概要
『キン肉星王位争奪編』から登場。
キン肉マンの故郷であるキン肉星・キン肉大神殿に安置された「フィニッシュ・ホールドの壁画」に描かれたキン肉族三大奥義のひとつ。正式には「マッスル・スパーク」で中黒が入る。
キン肉族の先祖は当時、絶対攻略不可能な完全無欠のフィニッシュ・ホールドを開発するため、それまでの概念を打ち破る二つの必殺技を複合させた二体重層技を考案。それが現在のマッスル・スパークであり、三大奥義の中でも究極中の究極と呼ばれる超必殺技である。
当初は、キン肉マンが壁画に記された通りに再現した空中でクラッチ技を極める「スグル版」と、キン肉マンソルジャーに扮したキン肉アタルが使用する地面に相手を激突させる「アタル版」の二種類が登場し、後に更なる構想を練ったスグルにより2つの技を融合する形で完成された。
続編『キン肉マンⅡ世』では、スグル版には「マッスル・スパーク天」、アタル版には「マッスル・スパーク地」という呼称が存在することが明かされた。壁画にはマッスルスパーク天しか描かれていない様に見えるが、実はマッスル・スパーク地は壁画に細工彫りで描かれており、アタルはこちらの方を確認したとされる。
強力な技である共に最も難解な技であり、同時に術者への負担も大きい。
とくに天の体勢は身体に大きな負荷がかかる事が判明しており、その事が原因でキン肉真弓はマッスル・スパーク習得を諦め、キン肉スグルは王位争奪戦終了後にマッスル・スパークを過多した事によって集中治療室で昏睡状態となり、万太郎は後述の通り天の体勢による負荷に身体が耐え切れない為、負担を減らすためにマッスル・スパーク地のみを体得することになった。この身体に大きな負荷がかかる点に関しては後述の似て非なる技のアロガント・スパークも同様である。
マッスル・スパークとは「対戦相手を確実に倒すが決して殺さない」という矛盾したテーマを徹底的に突き詰めた結果生み出されたフィニッシュホールドである。真弓曰くマッスル・スパークとは詰まるところ”究極のみねうち”であるとのこと。
え?寄生虫サタンクロスは絶命した?
新シリーズで何事もなかったかのように出てきたし実は生きてたんじゃね?
そうでなくとも、キン肉マンがサムソンに効かないように調整した結果2人分のダメージを一身に受けたと考えればまぁ流石に死んでてもおかしくはない…かも?
それかまだ完成しきっていなかったとしか…
というか流石のシルバーマンも寄生虫に関しては想定しないと思う。
ん?オメガマン・ディクシアは死んだ?
新シリーズで受けた時点では生きていた事にされました。死因は予言書をフェニックスに燃やされたことによる消滅です。
なのでお兄ちゃんはフェニックスにブチ切れていました。
あれ?フェニックスは息絶えたって?
心臓に病を抱えている上にそこに負担がかかり過ぎた結果なので心臓の病の方が死因とも考えられる。
新シリーズでシルバーマンも完成形って言って褒めていたのでおそらく公式の見解でもフェニックスの死因は心臓の病となっているんだろう。
技の構成
①まず、体をブリッジさせるように何度も勢い良く反らせながら、その腹筋で相手を弾ませるように跳ね上げる。(この跳ね上げている最中に逃げる事ができるのではと考える賢明な諸兄姉もいるだろうが、この方法で跳ね上げられた超人は全身から力が抜けていき、まったく無抵抗な状態になってしまう。下記のマッスル・スパーク天を決めるための下準備も兼ねた技になっている)
②跳ね上げた空中で相手の首と片足、両腕を固定しエビ反りになるようにクラッチする(スグル版 / マッスル・スパーク天)。
③その後、続けざまに相手と背中合わせの姿勢で手足を固定し、相手の頭と体を地面に叩きつけるように落下する(アタル版 / マッスル・スパーク地)。
なお、それぞれの技を極めた際の相手の姿勢が、キン肉族の王位継承者の証である「KINマーク」の「K」と「N」を表しており、正にキン肉族を象徴するに相応しい技となっている。技の完成形を目の当たりにしたロビンマスクも「これまでのキン肉バスターやキン肉ドライバーにはなかった華麗さ、優美さが感じられる」と語っている。
使用者
キン肉マン(キン肉スグル)
壁画を参考に技を研究していたキン肉マンは当初、壁画における腕の姿勢が曖昧であったこともあり、両脚のフックのみを使用した「未完成マッスル・スパーク」を使用、当然ながら簡単に技を解除されてしまう。後に両腕により相手の両腕を固定することで脱出不可能な強固な体勢を完成させるが、『Ⅱ世』ではその姿勢を維持するには強靭かつ柔軟な筋肉が必要であることが説明されており、フォームを維持し続けることが出来なかった万太郎曰く「全身の筋肉や骨の可動域に逆らう様な物」
その後、キン肉マンソルジャーに扮し王位争奪戦に参加した兄・キン肉アタルの使用した「アタル版マッスル・スパーク」により、壁画に隠されたもう一つのマッスル・スパークの存在を伝えられ、完璧マッスル・スパークを完成。
更に本編の最終戦であるキン肉マンスーパーフェニックス戦では火事場のクソ力による「7000万パワーマッスル・スパーク」を使用している。
ちなみにキン肉マンによるマッスル・スパーク完全版の初の犠牲者はテリーマン。
薬師寺で人形相手にマッスル・スパークの練習をしていたのだが、一面鏡池に写るマッスル・スパークの完成形を見るや否やいてもたってもいられなくなり、テリーマンにマッスル・スパークを仕掛けてしまった。
これによってマッスル・スパークは完成に至ったのだが、その代償としてテリーマンが負傷。これにより知性チームとの最終決戦にテリーマンが出場できなくなり、ミート君をチームに入れざるをえなくなってしまった。
キン肉万太郎
『キン肉マンⅡ世』では第2部『究極の超人タッグ編』においてキン肉マンの息子・万太郎が修行の末に「マッスル・スパーク地」を体得。
時間超人のタッグ「世界五大厄(ファイブ・ディザスターズ)」との決勝戦を前に、タッグパートナーを失った為、1人でも「世界五大厄」を倒せる新たな技を体得しなければいけない状況に、祖父である真弓よりその技の存在を教えられ、謎のマント男からのメッセージを頼りに太陽の塔にて他の新世代超人たちの協力を受けて猛特訓する。かつて奥義の体得を試みた真弓や未来の自分と知識を共有したミートの存在もあり技の全貌については早期に把握したが、天における空中での固定体勢になる際に両腕のクラッチを行う事が出来ず、技が不完全となってしまう。1度は体得を諦めかけたが、謎のマント男のメッセージの本当の意味を理解し、特訓を続けていき更に槍による介入によってマッスル・スパーク地の体勢となり偶然ではあったが、マッスル・スパーク「地」を成功させた。その後ミートからマッスル・スパークの壁画に隠された細工彫りで描かれた、「地」の存在を教えられ、自身の筋肉などのフィジカル面による部分や特訓の時間の上限から、自身にはマッスル・スパーク地の方が向いていると判断し、こちらのみを体得する。
なお、キン肉万太郎初のマッスルスパークの犠牲者は、奇しくもテリーマンの息子であるテリー・ザ・キッドである。
決勝戦ではケビンマスクのビッグベン・エッジと合体したツープラトン「マッスルキングダム」で時間超人を倒している。
ネメシス
Web漫画の新シリーズでは、完璧・無量大数軍の一人である「完肉」ネメシスが、敗北した「完恐」ピークア・ブーの処刑としてスグル同様の完成形マッスル・スパークを使用している。
そのマスクのデザインなどもありキン肉族との関連性を匂わせたが、後にその正体はキン肉マンから数えて2代前のキン肉星大王・キン肉タツノリの弟サダハルであることが発覚。しかも、この奥義を体得したのは13歳のときであるという。
許されざる世界樹(アンフォーギブン・ユグドラシル)でのラーメンマンとの戦いでは、既に瀕死の状態の彼に対して追い打ちとしてマッスル・スパークを使用。
完全に技は極まったはずだが、それでもラーメンマンは命を繋いでおり、同時にラーメンマンは彼のマッスル・スパークを「キン肉マンの技とは別物」であるとし、キン肉マンのものとは似て非なるものであることを感じ取ったという。
ネメシス自体はキン肉マンたちとの関わりもあって、最終的にはシルバーマンも認めるであろう完璧なマッスル・スパークをおそらく使用可能になっているのだが、同時に完璧超人の矜持から「マッスル・スパークは正義超人の技」として自ら封印した。
後の展開を見るに、慈悲の心が足りないかつ相手を殺す気で放ったというマッスル・スパークとしてはどっちつかずの未完成の技だったため、ともとれる。後に本人が言ったように完璧超人の技ではなかったということかもしれない。
見方を変えれば殺す気で使っても瀕死のラーメンマンを殺せないと言う事はネメシスの使うマッスル・スパークは技としての完成度は完璧だったとも言える。ただし、後に真弓が語った「相互理解と和解への流れを残す」というマッスル・スパークの真髄を考慮した場合は、やはりネメシスのマッスル・スパークでは駄目だったとも言える。
キン肉タツノリ
ネメシスことサダハルの兄であるタツノリもマッスル・スパークを研究している。
弟が先に完成させていたマッスル・スパークを基に、威力を落とす代わりに負担低減と安定性を重視した「地」の部分を自身の必殺技として編み出した。
相手の腕を自身の両腕でガッチリとホールドしている点が特徴であり、両手両足を封じた相手の顔面と胸部を強打する技になっている。
キン肉アタル
元々は上記の通り地にあたる「アタル版マッスル・スパーク」を最初に披露した人物だが、『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』にて更なる改良版を披露。
ブリッジの代わりにドロップキックの連打で相手を打ち上げ、そのまま地の体勢に移行、高速回転をかけながら落下し相手をマットに叩き付ける。
天を使用しない分、地だけで必殺技としての威力を補える改良を施しており、同時にマッスル・スパークの真髄である相互理解はしっかり満たせるようになっている。なお名称はアタル版マッスル・スパークのまま。
本人曰く「未完成だが自分が使える最大の慈悲の技」。
この時点で完璧マッスル・スパークは知っているはずのため、天は自分には向かないと判断した可能性が高い。
備考
後に、この技を含むキン肉族三大奥義を書き記した「フィニッシュ・ホールドの壁画」の制作者は、キン肉族の祖先であり正義超人の開祖でもあるシルバーマンであることが復活した本人の口から語られる。
かつて完璧超人始祖の一人だった彼は、敗者を「弱者」として切り捨て、敗北からの成長の可能性まで摘んでしまうことに疑念を抱き、自らの持つ「相手を確実に仕留める技」であるアロガント・スパークを「相手を活かす技」へ昇華させる研究をすすめるが、それを見出すことは結局叶わず、兄との決闘を前に自身の子孫たちにその想いを託す形で壁画にそれぞれの技を書き遺したという。
スグルの完全版マッスル・スパーク、特にスーパーフェニックスに放った一撃はシルバーマン直々に完成形と認められており、その意味ではスグルこそが史上初めて完全なマッスル・スパークを身につけた超人という事になる。
マッスル・スパークの元となったのは、復活した彼がサイコマンとの戦いでも使用した「完璧・弐式奥義 アロガント・スパーク」という技。マッスル・スパークとは桁違いの残虐性に満ちた技で、完璧超人としては最高の技と絶賛するネメシスとは対照的に、シルバーマン自身はこの技を「欠陥だらけの技」「血塗られた技」称し、悪魔将軍も『殺意の塊』と称しており、忌むべき存在としている。
マッスル・スパークと比較して、天の部分では両腕を首の後ろで締め上げ腕と肩の関節を破壊し、左足で股関節を背中側に曲げており、地の部分では相手の前側全身をリングに叩きつけるとえげつなく、「完全に決まれば必ず相手を死に至らしめる」程の破壊力の向上している。
だがそれと引き換えに「必ず殺すという殺意を込めねば制御が不可能で、シルバーマンでも制御は困難」な程の負担の上昇と、「制御しきれなければ相手よりも自分にダメージが跳ね返ってしまう」と言うリスクが存在する。その為この技を使いこなすために途方もない程の修練を積んだシルバーマンも、後に諸刃の剣では盤石な勝利は望めないと、この技を奥義から外している。悪魔将軍からアロガント・スパークについて詳しい話を知ったサンシャインも「なんと言う恐ろしい技」と戦慄した。
その為、才気と資質溢れるネメシスでもキン肉マンとの死闘を重ね、ダメージが蓄積している状態で、ましてぶっつけ本番でまともに放てる技では無かった(よく見ると「地」に当たる部分が胸から上の部分しか叩き付けられておらず、きちんと決まっていない)。技を決めたネメシスの方がキン肉マンよりもボロボロな状態となっていた。
その他(パロディなど)
KOFシリーズでクラーク・スティルの超必殺技であるウルトラアルゼンチンバックブリーカーのフィニッシュ技(「96」~「2002(UM)」でのMAX版)にこれと同じ技、クラークスパークを繰り出す。また、キン肉マンソルジャーの必殺技ナパームストレッチも使用。
ストリートファイターシリーズのエル・フォルテのウルトラコンボの一つに『エル・フォルテウルトラスパーク』というものがある。⇒公式サイト内 エル・フォルテ紹介<ウルトラコンボの動画有り。>
フォルテを演じた小野大輔は完璧超人始祖編でテリーマンを担当する。
特撮作品「ウルトラマンタイガ」のボイスドラマ4話では、ウルトラマンタイタスが変身アイテムであるタイガスパークをマッスル・スパークに改名しようとして全力で阻止されている。