「金さえあれば、王位だって買えるんだーっ!!」
概要
農夫の青年・パワフルマンに邪悪五神の一人・技巧の神が乗り移った姿。その名の通り、キン肉マンによく似たマスクと、全身にゼブラ(シマウマ)模様のボディスーツをまとった超人(裸ではない)。
他の運命の王子たちと共に、第64代キン肉星大王に即位するキン肉マンの戴冠式に乱入。その後、真の王子が誰なのかを団体戦による勝負で決する「キン肉星王位争奪サバイバル・マッチ」に名乗りを上げる。
タイトル歴
●超人ボクシングスーパーヘビー級
人物
金による取引でしか人を信用しない冷徹な現実主義者。
チームメイトも、各々の実力を見込んで金の力で集めており、先の対戦で敗れたマリポーサやキン肉マンチームのような精神的な信頼関係は皆無と言える。(とはいえ、パルテノンとのタッグ戦ではいくつかのコンビネーションを披露している。)
ゼブラに転生する以前から、己の実力を高めるため、日々の重労働の傍ら鍛錬を欠かさず続けていたなどストイックさも持ち合わせており、超人ボクシングのスーパーヘビー級チャンピオンのタイトルを所持するだけでなく、この頃既にキン肉族三大奥義の一つでもある「マッスルインフェルノ」をも体得していた。
技巧超人の名に相応しく、技を完全に仕掛けられた状態で特殊能力に頼ることなく純粋なテクニックのみでキン肉ドライバーを破った最初の超人である(悪魔将軍は、股を閉じて技を仕掛けられるのを防いだり、特殊能力であるスネークボディで躱したりしたので除外)。ただしこの時のキン肉マンは火事場のクソ力を失っており、落下速度に本来の勢いがないなど完全なキン肉ドライバーではなかった。
試合ではボディの色を「白(白/黒)」と「黒(灰色/黒)」の2パターンに変化させており、それぞれ特徴的なファイトスタイルを併せ持っている。普段は「白」の姿によって自分の残虐性を中和し、紳士的な性格と正統派のクリーンファイトを見せるが、パルテノンによって本来の姿である「黒」に戻ると反則技も辞さない残虐ファイトを展開する。
新シリーズである『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』では、これらの変化は単純なファイトスタイルの切り替えではなく人格そのものが入れ替わる二重人格とされており、親友のキッドを手にかけたことで生じたやりきれない気持ちから自己防衛のために残虐な「黒」の人格が誕生したと説明されている。
そう言った自身の後ろめたさに向かい合ったため、時間超人編ではタッグを組んだマリキータマンを守り、息を合わせようとする面を見せ始めている。
作中での動向
来歴
キン肉星の農家の子であるパワフルマンは、地球時間でいう1960年4月1日、キン肉スグル(および他の王子たち)と同じ日に「キン肉星第8病院」にて誕生した。生後間もなく入院していた病院が火災となるが、他の赤ん坊たち共々、それぞれの母親の手で救出される。
貧しい家庭で幼少期を過ごしていた彼は、いつか偉い超人となって家を出ることを夢見るようになり、そのためには莫大な資金が必要だと考え、人が嫌がる仕事も率先して引き受けるなどがむしゃらに働き続けた。愛馬であるシマウマのキッドの協力もあり、数年後には90億超人ドルもの資金を得ることに成功する。
この金を元手に超人協会に裏口入会を図るが、僅かに資金が足りず、取引を受けた交渉人から不足額の代わりとしてキッドの毛皮を要求される。最初は躊躇したパワフルマンだったが、悲願であった夢の実現を優先し、苦楽を共にした親友キッドをマッスルインフェルノで岩に叩きつけて惨殺する。以降、己の目的のためなら友をも裏切ることを厭わない「鉄の精神(アニメでは非情の精神)」を得る。
キン肉星王位争奪戦
サバイバル・マッチ本戦ではシード枠を獲得し、二回戦にてキン肉マンチームと対戦する。一回戦のマリポーサ率いる飛翔チームとの戦いで疲弊していたキン肉マンたちを相手に優位に試合を進められるかに思われたが、第1試合では超人墓場から復活したウォーズマン、第2試合ではバイクマンに変装していたラーメンマンと、次々と現れた乱入者によってチームメンバーが尽く倒されてしまう。
最後は、キッドを惨殺して以来使う事のなかった完全版マッスルインフェルノでキン肉マンに止めを刺そうとしたが、キッドの魂が乗り移ったキン肉マンのロデオスキップで体勢を崩し、動揺した隙に「未完成版マッスルスパーク」を受けて敗北。
キン肉マンから「キッドもこうやって逃れる事が出来たが、友の為に自らを犠牲にした。キッドの行為こそ友情である」と告げられ、キッドに涙ながらに詫びつつ意識を失った。
なお、原作では殺された時のキッドの気持ちについてキン肉マンに尋ねられた際に「そりゃ俺を恨みに思って死んでいっただろうさ、しかしオレは後悔なんてしていないぜ」と嘲笑ったが、アニメ版では「知るか!だが貴様にも分からせてやる」と苛立たしげに吐き捨てており、キッド殺しが心の傷となっている事が窺えた。
試合後、担架で運ばれる最中にプリズマンから「レインボーシャワー」を浴びせられ、アッという間に骨だけになって死亡した。
アニメ版ではあまりにも残酷すぎる為か上記の場面は描かれなかった。
後のインタビューでは自分が王に向いていなかった事を痛感し、故郷に帰って再び農夫に戻るつもりだとコメントするなどかつての優しい心を取り戻している。
新シリーズでは
2011年から開始された新章「完璧超人始祖編」では本人こそ登場しないが、ステカセキングが新たな超人大全集にゼブラのカセットを加えており、完璧・無量大数軍のターボメンとの戦いでマッスルインフェルノを放っている。
更にその続編である『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』において他の王子たちと共に復活。
他の王子と違って王位争奪編での死が明確だったが、再生に関しての経緯は不明なままである。ただし、作者のゆでたまごは、なぜゼブラが復活したのかというファンからの誌上質問に「きっとキン肉マンの最後のフェイス・フラッシュでジェロニモたちと一緒に蘇ったんですよ」と答えている。
フェニックスマンが知性の神の力で再びスーパーフェニックスとなり、知性の神の古い知己の暴走を止めるという使命を受けたことに際し、同じくかつての王位継承者候補たちが一堂に会した(ソルジャーは除く)。超人博物館に展示されている各々のマスクを再び被り、スペインのサグラダ・ファミリアを襲撃したオメガ・ケンタウリの六鎗客の前に立ちはだかった。
当初は、王子たちと戦うことに利益がないと拒んでいた六鎗客だったが、フェニックスが、彼ら「オメガの民」に縁があるとされる世界各地の古代建造物を指し示すと「捨て置けぬ」と目の色を変え、その各地にて王子たちの挑戦を受けんと臨戦態勢に転じた。
ゼブラはイタリア・デルモンテ城に向かい、正八角形の特殊なリングにてマリキータマンと対決する。序盤は得意のテクニカルファイトでマリキータマンの攻撃を華麗に受け流して見せていた。しかし、マリキータマンも自身のテントウムシを模した奇怪な技で対抗する。
しばらく試合展開が拮抗する中で、マリキータマンからその正統派のクリーンファイトが物足りないと評され、彼が頑なに拒んでいる「黒」の精神を呼び起こさせようと揺さぶりをかけられる。極めつけとして、マリキータマンはゼブラの心の奥底に抱えるキッドの存在を看破し、その弱みに付入るように自身の斑点の黒色をゼブラへと流し込み、「黒」の精神を呼び起こさせた。
実はマリキータマンが「黒」の精神に固執していたのは、冷静さを欠いたファイトを展開する黒を呼び起こしたほうが倒しやすいという目論見があったためである(メタ的な視点でも『凶器を仕込めずサラブレッドフックやアッパー、フライングヘッドバットが使えない』時点で弱体化と言える)。
実際、序盤こそ荒々しいパワーファイトの応酬で優位にみられたゼブラであったが、先のカレクック戦同様に冷静に技を分析、返されることで、一転して窮地に追いやられてしまう。
それでもなお意固地に自身のファイトを曲げようとしない黒ゼブラの前に白ゼブラが現れ、かつてキッドを殺したのが自分自身であることを認知すると共に、その事実から逃れるために黒ゼブラの精神を生み出し、全ての罪を背負わせていたことを謝罪。その罪を含めて黒ゼブラを己として受け入れ、白も黒もない、唯一人のキン肉マンゼブラとして覚醒した。
しかし、人格統合前に受けたダメージが大きすぎたために、以降の試合はマリキータマンのペースとなり、ついにはダウンを奪われるまで追い詰められてしまう。ゼブラコインから現れたキッドの魂の後押しもあり再び立ち上がり、死力を尽くし再び真マッスルインフェルノを極めようとするも、蓄積されたダメージと疲労により不発に終わってしまう。
最後は、マリキータマン最大の奥義「マリキータ・デッドリーライド」を極められ敗北した。
結果的にマリキータマンの当初の狙い通りの試合運びとなったといえるが、マリキータマン自身は試合後に「実力的には紙一重の差もなかった」と語り、ゼブラの実力を評価する発言をしている(すでに満身創痍だったゼブラに最大奥義を使用したのも、健闘したゼブラに対する敬意があった)。辛うじて意識は失わずに言葉を聞いていたゼブラは、そうした自身への敬意に答えるように、彼ら六鎗客の意志を尊重しつつ「サタンは絶対に信用するな」と、サタンの言葉の中に仕組まれたワナに警戒するように忠告した。
何気に打たれ弱かったようで、アリステラに敗れたフェニックスが早々に回復・戦線復帰したのに対して、彼は何の動きも見せなかった。
(勝利後に駆け出したにもかかわらず、一向にフェニックスと合流できてないマリポーサのほうもアレだが。)
いつまでオクタゴン・リングで寝ているのだろうか?
超神編で実はマリポーサと共に、邪悪神達の情報を元に真の敵時間超人の登場を予期し、中東レバノンバールベックへ駆けつけ、時間超人の先鋒と戦っていたケンダマンを救出する。
ケンダマンからドミネーター、エル・カイトの他に5人の時間超人がいること、そして自分たちは彼らが旧時間超人の重要拠点がこの場所であることを伝えると、ドミネーターがリングを出現させタッグ戦へと誘い出す。ゼブラとマリポーサはリングに入ったその瞬間、空から隕石のように現れたのはかつて死闘を繰り広げたマリキータマンであった。
マリキータマンは禁断の石臼(モルティエ・デ・ピレ)でオメガの星の再生作業に取り掛かる途中、残虐の神から現状知りアリステラから地球に向かう使命を授かり戻ってきたことから戦いに参戦を希望したが、ゼブラ自ら断ろうとする。だがマリポーサは自ら身を引き、タッグパートナーをマリキータマンに譲った。
彼曰く自分とゼブラではファイトスタイルが異なることと、死闘を繰り広げた二人の奇妙な絆と実力を信じて託したことになり、ゼブラはマリキータマンのことを「忌々しい」と思っても実力を認めマリキータマンをパートナーに選び、エグゾセミサイルズが結成した。
実力
技巧の神すらも認めた卓越した格闘テクニックで他の王子候補に比べて四肢を駆使した打撃技が得意。
特に前述の通りパンチ力は凄まじく腕にナックルガードを付けているマリキータマンと互角に殴り合う程。
その一方、しなやかな体躯から繰り出される関節技や投げ技のテクニックも光る。
ボクシングのパンチとプロレスの関節技や投げ技の2種の戦法を使いこなすという点でも白と黒の2色であるゼブラの名に相応しいと言える。
但し、他の王子候補に比べて決め手に欠ける為、超一流の超人が相手だとダメージレースに負けてしまいやすい。
其のため再登場時に己の技の完成度を高めて勝利したマリポーサや王位争奪戦時では見せられなかった三大奥義に匹敵するレベルの完成度の高いオリジナルホールドを披露して連勝したビッグボディとちがい、長らく紙面では勝ち星を挙げたことが無かった。
が、ようやく時間超人編にてマリキータマンとタッグを組みシンクロニティ・インフェルノでドミネーターとエル・カイトを沈めてようやく初勝利を果たした。
真面目に考察するならボクサー系のファイトスタイルと下記のマッスルインフェルノの相性が悪いと言えるのかもしれない。
◆必殺技
メフィストパンチ
ゼブラの得意技。
ボクサー時代に習得した強烈な右ストレート。
セイント・マッスル・パンチ
鉄柱すら容易に凹ませる強力なジャブを連打し、最後にメフィストパンチで閉める技。
格闘ゲーム「マッスルグランプリ2」では最大の必殺技のひとつに採用。
サバンナ・パンチ
軽快なフットワークを活かした両腕によるパンチ。
サラブレッドフック
隠し持っていた鉄球を握り締めて放つフック。
サラブレッドアッパー
隠し持っていた鉄球を握り締めて放つアッパー。
フライング・ヘッドバット
マスクの中に鉄製の凶器を仕込んでのヘッドバット。
リングのキャンバスに罅を入れ真っ二つに破壊するほどの威力を持つ。
ゼブラ サンダーボルトクラッシュ
マリキータマン戦で使用。
ドロップキックを放つと見せかけ、ドロップキックが防がれた瞬間自身の身体を前転させ相手の両足を狩り、そのままパイルドライバーに繋げてリングに叩き付ける超高難易度技。
ゼブラ ヘルズサブミッション
マリキータマン戦で使用。
素早く相手の背後に回り込み、逆立ちの体勢で両手で相手の両脚を掴んで固め、自身の両足で相手の腕を挟み込む形で締め上げる難解な立ち関節技。
ゼブラ ブラッディドライバー
マリキータマン戦で使用。
パイルドライバーで相手の脳天を鉄柱に叩きつける。
元の技はキン肉マンのキン肉ドライバーへの返しとして使用した『グッバイ キン肉ドライバー』。
キン肉族三大奥義のひとつ。
詳細は個別項目にて
シンクロニティ・インフェルノ
”エグゾセミサイルズ”にてマリキータマンと共に使用したツープラトン。
ゼブラがインフェルノ&マリキータマンが逆さインフェルノの形でリングロープ越しに対戦相手を挟み、その状態でロープを滑り対戦相手達をえぐっていき、最後に離陸して場外の壁に激突させる。
pixivでは
フルネームの「キン肉マンゼブラ」より略称の「ゼブラ」のタグがよく用いられている。しかし、
同名の人物が数多く存在するため(『トリコ』のゼブラ・歌い手のゼブラ等)、彼のイラストを探す際は
余談
パチンコ版ではゼブラ柄という外見故に、登場すればその時点で激アツor大当たり濃厚と厚遇されている。