概要
『TRF』は、DJとボーカルと3人のダンサーよる男女5人組で編成されたダンス&ボーカルグループである。
1993年に『trf』としてデビュー。
1996年6月12日発売のシングル『Hey! Ladies & Gentlemen』より大文字の『TRF』に改称した。
音楽シーンでの動向
これまでに5枚ものミリオンセラー曲を出し、1990年代の『TKブーム』の火付け役となり、『小室ファミリー』によるダンス・ミュージックを牽引したグループでもある。
結成のきっかけは元々小室哲哉が「レイヴ(フェスやパーティーなどで盛り上がれる音楽ジャンル)」をやりたかったからであり、『TRF』という表記も「Tetsuya Komuro RAVE FACTORY」の頭文字を取ったもの。
実際エイベックス主催の音楽フェス『a-nation』でもこのグループの曲が締めで歌われている。
1996年12月11日にシングル『LEGEND OF WIND』をリリースした後は一旦活動を停止し、1997年に劇場版アニメ映画『エルマーの冒険』とのタイアップとして小室が制作したYU-KIのソロ楽曲『dragon's dance』を挟んで、1998年からは小室によるプロデュースを完全に離れる事になる。
本来なら、この『エルマーの冒険』は、1997年に復活予定だったTM NETWORKとTRFとのジョイントによるダブル主題歌が予定されており、サウンドトラックは小室哲哉と木根尚登が共同で全楽曲を担当する予定であり、当時のスポーツ新聞等でも大きな話題として一面記事にもされていたのだが、様々な障害が重なり実現しなかった。
結局、『エルマーの冒険』のサウンドトラックは木根の単独による作曲で制作され、主題歌の2曲だけは小室がプロデュースを手掛ける事になり、オープニングをYU-KIが、エンディングは宇都宮隆が歌う『if you wish…』といった形で納まった(TM NETWORKの復活も2年後の1999年まで持ち越された)。
こうなった主な原因は、1997年に入ってから、小室哲哉がエイベックスの取締役専務だった松浦勝人と副取締役の千葉龍平の二人とビジネス上の衝突で関係が修復不可能にまで悪化し絶縁状態となった為である。
これにより、小室哲哉はTRFを含めたエイベックス所属アーティストとの3年毎のプロデュース契約更新を拒否され、当時産休に入っていた安室奈美恵を除いて1997年末にはエイベックスでのプロデュース契約を全て打ち切られてしまったのであった。
こうして1998年以降のTRFは、リーダーであるDJ KOOによるセルフ・プロデュースを主にして再始動することになるのだが、この体制は小室哲哉が2008年の逮捕騒動をきっかけに松浦、千葉の二人と和解し、エイベックスと関係を復縁した後の2012年まで変わらなかった。
1999年に一旦リリースが途絶え、事実上の活動休止状態となる(幸か不幸か、2000年代前半に猛威を振るっていた悪名高いコピーコントロールCDでシングルとアルバムがリリースされていない)。
2000年以降、新譜は過去曲のリミックスを出すのみにとどまり、しばらくはライブ中心に活動していたが、2006年に本格的に活動再開を発表しメンバー全員が50を越えた現在でも精力的に活動中。
現在でも『TRFエクササイズ』や『KINGOFPRISMbyPrettyRhythm』で曲が使われるなど、話題には事欠かないグループである。
trfとTRF
1995年の全盛期まではアルファベット小文字表記のtrf名義だったが、1996年に大文字のTRFへ改名。
改名の理由は小室哲哉によれば「イメージが被るglobeとの差別化と、ダンス・ミュージックからよりアダルトなクラブ・ミュージック路線への方向転換によるモデルチェンジ」とのこと。
その後、2012年に再びtrfに戻すも、またまたTRFに再改名し現在に至るというかなりややこしい歴史がある。
ただし、2012年の場合は【TRF20周年企画】として小室哲哉が16年ぶりにプロデュースすることから、かつての「TKプロデュース全盛期の象徴」である小文字の旧ロゴ『trf』を使用したもの。
ただし、旧ロゴが使われたミニアルバム『WATCH THE MUSIC』のジャケット背景にはうっすらながら現在の『TRF』ロゴも入ってる。
メンバー
DJ KOO(ディージェイ・コー)
東京都出身。
本名は『高瀬浩一』。
ラップ・DJ・サウンドクリエイト担当、リーダー。
ディージェイ・クーではなくディージェイ・コーと読む。
全盛期はボブ・マーリーのようなドレッドヘアーの黒人風、現在では派手な金髪に帽子とグラサンがトレードマークなイケイケの高性能じいちゃんと全く見た目が異なる人物。だが通りの良いイケボは全盛期から全く変わっていない。
近年ではバラエティ番組での露出が多く、若い世代にはむしろそちらのイメージが強いが、大阪芸術大学の特別講義も行っている。
YU-KI(ユーキ)
メインボーカル担当、元ZOOのメンバーでもあった。
同じ時期に一世を風靡したJUDYANDMARYのボーカリストと違いこちらは真ん中にハイフンが入る。全盛期は『YŪKI』名義だった。
1997年6月25日にシングル『dragon's dance』でソロ歌手としてデビュー。
同時に、この曲を主題歌としたアニメ映画『エルマーの冒険』では声優として主人公・エルマー役の吹き替えを担当した。
2006年には『仮面ライダーカブト』主題歌『NEXT_LEVEL』を担当した。
SAM(サム)
ダンス・振付担当。
日本人離れした見た目だがごく普通の日本人。
ステージネームの由来も「幼い頃貧乏でいつもバイト先では袖の短いTシャツばかり着ていて寒(SAM)そうにしていたから」とバイト先の店長に命名されたのに由来する。
1997年に安室奈美恵と結婚(現在は既に離婚)した事やとんねるず率いる野猿の振付師だった(後述のCHIHARUとETSUも参加)事でも有名。
2008年には埼玉西武ライオンズのチアリーディングチームの振付も担当。
実家は病院を営んでおり、家系自体は裕福である。
上述の「貧乏」というのは一族で唯一病院を継がず独学でダンスの道を進んだため。
病院を継がなかった事には申し訳なさを感じているらしく、「ダンスによるエクササイズで健康面で貢献したい」という思いがあったのも『TRFエクササイズ』を始めた理由になっている。
CHIHARU(チハル)
埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)出身。
ダンス・振付担当。
同レコード会社所属歌手の振り付けなども担当。
ETSU(エツ)
東京都出身。
ダンス・振付担当。
CHIHARUと同じく所属歌手の振り付けを担当。
主な代表曲
- 寒い夜だから…
- survival dAnce ~no no cry more~
- BOY MEETS GIRL
- Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~
etc…