ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

Get_Wild

げっとわいるど

『Get Wild』とはTM NETWORKの楽曲。TVアニメ『シティーハンター』第1期(1987~1988)のEDテーマ曲である。
目次 [非表示]

アスファルト タイヤを切りつけながら

暗闇走り抜ける

チープなスリルに身をまかせても

明日におびえていたよ


クレジット編集


  • 作詞:小室みつ子
  • 作曲:小室哲哉
  • 編曲:小室哲哉

概要編集

TM NETWORKの10枚目のシングル

1987年4月8日発売。

当時はアナログ盤7インチEPのみでの発売。

1989年9月21日には8cmシングルCDとして再リリース。

オリコンシングルチャートの記録では最高位は9位。

売上は23万枚。


その後も1999年8月21日にはカップリング曲を変更してマキシシングルとして再発され、2017年4月5日には発売から30周年を記念して『Get Wild』ばかりを36バージョン(ライブバージョンや他アーティストによるカバーも含む)も収録した4枚組CDコンピレーション・アルバムが『GET WILD SONG MAFIA』と云うタイトルで発売され、続く4月12日には4バージョン入りのアナログ盤12インチレコードが数量限定で発売された。


この『Get Wild』で、TM NETWORKTBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』の「スポットライトのコーナー」に初登場し、制御用のパソコンを基礎とする大掛かりなシーケンサーとシンセサイザーのシステムセットをずらりと並べ、手元のリモコンのボタンを一つを押すだけで、グランドピアノが自動演奏を始めるといった、1987年当時の最先端ビジュアルで司会者、出演者、視聴者を圧倒したのだった。

この時の機材の量があまりにも多かったため、以後小室哲哉は司会の黒柳徹子から「大荷物の方」と呼ばれるようになった逸話がある。

さらにフジテレビ系の音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』に出演した際には、当時の司会者だった古舘伊知郎からTM NETWORKは「歌う日米半導体摩擦」だと形容された。


宇多田ヒカルの過去ブログによると、彼女は幼少の頃に『シティーハンター』のアニメを観たことがあるらしく、『Get Wild』を「私が最も好きな邦楽楽曲」だと公言している。

また、お笑いコンビのバナナマン日村勇紀がバラエティー番組やお笑い番組で度々『Get Wild』のイントロをピアノやピアニカ等で弾いている。


2024年10月23日発表の「オリコン週間ストリーミングランキング」では、『Get Wild』が週間再生数67.4万回(673,859回)を記録して388位にランクイン。

これまでの累積再生数は10,038.6万回(100,386,420回)となり、TM NETWORK史上初の1億回再生を突破した。

この1億回再生を受けて、10月25日にメンバー3人が『TM NETWORK』名義でマスコミ各社に向けて、以下の内容のコメントを発表した。


「1987年、レコードでリリースされた『Get Wild』は、その後CDカセットMDダウンロード→ストリーミングなど時代の変遷を耐え抜いて、もはや僕らの人格までも背負ってくれているんじゃないかと思ってしまうほどのいとおしい楽曲です。うれしいですね。年末には(※)特別な想いで皆さんにお届けしようと切に思います!」


(※)2024年12月31日大晦日には、東京ガーデンシアターでライブ『TM NETWORK 2024 ~intelligence Days FANKS inside~』を開催する予定。


『シティーハンター』とのタイアップ編集

『Get Wild』はTVアニメ『シティーハンター』第1期のEDテーマ曲として1987年4月1988年3月まで、1年間に渡って継続して使用された非常に有名な曲である。

前年の1986年よりジワジワと人気を獲得していたTM NETWORKは、この曲の大ヒットで本格的にブレイクすることになった。

7インチEPと8cmCDシングル版でC/W曲だった『Fighting(君のファイティング)』は4thアルバム『Self Control』からのリカットで『シティーハンター』の劇中挿入歌として採用されるも、何故かアニメ本編で使用される事はなくサウンドトラックにも収録されなかった。

『シティーハンター』のEDテーマ用として編集された『Get Wild』のTVサイズバージョンは曲の最後(アウトロ)が非常に秀逸で印象的なのだが、残念ながらこのバージョンが収録されているサウンドトラック等のアルバムは存在しない。

また、『シティーハンター』のアニメシリーズにおける『Get Wild』はEDテーマだけの使用に留まらず、『シティーハンター2』の第50話「さらばハードボイルドシティー(後編)」と『シティーハンター3』の最終話「グッバイCITY さよならの贈り物(後編)」では挿入歌としても使われた。

1997年放送のTVスペシャル第2弾『グッド・バイ・マイ・スイート・ハート』では歌手のNAHOがカバーした『GET WILD(CITY HUNTER ~SPECIAL '97 VERSION~)』がEDテーマとして新規に制作され、2年後の1999年放送のTVスペシャル第3弾『緊急生中継!? 凶悪犯 冴羽獠の最期』ではTM NETWORKの原曲がEDテーマとして復帰した。


そして、『Get Wild』は令和の時代になった現代でもなお「シティーハンターのEDテーマといえばこの曲」と言われるほどに圧倒的な知名度を誇り、2019年の劇場版『新宿PRIVATE EYES』、2023年の劇場版『天使の涙(エンジェルダスト)』においても継続してEDテーマとして原曲のまま使用された(なお、前者では『シティーハンター2』の後期EDテーマ曲である『STILL LOVE HER (失われた風景)』に2コーラス目後の間奏部分からクロスフェードで切り替わるサプライズ演出がある)。


俳優の鈴木亮平が主人公の冴羽獠を演じる実写版『シティーハンター』として2024年4月25日より公開されるNetflix映画でも、新録版が『Get Wild Continual』というタイトルで主題歌として起用されている。

この新録版はTM NETWORKのデビュー40周年記念日となる2024年4月21日に発売された限定生産商品『40+ ~Thanks to CITY HUNTER~』にゴールドディスク仕様のCDとして収録されており、さらに1ヶ月後の5月22日には数量限定生産のアナログ盤7インチEPとしても発売されている。


『シティーハンター』のエンディングにおける画期的なアニメーション演出編集

アニメ本編とEDパートがCMを挟むことなく完全に一体化しており、物語ラストからイントロが流れ始め、メロディとテンションが高まりきった所でED映像に切り替わる斬新かつ美麗な演出も話題を呼んだ(「止めて、引く」と形容される)。

この演出は2019年2023年の劇場版でも『シティーハンター』を象徴する演出として継承されており、ラストシーンでイントロが流れ始め、スタッフロールに移行する流れになっている。

EDアニメーションの絵コンテと原画は天才アニメーターの一人である青木悠三の手によるもので、アニメ版『ルパン三世』第2期と3期でも見られたスタイリッシュな感じが現れている。

冴羽獠の心理的孤独感を象徴するかの様にモノクロな色調で全編が描かれており、都会の光と闇、疾走感を巧みに描いた作画は楽曲と完全に融合しており、現在もファンからの評価は高い。

GWEDの冴羽リョウGET WILD

2023年の劇場版『天使の涙(エンジェルダスト)』のEDでは、この1987年版のEDアニメーションのフィルム素材をトレースして、現代の首都高や都内の幹線道路を車で疾走する映像と合成してブラッシュアップしたものが使われ、『Get Wild』が初めてカット無しのフル尺版で劇中のEDテーマ曲として使用された。


アレンジ編集

レコード会社が保管するマスターテープのキューシートによると、『Get Wild』のマスターテープのミックスダウンは、当時の芝浦にあった山下達郎のプライベート・スタジオである『スマイル・ガレージ』で行なわれたと記載されている。

楽曲は当初から『シティーハンター』ありきで作られており、イントロの静かなピアノ(実際の音色はシンセのハープ音を加工したもの)から爆発音までの部分はアニメ制作会社であるサンライズからの「ピカーッと光が射し込むような音で始まり、静かな曲のイントロが鳴り始めてから何秒間かはまだ本編が続いていて、曲がそこからフェードインしてエンディングのアニメーションに突入する。本編終了の切替りのタイミングで爆発音を出す。」といったオーダーに小室哲哉が完璧に応じたものである。

イントロの爆発音はエンジニアの伊東俊郎によると、SIMMONSの音を『スマイル・ガレージ』にあったエコー・チェンバー内のスピーカーで鳴らしたものをアナログで録音して逆再生させたものであるとのこと。

小室哲哉は、雑誌『サウンド&レコーディング・マガジン』2017年6月号のインタビューで、「このオリジナルバージョンのドラムは打ち込みでは出せないタイム感を出すために、ドラムトリガーを使って山木秀夫が叩いた」と語っている。

1987年当時、まだ日本では未定着であったユーロビートサウンドを見据えて、バスドラムの四つ打ちを強調する(「踊れる」という意識をリスナー側に持たせるという意味合い)ため、スネアドラムは一切使われていない。

1980年代の邦楽において、一般的な音の要であったスネアドラムが曲中に全く使われないという構成は前代未聞の出来事であった。

使われているのは基本のリズムを打つバスドラムとアクセント用のタムのみである。

何故なら『Get Wild』はベースラインが非常に独特で、この時点でメロディ構成と拍打ちの両方がすでに完成されており、バスドラムだけで事足りていたため。

この曲の骨であり、疾走感を生んでいるのは実はベースなのである。

小室が初期に作成したデモ段階(所謂「Ver.0」と呼ばれるもの)ではスネアも少々入っていたが、レコーディングでバックバンドのドラムパート全般を担当した山木秀夫の提案でスネアは全て外されることとなった。

ギターはB'z松本孝弘が弾いているとよく誤解されるが、これは当時のライブでのサポート演奏の話であり、スタジオ音源のギターを演奏したのはパール兄弟窪田晴男である。

1989年にPWLのピート・ハモンドの手でリプロダクションされた『GET WILD '89』ではサビの歌い出しを「Ge Ge Ge…」とフレーズサンプリングしてSE的に使っているが、これはすでに1987年のライブ『FANKS CRY-MAX』でその片鱗が見られ、以降はライブ演奏では定番のアレンジ演出となり、ファンからは「ゲゲゲのGet Wild」と揶揄されることもあった。



ミュージックビデオ編集

MVのロケはシングル発売から三週間後の4月29日~30日にかけて中国に返還される前の香港で撮られた。

フルバージョンはこちら


当時TM NETWORKの三人は超多忙で、MV撮影する暇も殆どない状態だった。

そのため簡素でもいいからとにかく短期でMV撮影をしなければならず、「それならインパクト重視で面白いところで撮りたい」と小室の提案で一泊二日の香港ロケになった。

香港の再開発によりこの光景は『TM NETWORK』の曲名ではないが、「失われた風景」となっている。

三人がただ香港旅行をしているだけというシュールなMVは手を抜いたというよりは、スケジュールが過密していてMVにストーリー性を組み込む余裕すらなかったというのが正しい。

三人がサングラスをかけているのも実は不眠不休による目の隈を隠すためである。


ちなみに宇都宮隆が右手に包帯をしているのは、撮影一週間前にツアーの合間にスタッフと野球をやっていたところ、右手の中指と人差し指の間に5針縫う裂傷を負ってしまったため。


関連動画編集


シティーハンター Get Wild ED集

カバーしたアーティスト編集




  • LIPSELECT


  • Wakana







  • B'z
    • トリビュートアルバム『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』に『Get Wild』で参加。

この他、『LOVE LOVE あいしてる』内のコーナーで西川貴教(T.M.Revolution)がカバーしたこともある。


余談編集

2020年、退勤時にこの曲を流す『GetWild退勤』というネタがTwitter上で大流行した。

詳細は当該記事参照。


2023年、一般社団法人日本記念日協会が同曲がリリースされた4月8日「Get Wildの日」と正式に認定した。邦楽の曲名が記念日となるのはこれが初となる。


関連タグ編集

NEO_UNIVERSE(L'Arc~en~Ciel):こちらのドラムのリズム打ちはほとんどがバスドラムとハイハットで、スネアを使うのはたったの一回だけ。


HOME(B'z):MVが同じく香港撮影。こちらは返還から丸一年後。


日村勇紀:持ちネタの1つが鍵盤ハーモニカによるイントロ演奏。


無課金おじさんYOUTUBEtiktokの切り抜き動画のBGMとして使われた。

関連記事

親記事

TM_NETWORK てぃーえむねっとわーく

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 340111

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました