概要
キン肉族三大奥義のひとつとして壁画に描かれている技。キン肉マンゼブラが初使用。正式には「マッスル・インフェルノ」で中黒が入る。
リングのロープを次々と飛び回り分身を作り撹乱(なお、八角形リングで使用した時曰くロープの本数が多いほど仕掛けの速さも威力も向上する)、
上空に蹴り上げた相手の背中にサーフィンの要領で乗り、壁(もしくはコーナーの柱)に激突させる。
要は『ドラゴンボール』の桃白白がやった「柱を投げて飛ばしてその上に乗って移動」の人間バージョンである。見た目がすごく楽しそう。
『キン肉マン』でも特に物理法則を無視した技であるが、そこはゆで理論で解決しておこう。
使用者は前述のキン肉マンゼブラ以外では、後に技巧の神を取り込んだキン肉マンスーパーフェニックスや、ゼブラのカセットテープをセットしたステカセキング、ロールシャッハ・ドットによりゼブラと心をシンクロさせたマリキータマンがいる。いずれも何らかの形でゼブラか技巧の神の力を取り入れていることを考えると、簡単には使用できない難しい技である様子。
何気にゼブラは技の神に取りつかれる前、つまりキン肉王家との関係は何もないパワフルマン時代から使用している。
ゼブラ曰く作中で最初に放った未完成なものと愛馬のキッドに放った完璧なものの二種類あるとのことだが両者の違いは不明(後述するように完璧なものの方にも技として疑問が残る)。
壁画の解釈を間違えて的外れな方向の技を奥儀と宣言してしまい焼かれてしまったマリポーサとは違い、ゼブラは壁画にビームを撃たれていないので偽物という訳ではなさそうだが、他の二つの技に比べても何故これが奥義なのか分らないとファンの中では言われているほどの技である。
なにせこの技が完璧に決まってすらKOされた超人が作中に一人もおらず、痛め技程度に終わっている(一応、この技を食らった相手はいずれもタフネスさに優れている)。
さらにこの技で殺害されていた馬(ゼブラの愛馬キッド)ですら振り落とそうと思えば簡単に出来ていたとされ、技をかけられた側が身体を跳ね上げるだけで簡単に外すことが出来てしまう(キン肉マンもこの方法で攻略している)という三大奥義の外すことができないという前評判とは完全に異なる(これ自体はインフェルノに限ったことではないが…)。
必殺技としての方向性はアシュラマンの「阿修羅∞飯綱落とし」とそう変わらないのに、劇中での扱いは真逆なのが何とも……。
このため奥義の中でも読者の考察が盛んな技で、
- 他の奥義であるマッスルリベンジャーやマッスルスパークは相手を上空に持っていき、その後地面に叩きつける二段階の必殺技なのに対して、こちらは上空に飛ばした後壁に激突させるという変則的なものであることから実はフィニッシュ部分が欠けているのではないかという説
- 大量の敵の中をサーフ移動する事で雑に始末するという作中のような実力の拮抗した相手と一対一で戦うことを想定していないの技なのではないかという説
- キン肉族三大奥義が究極のみねうちを目的にしていると言う設定がついた事から、殺害、致命傷や再起不能に追い込んでいない点を逆手に取った不殺の方面を探求した技なのではないかという説
- キッドは超人ではない馬であるし自殺のような側面もある
- ただし、この説だと逃れやすさや威力不足も含めて奥義としても未完成なのは否めない
- 劇中で披露された技は二大奥義ほど洗練されていない未完成の技であるという説
- 実は2人によるツープラトンではないかという説
等が挙げられている。
派生形
真・マッスル・インフェルノ
オメガ・ケンタウリの六鎗客編にてマリキータマンに対して黒ゼブラが使用。
従来のように「相手の背に乗ったのち、壁に頭部を叩きつける」点は変わらないが、左手で相手の両足を、右足で右腕をクラッチする動作が追加改良された。
これにより相手をのけぞらせた状態にするため、弱点であった相手の身体の跳ね上げによる技の解除を防ぐ事が出来るようになった。
また、マリキータマンは背中の羽根を開いて飛ぶことで従来のインフェルノを破ったのだが、真では両足でマリキータマンの羽根を押さえつける形になっており、羽根を開いて技を中断させられることを防いでいる。
しかし技自体は完璧に成功したものの、マリキータマンをKOすることは叶わなかった。
その後更なる戦闘の末に黒ゼブラを受け入れた白ゼブラによって再び放たれるが、既に瀕死の状態から立ち上がった満身創痍の身で放ったことでマリキータマンをロックしきれず、再び羽根による脱出を許し逆転されてしまった。
シンクロニシティ・インフェルノ
ゼブラがマリキータマンとタッグ『エグゾセミサイルズ』を組み、ツープラトンで放った改良型。
マリキータマンがロールシャッハ・ドットでゼブラの縞模様に変化しゼブラとシンクロ。
そして空中の相手二人をマッスル・インフェルノの体勢に捕らえたまま急降下、リングロープを中心にゼブラのマッスル・インフェルノ、マリキータマンの逆さマッスル・インフェルノで挟み打ち、ロープをレールのように滑り込みながら相手二人を擦り続け、最終的に加速を加えた状態で場外の壁に相手二人の顔面を激突させる技。
コンビで放つこともあいまって、スグルのようにロデオステップで振り落とすことが上下に挟まれているので難しくなり、しかもロープで胸部から削り続け、加速も続けることで頭部激突の威力も増加。とどめになるほどのダメージとなり、技の逃げ道と倒しきれる程ではなかったマッスル・インフェルノの欠点が改善されている。ツープラトンという形であるが相手をKOした初のインフェルノであり、またゼブラに初の白星を与えた技となった。
その一方で逆さになっているマリキータと相手はなぜ落ちない、摩擦が発生するのにロープを渡るほど加速する原理、ロープとロープの間のコーナーポストの越え方など、物理法則の類の無視に関してはよりゆで理論を炸裂させた技になっている。
因みにシンクロニシティとは共時性を表し、複数なことを同時に起こす意味である。