巨漢超人。一人称は「吾輩」。
超人強度は8000万パワー。
サグラダ・ファミリアの特設Eリングではカナディアンマンと対戦、第二戦ではソ連(作中当時)のスワローズ・ネストでキン肉マンと対決。
笑い声は「ムマムマ」。
ギヤマスター
体の中央に備わった歯車状のメカニズム「ジェノサイドギヤ」であらゆる物を粉砕する巨漢超人。
超人強度は6200万パワー。
サグラダ・ファミリアの特設Aリングでベンキマンと対戦、第二戦では中国の紫禁城でビッグボディと対決。
笑い声は「ギュイギュイ」「ギシュギシュ」。
マリキータマン
テントウムシのようなデザインの超人。黒い斑点模様の付いたマスクに覆われ、目も鼻も口もない顔が不気味。名前の「マリキータ(mariquita)」とはスペイン語でテントウムシのこと。
超人強度は8200万パワー。
サグラダ・ファミリアの特設Dリングでカレクックと対戦、第二戦ではイタリアのカステル・デル・モンテでゼブラと対決。
笑い声は登場時は「フィーフィフィフィ」だったが、カレクックとの試合以降は「キャミキャミ」に変わった。単行本では後者に統一されている。
ルナイト
超人強度は6500万パワー。
サグラダ・ファミリアの特設Bリングでウルフマンと対戦する。
笑い声は「ガウガウ」。
余談
悪魔超人以降の敵超人は「スグルをはじめとした正義超人たちは自分たちのの生き様は自分たちとは相いれず目的に邪魔なので排除すべき存在として襲撃する。」というスタンスで敵対する傾向が主流なのだが、オメガ・ケンタウリの六鎗客は「地上の超人が護っている先に自分たちの問題を解決するために必要なお宝が眠っているので闘うことになった。また、数々の奇跡を起こした正義超人の象徴ともいえるキン肉マンは超人の鑑ともいえる存在で、尊敬しているし可能ならば抹殺するのではなく味方にしたい。」と事情はともかくキン肉マンを最初から認めている珍しい組織だったりする。
関連タグ
キン肉マン サタン(キン肉マン) オメガマン オメガマン・アリステラ
悪魔の種子 Ⅱ世にて登場した、サタンと関わりのある六人組の敵勢力。たたしこちらは、ドーピングが施された弱小超人が大半である。