概要
デビュー~小室ブーム全盛期
1995年に結成され、8月9日に1stシングル『Feel Like dance』でエイベックスからデビュー。
デビュー当初から暫くはCDのジャケット写真にメンバーの顔を一切出さない覆面グループ的な活動だった。
翌1996年の元旦に発売した4thシングル『DEPARTURES』がいきなりのダブルミリオン、3月発売の1stアルバム『globe』は出荷日一日だけで119万枚を売上げ、最終的に413万枚を売り上げる小室ブームを象徴するモンスターヒットとなった。
翌1997年3月には2ndアルバム『FACES PLACES』もトリプルミリオンを記録、さらにデビューから2年足らずで東京ドーム公演を成功させた。
しかし、この頃から小室はエイベックスの取締役専務だった松浦勝人と副取締役の千葉龍平とビジネス面で対立することが多くなり、亀裂が生じた関係は悪化の一途を辿り修復不可能にまでなってしまう。
そして、globeが所属する単独レーベル『avex globe』だけはそのままに、小室はエイベックスと断絶。
TRFのダンサーであるSAMと結婚し産休に入っていた安室奈美恵を残して、他のTRFやhitomi等の、所謂『小室ファミリー』と呼ばれたアーティスト達への三年毎のプロデュース契約は更新されず、松浦と千葉によって1997年内に全て打ち切られた。
これにより、エイベックスはglobeとしての活動と、安室奈美恵とのプロデュース契約が満了する2000年末までの残り期間だけ楽曲提供を解する場でしかなくなってしまった。
小室ブーム過渡期~終焉
1998年からは大きく売上を落としてしまうも3月発売の3rdアルバム『Love again』は160万枚を超えるミリオンヒットとなる。そして小室は自身も想定外だったというL'Arc~en~Cielの「万人受けしない楽曲を同時リリースすることで商業的に成功させる商法」に着目し、9月からシングル『wanna Be A Dreammaker』を皮切りにシングル4枚連続リリースを展開し、そのシングル4曲全てを収録した4thアルバム『Relation』は172万枚を売り上げた。
1999年にはさらに大きく売上を落としてしまい、週一でトップ10に入るのがやっとという状態にまでなってしまう。
また、1月には小室が古巣のSonyMusicよりプライベートレーベルの『TRUE KiSS DiSC』を立ち上げて、後に2人目の嫁となる吉田麻美と『TRUE KiSS DESTiNATiON』として活動を開始したのに加えて、7月からは5年ぶりに『TM NETWORK』としても活動再開したのもあってかglobeとしては活動の規模が縮小してしまうが、9月発売の5thアルバムとシングル曲集ベスト盤を融合させた2枚組アルバム『CRUISE RECORD 1995-2000』は275万枚を超えるヒット作となった。
2000年上半期は各メンバーがglobeをフィーチャリングしたソロ活動を展開。
その後グループとしての活動を再開し、翌2001年3月に全プロダクションが6thアルバム『outernet』に全て収録された。
2001年はただでさえ下がっていた売上に鈴木亜美の事務所トラブルから起こった訴訟問題と香港で起業したROJAMの商業的失敗がダメ押しとなり、全盛期の勢いが見る影もないほどに落ちぶれてしまった。
11月にはglobe初のカバーシングル『Stop! In the name of love』を発売。ここから翌年にかけて小室はトランスミュージックに傾倒していく。
トランス期~活動休止
2002年には昨年の負債の影響もあってかテレビ出演が急増する。
2月には小室自身が「まさに『降ってきた』としか言いようがない、奇跡の様な最高傑作」と謳っている26thシングル『Many Classic Moments』を発売。同日に7thアルバム『Lights』も発売し、4月には続編となる8thアルバム『Lights2』もリリースした。
9月には元X JAPANのYOSHIKIが4人目のメンバーとして加入するが、YOSHIKIの多忙によりスケジュールが全く噛み合わず楽曲製作は難航した。
YOSHIKIが実質参加したのはシングル『seize the light』のみで、翌年発売の9thアルバム『LEVEL 4』には数曲提供する予定だったが、結果的にYOSHIKI作曲のアルバム用楽曲は全て未完成のままでお蔵入りになった。
そしてX JAPANの曲『Say Anything』をリミックスアルバム『global trance2』にて「globeバージョン」としてトランスカバー(アレンジ担当は小室とDJ DRAGONでYOSHIKIは関与なし)したのみにとどまり自然脱退した。
11月22日、『いい夫婦の日』に小室とボーカルのKEIKOが結婚。結婚式も新高輪プリンスホテルを借りた大掛かりなものとなり、当時ブームになっていた軟式globeの二人が乱入したことでも話題になった。
2003年の3月には9thアルバム『LEVEL 4』とシングル『get it on now feat. KEIKO』を同日に発売。
当時のエイベックスとSonyMusicが率先して導入していたCCCD(コピーコントロールCD)を皮肉った名曲『out of ©️ control』がファンの間で話題になった。
更にYOSHIKIを加えた四人体制で7月9日にglobeとしては6年ぶりとなる東京ドームでのライブ開催が予定されていたが、チケットが全く売れず表向きは「SARS風邪蔓延防止対策」という名目で中止になった。
以降は『KCO』名義でKEIKOのソロシングルを12月にリリースしたくらいでglobeとしては表立った活動はなかった。
2004年になると小室はTM NETWORKのデビュー20周年に注力するのかと思いきや、TM NETWORKに対しては当時すっかり熱が冷めてしまっていたらしく「20周年記念作品」となったアルバム『NETWORK™️ -Easy Listening-』は過去曲のトランスアレンジの寄せ集めに新曲を僅か2、3曲追加しただけという何ともお粗末な内容であり、更に20周年記念ライブツアーを何と僅か2ヶ月程度と異様な程の短期間で終わらせてしまう。
そして小室は同年の秋から始まるglobeの10周年に向けたライブツアーへと全力を注いだ。
ライブツアーと同時進行で新曲をいくつか制作し、来るべきglobe10周年へと益々期待を高めたのだった。
こうして、globeのデビューから10年目のメモリアルイヤーとなる2005年、現在globeにとって最後のシングルとなっている『Here I Am/New Album Playlist』と10thアルバム『globe2 pop/rock』を発売した。
続く2006年には11thアルバム『Maniac』、そして現在最後の作品となっているミニアルバム『new deal』を発売。
そして、再び活動を休止する。
活動再開のはずが・・・・・・・
2008年8月31日に開催されたa-nation'08でサプライズゲストとして登場し、シングル3ヶ月連続リリースの第1弾でTM NETWORKのカバー曲『Get Wild』を11月26日に出すことが発表される。同年9月放送のCDTV15周年記念ライブとオールスター感謝祭でも披露された。
そして追加情報で連続リリース第2弾として、またもやTM NETWORKのカバーとなる『Self Control』のシングルも12月17日に発売すると発表された。
…しかし11月4日、小室哲哉が5億円詐欺容疑で逮捕。これにより発売予定のシングルは全て発売中止となり、活動休止を余儀なくされる。
2009年5月には大阪地方裁判所より小室は懲役3年、執行猶5年の有罪判決が言い渡され、弁護側と検察側は控訴せず刑が確定。
この一件で長期間絶縁していたはずのエイベックス・グループ代表取締役である松浦勝人が「かつて小室さんから世話になった恩返し」として、ポケットマネーから詐欺事件被害者へ被害総額に解決金を含めた6億5000万円を支払い示談を申し込む等、精神的にも経済的にも小室は救われる形となった。
更に仲違いしたままだったエイベックス副取締役の千葉龍平とも和解し、正式にエイベックス所属のミュージシャンとして復帰する。
翌年2010年5月にはAAAへの楽曲提供で活動を再開。
小室が音楽活動を再開したのに合わせて、globeデビュー15周年ベスト『15YEARS -BEST HIT SELECTION-』が発売。
お蔵入りとなっていた『Get Wild』が初収録となり、こちらもお蔵入りとなっていた北条司氏描き下ろしのシングル用ジャケットイラストがアルバムのジャケットとして使用された。
2011年、KEIKOがくも膜下出血で倒れたことでボーカリストとしての復帰が絶望的となる。
さらにKEIKOがリハビリを続ける中、2018年には小室と看護師との不倫スキャンダルが週刊文春の記事により発覚する。
この『文春砲』によって小室は自棄を起こし、エイベックス代表取締役の松浦勝人の制止も聞かずに記者会見を開き音楽業界からの引退を発表。
その後、2021年には小室とKEIKOの離婚が成立したため、現在globeとしてまともに活動できるのはマーク・パンサーのみとなってしまっている。
しかしマークは「globeが好きな人がいる限りともし火は消さない!」と解散を否定しており、DJとして活動している傍ら、定期的に大分へと出向いては歌手としてカムバックしようと日々リハビリとボイストレーニングを続けるKEIKOと連絡を取り合っている。
2022年12月24日、デビューから10000日目を迎えることを記念し『globe 10000 DAYS』と題した限定記念BOXを発売。
2016年にデモテイクの一部分が期間限定公開されていた未発売楽曲『WHITE OUT』がレコーディングし直され完全版として収録された。
軟式globe
1990年代生まれには、globeといえば本家ではなく、テレビ番組『学校へ行こう!』のコーナーに出演していた『軟式globe』に馴染みがある者が多いだろう。
ラッパーのパーク・マンサーとボーカルのKOIKE(コイケ)の二人組である。
上述通り本家である小室とKEIKOの結婚式にも参加している。
『Love again』の替え歌…と言われても分からないかもしれないが、「アホだなぁ」「そうだよアホだよ」と言えば分かるかもしれない。
メンバー
小室哲哉 (リーダー・コーラス・作詞作曲・プロデュース・その他)
KEIKO (リードヴォーカル)
マーク・パンサー (作詞・ラップヴォーカル)
リンク
- http://www.avexnet.or.jp/globe/index.html (公式サイト)
- https://www.youtube.com/playlist?list=PL545E84CCD8B26EF4 (YouTube公式チャンネル)