商品説明
正式名称:『駈斗戦士仮面ライダーズ』
仮面ライダー電王放送時の2007年にバンダイから発売された。
世界観は仮面ライダー龍騎を意識しており、戦いの場であるパラレルミラーワールドやライダーの契約モンスター、それを使役するカードなどで独特な世界観を演出した。
仮面ライダー達をSD化したオリジナル作品第1弾~第3弾、フィギュア3体セットの第4弾が確認できる。
中にはフィギュアとカードが入っており、カードをジグソーパズルのように分解してフィギュアに差し込むことで「超変身(ライドアップ)」させることが出来る。
カードにはライダーと契約したカードモンスターが描かれており、『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー響鬼』のキャラは作中に登場した契約モンスターやディスクアニマルに、その他のライダーはそのライダーからイメージした動物を模したモンスターになっている(ちなみにモンスターは意思を持ち、言葉を話す)。
また、ライダーには五行に関連する属性があるが、「木」は仮面ライダーらしく「風」となっている。
要約すると聖闘士聖衣神話やウルトラマン超闘士激伝などに代表されるバンダイ恒例の鎧ものの仮面ライダー版といった趣のシリーズである。
2007年当時はライダーごとに世界観が独立しているのが当たり前で、仮面ライダーのクロスオーバー作品が不足していただけに世界観を超えて仮面ライダーをクロスオーバーさせた本作は画期的な立ち位置にあった。
意欲的な作品であったものの、世界観の掘り下げが不十分なまま、シリーズは2008年で終了してしまっている(皮肉にもシリーズ展開が終了した年のライダーはモンスターの力を引き出して戦うライダーであった)。現在は生物モチーフが多種多様になった上、モンスターや動物型メカを操る仮面ライダーが多いだけに色々と惜しい作品である。
カードモンスターを召喚して武装強化するSDライダー達
(解説は漫画版の物。おまけで原作設定についても解説する)
主役ライダー
必殺技/グロンギヌススピアー…巨大な槍を、超高速で回転させ敵を貫く。
目玉が黒く、敵に洗脳されていたが、アギトバットで倒されてしまった。
・小ネタ
本作のクウガはベースがアメイジングマイティとなっており、グランゴウラムと合体する事でアルティメットフォームに近いデザインになる(属性が土なのに武器が槍なのは突っ込んではいけない)。
『駈斗戦士仮面ライダーズ外伝 迅雷の戦士セット』ではライジングマイティを模したライジングクウガが登場。迅雷のサバイブというカードを使用する事で全身に雷のような装甲を纏うギミックがある。
原作カードの解説によるとグランゴウラムは再生力に優れた古代の絶滅種とされる(原作とは違って生き物という事なのか…?)。
なお、後年に本当にクウガが洗脳されて黒目になる展開が実現したが、多分関係ない。
必殺技/トルネードブレイク…右腕につけた弓矢型の武器から竜巻を発生させ、敵を吹き飛ばす。
子供のような性格の仮面ライダーで、クウガの弟らしい。龍騎最初の犠牲者。
・小ネタ
本作のアギトはグランドフォームがベースなのだが、スタッグトルネイダーと合体する事でシャイニングフォームに似たデザインとなる。原作では弓は使っていないが、気にしてはいけない。
原作カードの解説によるとスタッグトルネイダーは大地の奥底から目覚めた土の守護者という設定のようだ。
アギトのモチーフは本来は龍なのだが、津上翔一を演じた賀集利樹さんが「アギトはクワガタでしたよ?」と言ったぐらいなので気にしたら負け…なのか?
必殺技名は原典のアギトが使用していたマシントルネイダーに乗って放つキック「ライダーブレイク」が由来だと思われる。
必殺技/ドラグーンインパクト…全身に漲る炎の力を右腕に集め、龍の拳を敵に叩きつける。
この作品の主人公・竜生が変身する仮面ライダー。とても狡猾な性格で仲間を掴んで盾にする、相手のカードを燃やそうとする、命乞いして相手を攻撃するなどと龍騎の悪役ライダーをまとめたようなキャラクターとなっている。
・仮面ライダーサバイブ龍騎(火)/ドラゴン型モンスター「ドラグランザー」
必殺技/ブレイズオブドラゴン…ドラグランザーを装着、自身を炎の龍と化し、その無限の炎により、全ての敵を焼き尽くす。
響鬼が守護するアイテム・ツバイで強化した姿という設定。
・小ネタ
龍騎と合体した姿は龍騎サバイブに似ているが、上記の通りサバイブがモデルの姿も後に登場している。
名前こそ原典からの引用だが、原作カードの解説によるとドラグレッダーは炎から生まれたという設定になっており、デザインも原作のものをベースに全身がより赤くなり、西洋竜の如き翼を生やしている。一人称は「我」で古臭い口調で話す模様。
『駈斗戦士仮面ライダーズ外伝 爆炎の戦士セット』では仮面ライダーリュウガが登場。爆炎のサバイブというカードを使用する事で全身に炎のような装甲を纏うギミックがある。
- 仮面ライダーファイズ(金属)/狼型モンスター「グレイヴォルク」
必殺技/デッド・アングル・ファイブ
『〜だぜぃ!』という特徴的な語尾で話すノリの良い男の子。彼もまた龍騎の犠牲者になってしまった。
武装は両腕に装備された爪。
・小ネタ
本作では通常形態のファイズをモデルとしているが、ベルトのデザインがまるまる変わっており、ファイズフォンは胸に装着されている。
『駈斗戦士仮面ライダーズ外伝 爆炎の戦士セット』ではブラスターフォームを模したブラスターファイズが登場。爆炎のサバイブというカードを使用する事で全身に炎のような装甲を纏うギミックがある。
原作カードの解説によるとグレイヴォルクは超軽量レアメタル「フォトニウム」で体が構成されているという設定のようだ。名前のヴォルクはロシア語で「狼」の意味。
また、必殺技名はおそらく挿入歌の「Dead or alive」、ファイズの変身コードである「555」が由来と思われる。
「アングル」という名称も原典で使っていたファイズショットのモチーフがデジカメだったからであろうか?
- 仮面ライダーブレイド(土)/ヘラクレスオオカブト型モンスター「ヘラクルスペーダー」
必殺技/ライトニングスラッシュ
侍口調の話し方で話す仮面ライダー。武装は剣。
冷静な性格かと思えばガタックとの戦いの時にはあっさりと『死ね』と発言している。
・小ネタ
本作では通常形態のブレイドをモデルとしているが、ヘラクルスペーダーと合体するとジャックフォームに近い姿に変わる。また、必殺技名は原典と全く同じである。
これとは別に『駈斗戦士仮面ライダーズ外伝 迅雷の戦士セット』ではジャックフォームを模したジャックブレイドが登場。迅雷のサバイブというカードを使用する事で全身に雷のような装甲を纏うギミックがある。
原作カードの解説によるとライトニングスペーダーは最強の剣と最強の鎧を併せ持つ戦闘種という設定。
しかし、ブルースペイダーの要素は全くなく、スペードを象った角を持つ騎士甲冑のヘラクレスオオカブトといった感じ。
必殺技/豪火連舞…霊盤の力により究極まで高めた炎を、両手の音撃棒で豪快に叩きつける。
1号の配下で、給料未払いなことをずっと気にしている金の亡者。
...なのだが鍛えて戦っていたり、ツバイの守護者だったりと腐っても音撃戦士。
・小ネタ
本作では通常形態をモデルとしているが、アカネタカと合体すると角が装甲響鬼に近くなる。
フォルムも迦楼羅を思わせる姿になるぐらいで、原典からそこまで逸脱したデザインではない。
これとは別に『駈斗戦士仮面ライダーズ外伝 爆炎の戦士セット』では響鬼紅が登場。爆炎のサバイブというカードを使用する事で全身に炎のような装甲を纏うギミックがある。
技名は原典から変更されていない。
原作カードの解説によるとアカネタカは背中の霊盤に宿した霊鳥という設定で、敬語で話す。
名前こそ原典からの引用だが、現代版の式神という設定だった原典から一転してメカ要素のない朱雀のような姿にリデザインされている。
必殺技/クロックバスター…右腕に装備した「D-ゼクター」で、敵を異次元へと吹き飛ばす。
天道総司を意識したのか謙虚で冷静な性格で、駈斗戦士の中でもかなりまともな人物。
敵を異次元へ送り込む技や時を止める技を持ってたり設定上最強なのに自分勝手な龍騎の餌食となった。
・小ネタ
本作では通常形態をモデルとしているが、エクスピーダーと合体するとフォルムがハイパーフォームに近くなる。
原作カードの解説によるとエクスピーダーは時空を超越する未来の希代種という設定。
モデルはもちろんカブトゼクターとカブトエクステンダーだが、カラーリングや設定はハイパーゼクターやパーフェクトゼクターに近い。
『駈斗戦士仮面ライダーズ外伝 迅雷の戦士セット』では仮面ライダーダークカブトが登場。迅雷のサバイブというカードを使用する事で全身に雷のような装甲を纏うギミックがある。
必殺技/サイクロンアタック…天界の風の力で自身を竜巻と化し、触れるもの全てを飲み込み、粉砕する伝説の技。
仮面ライダーの最長老の改造人間であり、正義のライダーのリーダー...なのだがケチで響鬼への給料はずっと未払いだししばらく無人島で遭難しているしリーダーの尊厳もない。本郷猛が見たらどう思うか。
・小ネタ
本作では旧1号のデザインをベースにしている。必殺技名はサイクロンクラッシャーの別名(仮面ライダー2号が正義の系譜で使用していたもの)。
原作カードの解説によるとサイクロンホッパーは天界の風を纏う三賢獣のリーダーという設定。
必殺技/バーニングタイフーン…4枚のエネルギーウィングから発する、3万度の炎を剣に纏い敵を焼き尽くす。
龍騎がドン引きするレベルの卑怯者でドM。龍騎を可愛がっているが本人からは嫌がられている。
・小ネタ
原作カードの解説によるとフレアサラマンダーは天界の炎を纏う三賢獣の一体という設定で、武人のような口調で話す模様。モチーフがトンボとされるのも、V3のモチーフでトンボが有力な説に挙げられる為だろう。
食玩ではライダーとモンスター共にやたらVを強調したパーツが多い。
サブライダー
必殺技/ギルスティンガー…50tの威力を持つ生体ムチ「ギルスフィーラー」で、敵を薙ぎ払う。
シャドームーン一味のチンピラ。
カイザと共に速攻で倒された。
・小ネタ
本作では通常形態のギルスがベースとなっているが、レザーレイダーと合体するとエクシードギルスに近い姿となる。
原作カードの解説によるとレザーレイダーは過酷な環境で突然変異したという設定の模様。
ちなみに生体ムチの「ギルスフィーラー」は原典ではギルスが腕から伸ばすムチを指す名称である。
また、モデルとなったカミキリムシはギルスのモチーフでもある。
それにしても、なぜギルスが風属性かは不明。原典的には水属性が妥当なはずなのだが…(一応風のエルを倒したりと風との繋がりがないでもないが)。
仲間は倒されかけているのに自分だけライドアップしたりとズルいところはあるが龍騎に説教をしようとしたりとまだ常識人。
必殺技/飛翔斬
・小ネタ
原作カードの解説によるとダークウイングは混沌の闇に生きる存在という設定。
名前こそ原典からの引用だが、金色のパーツが多く、ダークレイダーの要素もうかがえる(ただ、ナイトと合体した姿はそこまでナイトサバイブに似ておらず、属性が風属性の剣士というぐらいしか共通点はない)。
必殺技名も原典から変わっていない。
必殺技/クロススプラッシュ…双剣「カイザブレイド」を交差することにより生まれる、水の竜巻で敵を切り裂く。
シャドームーン一味の子供のような性格の仮面ライダー。
龍騎に挑むがギルス共々カードを奪われてしまった。
・小ネタ
原作のカイザには強化形態がそもそも存在しない設定。公式・公認媒体で強化形態が用意されたのもここぐらいのものだろう。
原作カードの解説によるとケイオスダイルは禁術によって生み出された呪われしモンスターという設定(この設定はおそらくカイザギアが呪いのベルトと呼ばれていたためか)。
カイザの相棒がワニという設定は原典での初陣がクロコダイルオルフェノクだったからであろうか。
必殺技/アサシンシュート…醒弓カリスアローから音も無く放たれる音速の矢により、一瞬で標的を死に追いやる技。
シャドームーン一味の一人。1号を倒すために龍騎と手を組み直ぐに裏切られた。
なおシャドーマンティスは変身者に憑依するため変身者の意思と関係なく敵になってしまったのか、それとも変身者がそもそも悪人だったかは不明。
・小ネタ
通常形態のカリスをデザインのベースとしているが、シャドーマンティスと合体した姿はワイルドカリスには似ておらず、カリスが他のライダーのジャックフォームのように金色の装飾を増やしたような姿になっている。
原作カードの解説によるとシャドーマンティスは全てを切り裂く鎌を持つ暗殺者という設定で、一人称は「俺」。
色が緑色なのはジョーカーアンデッドを意識したのだろうか?
- 仮面ライダーガタック(金属)/クワガタ型モンスター「シザービーター」
必殺技/エレクトリックカッター…手にした2本の剣を激しく交差させ、無数の稲妻の刃を飛ばし、敵を切り裂く。
歌舞伎のような話し方や動作が特徴のやべーやつ。パッケージには熱血ライダーとされているが...もしかして。
・小ネタ
原作カードの解説によるとシザービーターは大顎に電磁力を宿した金属昆虫であるとのこと。
モチーフはおそらくガタックゼクターかガタックエクステンダーだと思われる。
- シャドームーン(設定のみ登場、玩具展開無し)
用語
仮面ライダーしか存在せず、仮面ライダー同士が戦う異世界。
- ライドモンスター
全ての仮面ライダーのパートナーとも言えるモンスター。ミラーモンスターとは違い人間の言葉を話す。普段はカードに宿っており、必要に応じて自在に呼び出すことが出来る。また、ライドモンスターカードは各ライダー一人一枚しか持つことが出来ない。
- 三賢獣
かつて世界を救った3匹のライドモンスター。1号の相棒サイクロンホッパー、V3の相棒フレアサラマンダー、もう1体は2号の相棒とされる。
- 鬼ヶ島
シャドームーンを筆頭とする悪のライダー集団の本拠地。
- ツバイ
響鬼が守護する伝説の鍵。
コミカライズ版
小学館の漫画雑誌「コロコロイチバン!」(コロコロコミックの兄弟誌)でも稀代のギャグ漫画家・小西紀行によるコミカライズ版が連載された。勿論、作者のほかの漫画同様、主人公の龍騎はトンデモないド外道だった。他のライダーたちの戦法も「不意打ち」や「騙まし討ち」、「落とし穴に落としての追い討ち」、「擦違い様に催眠スプレーをかける」など、ヒーローらしからぬものばかりである。
その後
「駈斗戦士」の展開が終了し、2009年に同じコンセプトのデフォルメフィギュア、「THE仮面ライダーズ」が発売されている。そのかわり、武器などのオプションパーツは一切付属していない。
中には、旧「駈斗戦士」版の金型を流用・改修したものもあった。
こちらは2015年発売の第17弾で終了している。
関連タグ
仮面ライダーウィザード・・・S.I.Cではプラモンスターと合体するギミックが搭載された。
オーズアーマー・・・動物型アーマーと合体して変身する。
プログライズキー・・・『ゼロワン』世界ではライダモデルという動物型のデータをアーマーとして装着することで仮面ライダーに変身する。